第3話 残った王候貴族の食事と愚行

 今まで、料理人が作り、出された物を食べるだけだった者にまともに料理ができるわけがない。


 しかし、食べなければ多少はもつだろうが、生きていけない。


 そして、何もしなかったとしてもお腹は空くので、仕方なく自分たちで料理をした。


「なんだこれは!! 真っ黒に焦げているではないか。さらに味も悪い。」


「父上、こちらは味付けはともかくたべれますよ」


「「二人とも文句を言うなら食べなければいいのですわ」」


 第二王妃が作った物は、焼きすぎて真っ黒焦げで、味付けも最悪。


 聖女が作った物は、焼きが足らず生焼けで、味付けも最悪。


「「こんな物でも何も食べないよりかは、マシだから食べる」」


「「なら文句を言わずに黙って食べてください」」


 黒こげの方は、加熱が十分すぎるのでまだいいが、聖女の作った生焼けの方は、普段ならしっかり管理され、新鮮なものなので、生で食べることもできるものもある。


 ウィリアムは、ステーキはレアが好きなので、聖女が作ったものでも味はともかく食べている。


「レアもたまにはいいものだな。味は悪いがな」


 国王も息子に進められ、食べ始めた。


 しかし、生焼けとレアは違う。

 レアは、赤い部分は残っていて、いっけん生っぽく見えるが、低温でしっかり中まで加熱されているので、食べても問題はない。


 だが生焼けは、言葉の通り、中まで加熱されておらず、中は生なのだ。


 そして、料理人がいなくなった王城の調理場の肉がちゃんと管理されているわけがない。


 どうなるかの結果は、数時間後から明日の朝になればわかるだろう。


 それは、王城だけの話しではない。


 王国に残った貴族たちの屋敷でも起きている。


 翌日になり、王城でも貴族の屋敷でも食中毒になった者が続出したのである。


 更に王国は、下水道など衛生面の発展はしていない。


 排泄物は、王族も貴族も平民も関係なく、外に捨てるのだ。


 食中毒の菌だらけ排泄物が道端にたくさん溜まっているのだ。


 もう病原菌だらけで、王国国内は最悪な状態になっている。


 食中毒で、お腹を下しながら彼らが導きだしたことは、他国に行こうである。


 しかし、契約書があるので、共和国を除外して、漏らしながら他国に赴いたが、受け入れてくれることはなかった。


 国王と大統領、王太子とサターナのやり取りを直接見ていた国々がアルメシア王国の王候貴族を端から受け入れるわけがないのだ。


 共和国以外は、アルメシア王国の国王とアルメシア王国の者を受け入れるという契約を結んだわけではない。


 なので、受け入れる義理もないのだ。


 どうにかしなければならない彼らは、サウジャール共和国に受け入れてもらおうと動いたが……


 他国に行かずに最初からサウジャール共和国も王族やあの騒動に関わった者たちは受け入れられなくても、関係なく王国に残った貴族たちは受け入れられた可能性もあった。


 なぜなら、他国に受け入れてもらおうと決断した段階では、あの騒動から八日しか経っておらず、残り二日残っていたからである。


 にもかかわらず、契約書があるから最悪、国王が命を落とす可能性を考えてしまい、他国に行ってしまった。


 その為に三日を費やしてしまったので彼らは、期限切れで共和国は、拒否する権利を獲得してしまったのである。


 そうなるともう共和国は、王候貴族は絶対に受け入れない。


 アルメシア王国の崩壊が目の前に迫っている。


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