第9話 数学の力でたくさんのデートしよう
授業が始まったのは確かけれど、それだけではない。いまのところだけではじまっていない、のは黒板で書かれて並んでいて三つの数学問題が示している。書くだけが数分もかかっていただろう。
そして、先生が黒板のとなりで立っている、わたしたちを睨んでいる。すごく睨んでいる。かなり怖い顔。
「忙しそうにしていますね、諸君。今回だけは見逃しましょうか。 代わりに、この問題、解決できるかどうかを、挑戦しませんか?」
黒板の三つの問題を指差して、先生がそう言う。
これ、何かの罰だろうか? それとも最初から誰かに聞くつもりだって、わたしたちがただに先生がすごく適当な選び方しているから当てられただろうか?
どうでもいいか。言われたとおりにしよう。ね、お姉ちゃん?
隣を見てと、お姉ちゃんも天野ちゃんも同じ考えだったみたい、二人ともに席から立てて黒板へ向かう。
一番難しそうな問題はお姉ちゃんが自分のものにする、わたしがお姉ちゃんからしてもらいたいみたいに。と言っても、すぐに行かない。お姉ちゃんであっても、この問題はそう簡単じゃいのは、彼女の考え込んでいる姿見たら明らかになる。
他の二つは、わたしがひとつ、天野ちゃんが一つ。
今のは数学だったでしょう? 天野ちゃんにとってはどうかは知らないが、わたしの場合、それなら絶対に大丈夫。解決方法だけなら、多分わかる。お姉ちゃんから教えもらったはずから。数学はお姉ちゃんの最も優れているところの一つだから。わたしも普通に興味持ってるけれど、お姉ちゃんほどではけしってない。
とりあえず、わたしのをやってみよう。
そして、自分の目の前の問題を見て、硬直してしまう。
解決方法は、まああ......
簡単に言えば、分からなかった。
こいう問題のは教科書の今までのやつとかなり違っている気がする。先生がまさか、まだ授業ですら説明もらっていないことがいっぱい出る超難しい問題を選んで、わたしたちに捧げた?
一体どういうことよ、それは? なんかずるくない?
諦めようか。お姉ちゃんが隣でタタタと何かを書き始めているみたいだけれど。天野ちゃんもすこし自信なさそうになにか書いている。
わたしだけがあきらめるのは恥ずかしいからとりあえず分かる事から行こう。知っていること、万に一でもやくを立っていそうなものも書いてみよう。
それで、よし。
分かる事はちゃんと書かれている。問題を解決するにはどうすればまだ分からないけれど。
これ、やはりただに時間の無駄遣いなのだろうか。隣を見てとお姉ちゃんがもう終わったみたい、今の所わたしを集中している。目が合って、お姉ちゃんがウィンクする。すごくプレッシャーになりそう。
諦めようか。それでプレッシャーを耐えなくてもいい。
ともうと、お姉ちゃんがわたしの自信のなさへの落下を優しく止めてくる。
「ね、花。さっき言った二回目のデートのはたぶん冗談だったでしょうと思うけど、花がこの問題ちゃんと解決できたら、ご褒美として実際にしてあげてもいいよ」
お姉ちゃんが、わたしが諦めようとしていたのは気づいただろう。お姉ちゃんの応援があれば、諦めるのはまだ早い。
無駄な抵抗になるだけかもしれないが、やってみる価値がそれでもあるだと思う。
と思っていたけれど、なんとか安全に解決と呼べるだろう位のものができていた。先生の方を見てと、
「よくできましたね。普段見せ所のない数学スキルがあったのは常々気づいていましたので、いまは確かめるきっかけとして良さそうだと思いました。本当によくできました、三人とも。私の授業中喋っててもこれから文句は言うまい」
いつの間にか天野ちゃんも終わったらしい。
数学先生からの試練はこれで終わりか。実際に喋ったへの罰のつもりだっただろうが、結界よしからそういうのはあまり考えなくていい気がする。
嬉しいな。
先生の褒め言葉より、お姉ちゃんの提案は本当のご褒美だけれど。一回目のデートがまだなのに、それでも二回目がくるなんて知るのは、正に宝くじで当たったみたいな感じ。
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