第282話 我が家のキャンプ飯

 最近我が家は『キャンプ飯』なるものにハマっている。『キャンプ飯』と言っても、キャンプに行くわけではなく、自宅の庭に焚火スタンドを設置してのなんちゃって『キャンプ飯』だ。


 ことの発端は先週の土曜日。


 子供が好きで見ているお料理系YouTuberさんの動画で、キャンプ飯をやっていたのを見たことだ。小枝を拾ってきたような小さな焚き火に銀色の調理器具を置いて、カマンベールのアヒージョを作って食べていたその動画を見たわたしは、「これって家でもできるんじゃね?」と思った。


 我が家の周りは畑や田んぼが多く、この季節になるとご近所で焚火をしている畑がある。落ち葉や枯れ枝を燃やしているその焚火の炎を塾の送迎時に見ることがしばしばあったわたしは、自宅の庭で焚火をしてもいいのではないかと思った。実際今までも焚火スタンドで焚火をしたことがあるけれど、怒られたことはない。


「今日のご飯、これやってみる?」


 そう聞くわたしに三番ちゃんは「やるやる!」と飛びついた。であれば今日の夕飯は『キャンプ飯』だと決め込んで、ネットで『キャンプ飯』を検索。


「チキンラーメンご飯! 美味しそうじゃん!」


 チキンラーメンとご飯を一緒に炊くという『チキンラーメンご飯』はどハマりする人続出なのだとか。うわ、それはやらなきゃね!


 そうしてやってみた土曜日。


「やば! めっちゃチキンラーメンご飯美味しくね? てか、バーベキューよりキャンプ飯の方が楽じゃん!?」


 気づいてしまったのである。

 バーベキューのために炭をおこすよりも、焚火の炎を利用したキャンプ飯の方が断然楽だと言うことに。なんなら、料理の幅も広がる。そりゃそうか、半分くらいジャンキーな感じがするし。


 それに何より焚火を見れるのが幸せだ。

 言うならば、焚火を見ながら夜更かしするためにキャンプに行っていたような気がする。キャンプのメインは、山の中で焚火だったのだ。それが自宅の庭でできるだなんて!


「わたし、天才かもしれん」


 先週の土曜日このセリフを十回は言った。まじ天才だと思った。焚火スタンドに焚火をおこし、冷蔵庫の中のものを持ち出してフライパンで焼けばジャンクな食べ物でも豪華な食べ物になる。子供たちも喜び、わたしはわたしでホットワインを楽しむ。


「夏はバーベキュー、秋冬はキャンプ飯だな!」


 こうして我が家の『キャンプ飯な夕飯』が出来上がった。今日のメニューは冷蔵庫の中にあった牛肉の薄切りとお豆腐をすき焼き用の割下で煮る肉豆腐に、シーフードミックスのアヒージョ、ダッチオーブン(鍋)で煮込んだ丸ごとキャベツのスープ、それに朝ごはんの残りのパンなどなどだ。


 お買い物に行かなくても結構豪華な食事。

 一番のご馳走は焚火の炎だ。


 炎を囲むといつもは話さないようなことが話せると言うけれど、それは本当にそうだと思う。ある程度食事が済んだ後、焚火の周りに残る一番ちゃん二番くん、パパとわたし。中学生の二人とは話は結構する方な我が家だけれど、焚火を囲むといつもよりも穏やかに(わたしが)、そして深い話ができると思った。


 受験のこと、志望校のこと、志望大学のこと、なんでそうなのかとか。


 いまだ何になりたいかが見えていない一番ちゃんと二番くんだけど、これからの時代、いつどんな感じでパラダイムシフトが起こるか分からないし、今は何になりたいか見えなくてもわたしはいいと思っている。ただ、なりたいと思うものができた時に選択できるように学力や生きる力はつけておいて欲しいなって思う。


 焚火を見ながら深い話をする。

 真夏にはできない、今の時期だからの家族時間。

 そして何より節約メニュー!


 今から遅めの『キャンプ飯』なので、本日はこの辺で。

 お読みいただき、ありがとうございました。


***


今日はだいぶ新作のアイデアがまとまりました。

さて、構成をどうするか。

なんだかワクワクしているのですが、果たして面白いのかどうか。

そんな本日も家族みんな健康で幸せです。

毎日、感謝の日々です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る