7-2
翌日、授業を終えた無動は自治区内で最大の在庫数を誇る屋根裏レコード来ていた。
「ここかぁ」
渋い顔をしながら店内を見て回っていると、今回の目的である蓮井ルイのCDコーナーを見つけ手当たり次第にカゴの中にCDを入れ、そのまま雑誌コーナーに向かい、特集されている蓮井ルイの記事が載っている雑誌もカゴに入れ、そのままレジに向かう。
「36852円になります」
胸ポケットから長財布を取り出し、広げるもお札が入っておらず、財布を逆さにしても小銭すら出てこない無動は冷静さを装いジャケットやズボンのポケット全てにお金が入ってないか確かめる。
「あの~お客様?」
引き攣った笑顔で答える無動。
「買いますから。ちゃんとね、お金は、あるはずなんですよ……」
「コレでお願いします」
焦る無動とレジスタッフの間に一枚のクレジットカードが差し出され、その差し出された手を追っていくとそこに居たのは警邏中の瀬良が居た。
「ど、どうして瀬良がここに!?」
思わぬ人物の登場にどもってしまう無動。
「話は後で。買うんでしょ? 後ろにお客さん待たせてるわよ」
「っあ、それでお願いします」
会計を済ませ、店を出る無動と瀬良。
「それで!? 急に音楽に目覚めたわけでもなさそうのにどうしたの?」
「依頼だ。盗作のな」
「厄介そうなの引き受けたのね。それで、あなたの相棒さんは?」
「相棒?」
訝しむ無動。
「あぁ、ロリなら今買った……」
屋根裏レコードのロゴが入った袋を持ち上げる無動。
「この歌手について知っている人間が居るとかで話を聞きに行ってる」
その頃、茅野は自治区にあるショッピングモール・トーカ堂にテナントとして入っている島田屋楽器に来ていた。
「すみませ~ん、貸しスタジオって何処ですか?」
茅野は近くを通った店員に貸しスタジオの場所を訪ねて、その場所に向かってみると防音ドアに取り付けられているダブルガラスから中を覗き、3Pバンドが練習をしているのを見つける。
「まだ暫く掛かるかな?」
スマホを取り出し、時間を確認すると約束の二十分前と分かり、同じフロアあるフードコートのたこ焼き屋をスマホ検索で見つけてたこ焼きを食べに向かう茅野。
「美味しそう」
茅野の前には鰹節が踊り出来立てホヤホヤのたこ焼きが置かれた。
「360円になります」
「安!? 16個入りですよ。間違ってませんか?」
「いえ、合ってますよ」
驚く、茅野に対して平然と答える店員。
「じゃあ、これで」
500円玉を財布から取り出し会計を済ませ、取って置いた席に座り、たこ焼きを口に運ぶ茅野。
両目を閉じ、眉間に皺を寄せる茅野。
「う~ん‼ おいしい」
椅子に座ったまま足を上下にばたつかせる茅野。
「良い御身分ねぇ。いきなり連絡してくるわ、指定した場所には来ずにたこ焼きを食べてるわで。」
茅野がたこ焼きを頬張ったまま顔を上に向けると、先ほどまでバンド練習でキーボードを弾いていた高林妃那が眉を吊り上げて笑って話しかけてきた。
「だからスタッフの人には場所を伝えたよ? 後、頬を引っ張るのは止めて下さい妃那ちゃん」
「だ~め。にしても、絵理のほっぺたは良く伸びるわねぇ気持ちいいわ」
茅野の両頬を引っ張って離さない高林。
「それで、急用って?」
茅野の頬を堪能した高林は空いてる席に背負っていたキーボードを置き、茅野の対面に座る。
「それなんだけど、妃那ちゃんって音楽詳しいじゃない!?」
両頬を擦る茅野。
「詳しいってか、好きなだけだけど」
「それでね、この人知ってる?」
