第338話 卒業式で祝辞を読んできました

 今日は二番君の中学の卒業式。

 今年度PTA会長の私は、祝辞を読んで参りました。


「あー、三年間、あっという間だったなぁー」


 本当にあっという間に卒業でした。コロナもあって、保護者として、全然学校生活に関われない時期があったので、それもあってか、すごくはやく中学校三年間を感じました。


 一ヶ月ほど前、「会長さん、祝辞読まれますか?」と校長先生に聞かれ、即答で「ぜひに!」と答えた私。


 ……知らんかった。


 祝辞は必須ではなく、今時は「読む」か「読まないか」を選択できるんですね。でも、私は即答しました。


「だって、校長先生、こんな機会、人生多分一回しかないですよね!」


 ——というわけで。


 祝辞を書くことになったのですが、連載中の作品がホラーなので、同時進行は無理だなぁ、っと。今週は祝辞ウィークということにして、書こうと思ったのですが、「え、なに書くの?」ってなってしまって。

 

 いつもは小説を聴いているオーディブルで、名言集とか、人生に役立つ寓話集とか聴きながら家事をこなし、ネタを探してました。


 ——が。


「なんか、私が言いたいことと違うよなぁー」ってなってしまって。


「誰かが作った良い話の話をするよりも、PTAは保護者会なのだから、その代表で話すならば、保護者の気持ちをそのまま言えばいいのでは?」に、今週水曜日になりまして(卒業式の今日は金曜日なのに遅いw)


「じゃあもう好きに書いちゃえ!」と頭を切り替えました。


 水曜日の午前中に書き上げて、口に出して練習。文字を目で読むのとは違って、声に出して話すのは、間合いだとか、言い方の強弱だとか、抑揚の付け方で、文字ではわかりにくい表現も可能です。なので、それも考慮しての原稿作成をしました。


 何度も読み返し、何度も声に出し、録音して聞き直し、また原稿を直してを繰り返し、今日の中学校の卒業式の祝辞がようやく完成しました。


 この妄想日記を読んでる人はめっちゃ少ないので、自分の記録の為も含め、卒業式祝辞を書き残しておこうと思います。


 良かったら、お付き合いくださいませ。



 ——祝辞。


 卒業生の皆さん、本日は、ご卒業、誠に、おめでとうございます。


 皆さんにとっての三年間は、きっと、あっという間だったと思います。でもそれは、私達保護者も、同じ思いです。


 コロナ禍の『禍(わざわい)』の文字が示す通り、皆さんの中学校生活は、色々と制限がかかり、苦しい思いもしましたね。


 今まで当たり前だった生活が、コロナによって一変し、友達と触れ合うことも、体育祭や音楽祭などの学校行事も、以前のようにはできない時期がありました。


 今年度からは、先生方のご協力もあり、以前のように、皆さんの成長を見る機会が増えました。それは、私達保護者にとって、とても幸せなことでした。


 部活動を頑張る皆さんの応援に出かけ、勝利に手を叩き、敗北には、項垂れる背中を、ただ、黙って見守り、共に、涙を呑むこともありました。


 体育祭では、声を張り上げ、友達を応援する姿や、クラスの仲間と協力し、競技に打ち込む姿に、「頑張れー!」と応援することができました。


 音楽祭でも、我が子のクラスだけではなく、学年を通して、その歌声やボディパーカッションに感動し、最後に歌われた三年生の合唱曲、『花は咲く』では、透き通るような歌声と、その歌詞のメッセージ性に、思わず涙が溢れ、スマホを持つ手が、震えるほどでした。


 皆さんが歌われた『花は咲く』は、災害関連死も含め、二万人以上の方が亡くなられた、東日本大震災の復興テーマソングとして、制作された曲です。


 私は皆さんの合唱を聴きながら、「当たり前の日々なんて、本当はないんだな」と、改めて思いました。


 皆さんは知っていますか?

「感謝すること」の反対は、「当たり前」だということを。


 勉強ができなくてもいい。

 運動が得意じゃなくてもいい。

 学校に行けない時があってもいい。


 皆さん、一人一人が、こうして無事に成長し、今日、この場にいてくれること。


 それは、当たり前のことではなく、奇跡に近いほど、保護者として、感謝すべきことなのだと思います。


 心と体が成長していく時期。皆さんは、時には大人と心がぶつかり合い、苦しい思いもしたと思います。それは、私達大人も同じです。でも、考えてみれば、今世、この身体で、この魂で、こうして出会え、生きているからこそ、ぶつかり合うことができるのです。

 それは、本当に、愛おしいことだと思います。


 だからこそ、私は声を高らかにして言いたい。


 今日、この学び舎を卒業される皆さん。

 生まれてきてくれて、本当にありがとう。

 私達保護者の人生を、学び多き、豊かな人生にしてくれて、本当にありがとう。


 私達保護者は、あなた方、子供達を愛することが何よりの幸せです。

 義務教育を終え、新しいステージに向かう皆さんを、私達は、心から応援しています。


 保護者の皆様。本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。私達は、多感な子供達の思春期を、共に乗り越えてきた戦友だと思います。


 今まで、お子様を立派に育ててこられましたこと、本当に粘り強く向き合って、頑張ってきましたよね。


 だからこそ、今日の卒業式は、私達保護者にとっても、晴れの舞台だと思うのです。


 義務教育を終え、それぞれの道に進む子供達の、一番の応援団として、今日のこの良き日を共にお祝いできること、心より感謝申し上げます。


 最後になりましたが、本日、このような卒業証書授与式を開いていただけましたこと、校長先生はじめ、諸先生方、学校関係者の皆様、また、出席していただいた来賓の皆様、そして、在校生の皆様に感謝申し上げます。


 本当に素晴らしい場を設けていただき、ありがとうございました。


 以上を持ちまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。

 皆様、本日はご卒業、本当におめでとうございました。


 令和六年三月八日 ◯◯市立◯◯中学校 PTA会長 和響




 難しいことは言えないから。だから、ありのままの保護者の一員として、祝辞を読んできました。 


 PTA会長に任命された時は「ないわー」って思ってたけど、一年過ぎて、「あー、PTA会長やってよかった!」って心から思いました。


 私の話はイマイチだったかもだけど、晴れの舞台で、保護者の代表として、言いたいことを言える機会をいただけたこと。それは感謝以外のなにものでもないと思いました。


 今日は幸せな日でした。


 ちょっとお疲れビール気味なので、文体が乱れてるかも?!


 義務教育を終え、新しい世界へそれぞれ進む子供達に幸あれ!


 今日は、親として、すごく幸せでした。



 お読みいただき、ありがとうございました。

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