第12話 忘れ物
「もう終わりか」
そう。わたしの大切な妹が言ってるとおり、デートがついに終わっちゃった。最初からの予定がレストランにいくくらいだったからそんなに意外じゃないけど。明日も学校があるし、したくても長いデートができない。
「今からお姉ちゃんと遊園地に行きたかったなのにね」
「行けるわけないよ」
「え?そんなに嫌?お姉ちゃんが、私と」
「それはないけど……時間がなくて、そもそもここには遊園地もないよ。今から電車でいくつもりなの?」
「行きたいと言ったら、お姉ちゃんがついてくるの?」
「来るわけないよ」
「ホテルで、二人きりで泊まるなら?」
「まあ……」
「一緒のベッドで寝るなら?」
「それは、まあ……」
「寝る以上のなにかしてもいいよ?」
それはどういう意味なのか、さすが私だって、それくらい分かってる。デートのあと、恋人……もとい妹とベッドで二人きりですること。
それは、もちろん。
ハグです!
そしてキス!
キスのあと、気分が向いたらそれ以上もあり得る。
だから、いくのはだめに決まってる!
「いかないよ!そもそも、なぜわざわざ妹と一緒に寝るために、一体どこホテルに行く必要があるのか? 一緒に寝たいならうちでもいいよ?」
「ええ?一緒に寝ていい、てこと?」
「それは……そうかもね。帰ったら、ね」
「やった!」
妹がわたしのすこし後ろで歩いてはしゃいでる様子で、わたしたちは家に戻ろうとしてた。でも、やっぱりなんか、なにか忘れた気がしてならない。わたしたちが話し合ったことなら、もう全部した。それは問題ない。そうなれば、忘れた事があれば、それはわたしが妹に言っていないことになる。
そう。共に立てた予定がもう終わり。
でも、わたし達が帰る前にしたいことといえば、わたしにもひとつかふたつくらいあるんだけれど。そのひとつを今提案すればいいかな?わたしの可愛い妹がそれで満足すれば、多分いいでしょう。そう。提案しよう。
「花」
「お姉ちゃん?」
「確かにもうすぐ帰るんだけど、その前に。ひとつだけお願いしていい?したいことがある」
「お姉ちゃんとなら多分なんでもいいだけど?」
許可をちゃんと取ったので、この状況で……
アレしかあり得ないんですよね?
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