スマホを取り出し、蓮井の画像を高林に見せる茅野。
「あ~、ルイかぁ。人気出たよねぇ」
「ほら~、やっぱり知ってる」
「いや、コレくらいは知ってなきゃ。流行ってんじゃん。一応は」
「そうなの?」
顔を傾ける茅野とは正反対に頭を抱える高林。
「絵里、アンタも一応は女子高生なんだから流行り廃りは覚えとかなきゃ」
照れくさそうに頭を掻く茅野。
「褒めてないから。この蓮井ルイは自治区から人気に火がついて今は超売れっ子なんだから」
「へぇ~」
関心しつつたこ焼きを口に運ぶ茅野。
「まさかとは思うけど、ルイの曲を聞いたことが無いとかなの?」
「えへへへ」
更にたこ焼きを食べる茅野。
「頭痛がしてきた」
大きなため息をつく高林。
「まず、たこ焼きを食べるの止めてくれない。話を聞いてるのか分からないし、何より一口食べるごとに取るリアクションが大き過ぎて話しててイラっとするから」
たこ焼きと高林を交互に見つめて、大急ぎで残りのたこ焼きを口に入れ、喉に詰まらせる茅野。
「アンタは友達より食欲を優先かいって馬鹿、急いで食べるから」
高林が近くに合った給水場で紙コップを取り水を淹れ、茅野に手渡す。
「コレ飲んで!!」
高林から受け取った紙コップに注がれた水を一気に飲み干す茅野。
「ふ〜う。生き返った」
「大げさ。それで、ルイの何が知りたいの?」
「いろいろ?」
「アバウトねぇ。まぁ、私がっていうか曲を聴いた人なら分かると思うけど、歌唱力がずば抜けてるってとこね」
「そうなの?」
「先ず、音程が外さないのは当たり前だけど、テクニックがあるから字余りの歌詞でも違和感なく曲に合わせて歌い切れるし、肺活量が凄いから声が演奏に負けてないし、噂ではマイクのスイッチを切ってるっていう噂があるくらいで、いつの間にかヴォーカリティ・ディーヴァって、呼ばれているらしいわよ」
「ヴォーカリティ・ディーヴァ?」
「そう。彼女の天賦の才能とそれ負けず劣らずの歌唱力を讃えてそう言われてるらしいわよ」
「へぇ〜妃那ちゃんとはどっちが上手いの?」
大きなため息を付く高林。
「比べるだけ野暮。彼女がバンドのボーカルをやってくれるなら喜んで演奏に専念するわよ。ま、そんな事あるわけないけど」
「そのルイって人は作詞作曲もするの?」
「デビュー前に組んでたバンドではやってたらしいけど、解散して今の事務所に所属してからはどうなんだろう?」
「違うの?」
「う〜ん、バンド時代と比べると言葉のチョイスや曲のニュアンスが変わってはいるんだけど、バンドとソロで変えてくるアーティストなんて沢山いるから絶対違うとは言えないかな」
「そうなんだ」
「なに? ルイが何か事件を起こしたの?」
「そうじゃないんだけど……」
「焦れったいなぁ。何か知ってるなら話なさいよ」
周りをキョロキョロと見渡す茅野。
「誰にも言わない?」
互いに顔を近づけ、高林の耳元に口を近づけ、口元を手で隠す茅野。
「実は、この蓮井ルイって人がある路上ミュージシャンの曲を盗作したっぽいの」
「はぁ!?」
茅野の言葉に驚き、大声を出してしまい慌てて自分の口を塞ぐ高林に近くを通っていた人達も驚き、高林達の方に視線を向けるが、そのまま歩き去っていく。
茅野が自分の口元に人差し指を立てる。
「ごめん。でも、それって本当なの?」
「それを今、調査してるの」
「成程ねぇ。それで、私に話を聞きに来たってわけだ」
頷く茅野。
「でもな、そういう事はしなさそうなんだよなぁ」
肩まで伸びてる髪を軽く掻く高林。
「そうなの?」
