第109話 浜辺にて
「ではいきましょうか、先生」
「了解です! 素材に負けない様に頑張って撮りますよ!」
今俺は金髪天使さん達との撮影会を始める所だ。
金髪天使への揉みの後さらに天使さんが二人やって来て揉みをした訳だが、寝ている金髪天使さんがやはり少し光っている訳で、リソース譲渡揉みは危険かなぁと他の天使さん達にやるのはやめようと思っていたのだが……。
どうもリソース譲渡揉みの事が神界に知れ渡っていた様で私達にもお願いしますと言って来たんだよね。
しかもよくよく見るとその二人のうち片方は見た事の、いや会った事の……いやいや悪魔の件で俺の中を治療してくれた青髪天使さんだった!
ポン子が恐縮して救護室長とか呼びかけているし……すっごい偉い人なんじゃないの? この二人への揉みの途中に起き出して来た金髪天使さんと初めて会う天使さんはリソース譲渡揉みを受けてテンション高めな状態になっていたのだが。
この救護室長天使さんは体は光れども特に言動は変わる感じはしなかったんだよね、耐性とか個々であるんだろか?
その割に撮影会の話を持ち出したのもこの救護室長天使さんで、金髪天使さんともう一人の天使さんもテンション高めなまま賛成をし……そして救護室長天使さんは出しっぱなしだったサキュバスの
サキュバスさん達の画像をしばし見た後に救護室長天使さんは水着撮影で行きましょうと高らかに宣言、他二人の天使もテンション高めの勢いのまま賛成したのであった、横に浮いてたポン子は言っていた『後で恥ずかしくなるんでしょうね』と。
だが俺は止めない、だってモデル体型な美人天使さん達の水着だぜ? そりゃ撮るしかねぇだろうが!
ワクワクとベランダを見ながら着替えが終わるのを待っていると声が掛かったので振り向く、そこには三人の美の女神が居た、素晴らしい、俺はモバタンを構えると……救護室長天使さんが待ったをかけた、ここで生殺し!?
と思ったら何やら魔法を発動し……俺の部屋が青い空、白い雲、白い浜辺な波打ち際になった、何を言っているのだろうかと思うが本当なんだよ……意味が判らない。
ポン子が説明をしてくれた、力の強い天使は自身の力を増す為の世界を構築できるのだとか、あー前にポニテ姉さんが出したラブなホテルみたいな空間を出す奴か? 確か固有結界とか、ってこの世界は部屋とかじゃなくてお外だし海辺だよ? すっごい人なんだなこの救護室長天使さん。
ではよろしくお願いします、順番に行きますね。
まず金髪天使さん、そのモデル体型な体に白いモノキニの水着を着ていた、前から見るワンピース姿はそのモデル体型を浮き上がらせ只々美しいと言える、そして背中から見るとビキニっぽいその姿は美しさは元よりセクシーさも感じさせる素晴らしい水着チョイスと言える。
「はい金髪天使さん、まずは浜辺を歩いて行きましょうそうです! 歩き方すら美人とか反則ですよ! ……そして日差しを遮る様に手をかかげて……あああ俺は日傘になって貴方を守ってあげたいです! 波打ち際で少し水にはいってはしゃいでみましょうか、くぅぅ撮影をやめてナンパしに行っていいですか? 次は肌が見えている背中とお尻のラインを強調して――」
パシャパシャと遠慮なく何枚も撮っていく俺。
「ありがとうございましたーお疲れ様です」
ふぅ素晴らしかった。
次は天使さんだ、この天使さんは他の二人の大人っぽさに比べると少し幼さを残している感じのピンク髪天使さんだ、水着は青と白のチェック柄のタンキニだった、スポーティで元気の良さと可愛らしさを感じるそれは、自身の魅力を理解した完璧なチョイスだと言えるだろう。
「では天使さん、お友達と遊んでいる感じでお願いしまーす、はい最高の笑顔頂きました! あ、モバタンは完全防水なんで大丈夫ですよ、どんどん水を掛け合いっこしましょう、そこで元気よくジャーンプ、あーいいですね可愛い世界大会優勝が決まりました! そして少し疲れちゃったよーって友達に甘える感じで、あーもうそんな甘え顔見せられたら……お兄さんが焼きそばでもジュースでも何でも奢ってあげますから! 次は――」
パシャパシャと何枚も遠慮なく撮っていく俺。
「ありがとうございましたーお疲れ様です、え? ジュース? あはいポン子おねがーい」
ふぅ……可愛らしいのもいいね、いやほらサキュバスさん達はセクシー系が多いから。
さて次なのだが……。
