第10話 姉妹の会話
時間が経って、日が続くと、やっと神聖な時が来た。
それは、もちろん、お姉ちゃんとのデート。つまり、今は放課後。学校を去って、近くにあるオシャレなカフェにいる。邪魔者は、もういない。他の客を覗いて。満席なのでそいつは結構いる。でもまあ、たぶんわたしたちの邪魔しないだろう。ただの赤の他人だし、わたしたちの会話にそれほど興味持ってないだろう。わたしだって、知らない人が変な話してても、興味深々聞きながら聞かないふりをするくらいしかしないし。
そしてわたしたち、もう注文してた。ちょうどテーブルで待ってるところだった。
何をしてると聞いたら、それはもちろんもう言った通り、お姉ちゃんとのデート。まだあまりデート感がないけれど...... お互いにまだ制服姿だし、周りが混んでるから店内は実際にかなりうるさい。叫ぶほどの大音量で話さないとまじでなにも聞こえない。だから話を諦めようともうしないけれど。ほかの客がすごくうるさいならば、わたしたちがもっとうるさく振る舞えばいい。問題可決。
って、会話。会話してるよ、わたしたち。わたしとお姉ちゃんが。
「お姉ちゃん、前借りてた漫画なんだけど、もう読んだの?それともまだかな?」
「ああ、それは、ね、もうおよ読みになってたね。ついさっき超つまらん宿題あったっしょ?それ全然したくなくて、代わりに漫画読んでた。読み終わったあと宿題もしてたけど。間に合うかどうか、かなり焦るところだったんだ」
「感想は?」
「割に面白いほうだったかな。特に妹キャラが大活躍だったね。なぜか超小さくになってて、お姉ちゃんに食べられちゃうところと、そのあと変な魔法かけた人に復習するシーンは、まあ、内容は内容だけど、いろいろな意味ですごい印象残ってたね。一生忘れられないほどやばかった。ちなみに、その漫画、百合だったんでしょう?それとも姉妹もの」
お姉ちゃんへのヒントになるかなみたいな気持ちで貸したので、それは当然そうだけれど、直に本人から聞かれていると...... 気持ちがちゃんと伝わっててちょう嬉しい気分になる。
「そう!そうよ!お姉ちゃん、分かる?」
「分かるかどうかと聞いても、読んだ時テーマがかなり分かりやすい気がしてたんだけど」
「お姉ちゃんとラブラブしたいの暗示だったんからね」
「そうか......」
それを聞いて、考え込んでいたお姉ちゃんであった。
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