「そう。私がバンド組んで間もない頃に何度か対バンさせて貰った事があったけど、愛想が良いし、面倒見も良くて初めてのライヴでテンパってた私達の緊張を解してくれたりして、自分達の練習よりも私達の方に時間を割いてくれて色んなアドバイスをくれたんだよね」
懐かしそうに遠くを見る高林。
「その盗作って、捏造じゃないの?」
顔を左右に目一杯振る茅野。
「だって、その人が言うにはまだ発売前の曲なんだよ。それをどうやって」
「ねぇ、どうして発売前の曲が盗作された曲だって分かるの? おかしいよそれ」
「あぁ、それはね……なんでだっけ?」
頭を傾け考え込む茅野。
「ほらね、聞いてないんでしょ? なら、嘘ついたんじゃないのその人」
「そうかな?」
親指と人差し指の間に顎を入れ考える茅野。
「そういう人には見えなかったんだけどなぁ」
「なら、本人に聞いてみれば?」
「本人?」
「そう、蓮井ルイに」
「聞くって、どうやって?」
「あの人は確か三ッ葉大学に在学中のはず。確実に会えるって保証は無いけど」
身を乗り出す茅野。
「行こう、今すぐ行こう」
「行こう? 行くじゃなくて?」
「うん。だって、私何処にあるか知らないし」
満面の笑顔で答える茅野。
「いや、場所ぐらい教えるし」
ぷく~っと顔を膨らませる茅野。
「え~、行こうよ。その人も妃那ちゃんが居た方が話しやすいと思うから」
いつの間にか高林の両腕を掴み、ぶらんぶらんと揺らしながら駄々を捏ねる茅野。
「あ~もう、分かった分かったから腕を離して」
高林の一言に目を輝かす茅野。
二人は電車を乗り継ぎ、蓮井ルイが通う三つ葉大学の校門前までやって来ると校内から無動と瀬良が歩いて出て来た。
二人を指さす茅野。
「あ~何で無動さんがいるんですか⁉」
茅野の大声に顔を傾け片耳を塞ぐ高林。
「ロリは文化祭でも見に来たのか? 残念だが平日は行われないんだ。食意地だけが取り柄のロリに曜日感覚は皆無だろうから仕方ないがな」
「そんな理由(わけ)ないでしょ。無動君と同じで蓮井さんに会いに来たんでしょ?」
溜息混じりに瀬良が無動を窘める。
「流石、瀬良さん。どこぞの独活の大木とは大違いですね」
「なに!?」
「無動さんこそ!?」
互いに眉間に皺を寄せ睨みあう二人。
「私、帰っていい?」
気怠そうに無動と茅野を見つめる高林。
訝し気に高林を見る無動。
「アンタ誰だ?」
「アンタこそ」
「あ~……」
無動と高林を交互に見つめ互いを紹介する茅野。
「無動さん、この人は高林妃那。同級生で蓮井ルイさんの知り合いです。妃那ちゃん、こちら陵南高校一、口の悪い無動さん」
「貴方が無能の無動ねぇ」
「あん?」
眉間に深い皺が入る無動と口元を緩める瀬良。
「瀬良、何笑ってるんだよ?」
瀬良に向き直る無動。
「ごめんなさい」
笑って無動に答えると、高林に近付く瀬良。
「高林さん。私は中央委員の瀬良櫻子よ。よろしく」
握手をしようと手を出す瀬良につられて高林も手を出し、握手する二人。
「っあ、どうも。こちらこそ」
「それで、無動さんは蓮井さんに会えたんですか?」
頭を掻く無動。
「いいや、一足違いだ」
「え〜じゃあ、どうします?」
「決まってる」
屋根裏レコードのロゴが印刷された紙袋を持ち上げる無動。
「コッチから調べるだけだ」
× × ×
弁護部のある陵南高校に着いた頃には日が傾き始めていたが無動達は気にも留めず、部室に入ると買ってきたCDや雑誌の封を開け始めた。
「あの〜、何で私が此処に居るんですか? もう、日が傾き始めてるんですけど······」