俺はあまり視界に入れない様にしていた救護室長天使さんを見る。
彼女は黒のブラジリアンビキニ水着だった、面積は限りなく小さく、腰から下に黒いパレオを巻いているけど透けているためにまったく内部が隠せていない、うなじあたりで纏めていたロングの青髪も今は解いていて魅力度が上がっている。
正直な話これより過激な恰好をしたサキュバスさんとかも居た……けれども俺がセクシーだと思う心の衝撃度はこの人が最高値を叩きだしたと言えるだろう。
おれはゴクリと唾を飲みこんでから撮影に入る。
パシャッ
パシャパシャッ
パシャパシャパシャッ
パシャパシャパシャパシャッ
「先生?」
俺は地面に伏せて見上げる様に構える。
パシャパシャパシャッ
パシャパシャッ
「モミチロー先生?」
次は後ろから追従していく感じでいこうお尻がグレートだ。
パシャパシャパシャッ
パシャパシャッ
なんだこの人は……俺が何も言わないでも俺が欲しいポーズや角度を完璧にしてくれる。
パシャパシャパシャッ
パシャパシャッ
こんなにも心が引き込まれる被写体が居ただろうか? 俺はこの人を永遠に撮――
「モミチロー先生!」
金髪天使さんに肩を掴まれて大きく揺らされた。
「わわ、揺らさないで下さいよ金髪天使さん、せっかくの写真がブレちゃいますよ、てかどうしたんですか?」
俺は肩を掴んでいる金髪天使さんにそう聞いてみた。
「もう二時間近く撮影していますよ先生、私達の時は三十分もいかないくらいだったのに……」
ええ? 俺はポン子を見るとコクリと頷かれた、まじか? まだ十分くらいだと思ってたよ……。
「それはすいませんでした、救護室長天使さんもごめんなさい疲れたでしょう?」
救護室長天使さんは撮影時と同じくその素敵な笑顔を崩さずに。
「私はまだまだいけますよ?」
「あ、そうですかそれなら続行しましょうか」
俺はすぐ様同意してモバタンを構えるのであった。
「モミチロー先生!」
「わっ!」
俺が再度救護室長に向けてモバタンを構えると耳元で金髪天使さんが大声で呼びかけてきた、びっくりしたぁ……。
「落ち着いて下さいモミチロー先生! 上位の神や天使や悪魔はその存在自体にカリスマや魅了を備えている事があるのです、先生は神の器を持っていますので効き辛いはずなのですが……救護室長様! 固有結界の能力を弱めて下さい! それはずるいですよ!」
その金髪天使さんの説明を聞いて何となく理解をした俺は少し落ち着いた、そしてもう一度救護室長天使さんを見る……うんやっぱり素晴らしい、たぶん魅了とかのせいだけじゃなくあの人の恰好が最高すぎるってのはあったと思う。
「最初から固有結界の能力は抑えていますよ? 私の方が貴方達より魅力度が高すぎただけの話じゃないですかね~」
救護室長天使さんがそう二人にケンカを売っていた、その笑顔を浮かべた表情からするとこの状況をすごい楽しんでいるのが判る、ポニテ姉さんと仲良くなれそうな人だなこの人……。
その時ピキリッと二人分の何かが切れた音が聞こえた気がした、なんだろ?
金髪天使さんともう一人のピンク髪天使さんが俺から少し離れ、真っ黒い不可視の結界を張り中に入っていった、しばらくして結界が消えるとそこには……。
救護室長天使さんと同じタイプのブラジリアンビキニを着た二人が居た、それぞれ色は前の水着に合わせていて、金髪天使さんが白、ピンク髪天使さんが青だ。
水着は体形に合わせた方がいいんじゃと思っていたが……ギャップ萌えという言葉が有る通り中々に似合ってて可愛セクシーという感じで俺の心に新たな火が着くのであった。
金髪天使さんが俺に声を掛けてきて。
「モミチロー先生もう一度私た――」
「三人共そこに並べ! それと救護室長天使! 青空から夕方に変更だ、出来るだろう?」
俺は金髪天使さんの声を遮りそう命令をしつつ救護室長天使に聞いてみた、彼女は何も答えなかったが空はすぐさま夕方になりしかも笑顔でポーズをとり出した、それを見た金髪天使さんとピンク髪天使さんも負けじとそれぞれモデルポーズをとりだした。
「おーけい最高だ、お前ら、俺が満足するまで終われると思うなよ?」
あまりの被写体達の素晴らしさと、撮影環境の良さに俺はオラオラ系カメラマンに成ってしまい撮りまくるのであった。
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