「だから何だ? って、何で部外者が居るんだよ!?」
「何かヤバいンですか? 私、音楽には詳しく無いんで着て貰ったんですけど?」
「やっぱり、ロリの仕業か。個人に関わる事だ。無闇に自分の事を他人に調べられて嬉しい人間が居ると思うか?」
顎に手を置き考え込む茅野。
「た、確かに……」
「まぁいい。お前は楽譜を書けるか?」
「はぁ!? お前呼ばわりとかマジ無いんだけど」
「そんな事はどうでも良い。出来るか出来ないか答えろ。出来ないなら、今日の事は忘れて誰にも広言するな」
「偉そうに。……出来るわよ」
「なら、コレらを楽譜に起こしてくれ」
無動は買ってきたCDを数枚、高林の前に差し出す。
「……。ヤレばいいんでしょ」
「偉そうに」
無動を睨む高林に慌てて二人の間に入る茅野。
「まぁまぁ、妃那ちゃん。無動さんはこういう人だから気にしないで」
無動からCDを奪い取る茅野。
「それよりコレ、お願いできない?」
茅野のチワワの様な潤んだ瞳に見つめられて、渋々引き受ける高林。
「ありがとう」
CDを受け取った高林は適当な席を見つけて、スマホから曲名を探し、イヤホンを付けて作業に入る高林。
高林が作業に入るのを見て、無動に振り返り睨む茅野。
「無動さん、なにやってくれてるんですか⁉ もう少しで怒って、帰る所だったじゃないですか⁉」
スマホを取り出し、電話を掛ける無動。
「ちょっと、どこに電話してるんですか⁉」
「いいから、お前も作業に戻れ」
二人が揉めていると無動が掛けた相手が電話に出る。
「はい、こちら柊法律事務所だがや。……もしもし?」
スマホから聞こえてきた声は名古屋弁訛りがあり、年配男性の声だった。
「っあ、すみません。私、学園自治区にある自治区陵南高校の無動和真と言います。柊茂先生はいらっしゃいますか?」
「お〜無動くんかぇ、やっとかめ」
「えぇ、ご無沙汰しております」
「ほんで、どうしたがや。電話なんて珍しい」
「それがですね……」
× × ×
「無動君……」
「はい……」
「おみゃさん、また難儀な問題に係わってるだで」
「……自分に出来る事はこれ位なんで」
「あまり自分を卑下するもんじゃにゃーわ。人間、誰にでも出来る事と出来ん事はあるでよ」
「……はい、分かってます。自分に力が無いばかりに人生を大きく変えられてしっまった生徒が居た事は忘れるつもりません」
無動は当時の出来事を思い出し、気付かぬ間に右手をきつく握りしめてた。
その無動の発言に部室の空気は重く、張り詰め茅野でさえ軽口をたたくのを躊躇う程であった。
「あ~、ごめんごめん。わしゃ、何も無動くんを追い詰めとーて言っとるんじゃにゃーのよ」
柊は無動の声色が変わったのに気づき、普段より声色を上げて会話を続ける。
「その事務所、聞き覚えがあるだがや」
「まぁ、有名な事務所みたいですからね」
買ってきた、雑誌の一冊にサラっと目を通す無動。
「まぁ、裁判の件は承知したで、そっちのが終わり次第書類を送ってちょーよ」
「ありがとうございます。では、終わり次第送らせて貰います。失礼します」
スマホを切る無動。
「無動さん、今のは誰ですか?」
「あぁ、弁護士の柊茂先生だ。今回の裁判で向こうでも動いて貰えるように頼んだんだ」
「向こう?」
頭を捻る茅野に溜息を付く無動。
「俺は本物の弁護士じゃないからな。効力が有るのはあくまで自治区内だけだ」
「それくらい知ってますよ」
「だが、今回の件は既にCDや配信という形で発売され自治区を超えて一般社会に出回っている」
「ですね」
「こういう場合、どうすればいいと思うロリ?」
「……」
口を閉ざし、考え込む茅野。
「ぶー、時間切れだ。ロリ二号はどう思う?」
無動が高林に話を振るが舌打ちをして無視する高林。
「おい、ロリ二号どうした? 分からないなら分からないって言ってもいいんだぞ?」
無動を睨む高林。
「そんなに歳変わんねぇだろうがジジイ」
「それで、答えは?」
「諦めるしかないんじゃないの。知らんけど」
鼻で笑う無動が口を開こうとしたその時、お茶を淹れて戻って来た瀬良が先に口を開く。
「外部、正確には社会で弁護士を生業としてる方に協力を求めてそちらでも裁判をしてもらう。合ってるかしら?」
無動の前に湯呑を置き、愛想笑いを浮かべる瀬良と不貞腐れる無動。
「なんで、瀬良がまだ居るんだよ?」
「あら、無動くん事だから楽譜に起こすよう頼んでくると思っていたから居てあげたのよ」
「それなら、あそこに座ってるロリ二号が買って出たよ」
「はぁ!?」
思わず、大声を出して反応してしまう高林。
「違うみたいね」
「やってるのは事実だ」
眉間を摘みため息をつく瀬良。
「兎に角だ。先ずは盗作かどうかを見極める必要がある」
「でも、無動さん。妃那ちゃんに蓮井さんの曲を楽譜にしてもらっても、木村さんの方はどうするんですか?」
「今から取りに行ってくる」
無動はそう言うと部室を後にし、木村のマンションに向かう。
電車とバスを乗り継ぎ、木村のマンションに着いた頃には月が顔出し、時計の針が7時を過ぎていた。
集合玄関機で木村の部屋番号を入力し呼び鈴を何度か押すも返答が無い。
「おかしいな?」
懐中時計を取り出し、時間を確認する無動。
「ひょっとして、弁護士の人?」
後ろから声が聞こえて無動が振り返ると、喉ケア商品や半額のお惣菜などの食品が入った買い物袋を提げた木村が立っていた。
「っあ、木村さん。丁度良い所に。実は貴方が盗作されたという曲の楽譜を貸して頂きたくて」
「……汚したり、破いたりしないでよ」
「えぇ、勿論です。もしなんでしたら、スマホで写真を撮らせて貰えればそれを拡大コピーも出来ますので」
「ふ~ん。まぁ、じゃあ上がってよ」
木村の住む部屋に着くと、リビングに通され木村はバンドスコアを取りに行き、バンドスコアを無動に渡すと、お湯を沸かしにキッチンに向かう。
木村がお湯を沸かしている間に無動は渡されたバンドスコアをスマホの撮影機能で楽譜を写す。
無動が写真を撮影を終えると同時に木村が蜂蜜と生姜を混ぜたホットドリンクを持ってきた。
「よかったら、飲んで」
「ありがとうございます」
無動が木村から受け取ったカップに口を付けた後、バンドスコアにある気になる事を木村に尋ねた。
「木村さん、貴方はこの曲を自分のだと仰っていましたよね?」
「うん、それが何?」
「では、ここに作曲YUKIと書かれていますが木村さんの名前は……」
「麗奈」
「芸名は?」
「使ってない」
「では、このYUKIという方が作曲者というのは?」
「間違ってない」
「では、このYUKIという方と木村さんの関係は」
「……」
木村の小声に聞き取れず聞き返す無動。
「なんですか? もう一度お願いします」
目を真っ赤になり下唇を震わせる木村。
「この楽譜、YUKIが私の為に作ってくれた最後の曲なの」
「最後?」
木村は頷き、ぽつりぽつりと喋りだした。
「私は元々、YUKIと二人でデュオを組んでいたの」
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