第138話 深夜二時に書き始めた日記を見つけた日記

 ただいま洗濯待ちな本日は、午前二時。


「もう今日でいいじゃんかー!」


 と、やって来てしまった妄想日記です。だって、「伝書猫」の多分最終章を集中して書きたいのです。もうここからが走り続けてしまう気がする! 猟奇的殺人事件の真相もわかるし、妹ちゃんがどうなったかも分かるのです。なんなら犯人らしき人早い段階でチラッと出てきてるー!


「知りたすぎるぞ! 脳内再生君!」


 それを書き切りたくて呑む量を控えたというのに追加で飲んでる日本酒が胃に染み入る……。


「はっ! 呑むなら書くな、書くなら呑むなではなかったのか!?」


 聞かなかったことにしましょう。そして起きてから文体が乱れまくっていたことも気づかないふりをしてこそっと直してしまいましょう。そうだ、それがいい。だがしかーし! それはいけないかもしれない。


「あ……、洗濯機が終わってしまったようだ……」


 これはもう致し方ない。起きてから書くパターンをさせてください。


――おいおい最近これ多くね?


 おっと、出て来たか。もうかもだけど、しょうがないって。ビールを控えるつもりだったのに、日本酒に、しかも呑むつもりで買ってない料理酒で買った純米酒に手をつけてしまったから。


――それは、ダメかな。


 だよね。記憶飛んでしまう系かも。そんな私はいい母親だろうか?


――起きて朝ごはんが作れたら。


 ですよね。というわけで、この先は起きてから書きます!もうですね!言いたいこといっぱいあるんです。そんなわけで、起きてから続き書こうと思います。皆様良い夢を。


******


 なんてことでしょう。また夜中の二時に今日の日記だと言って妄想日記を書き、保存していたようです。


「もう自分が怖い……」


 本当、いやですね、アルコール。でも大好きアルコール。飲み過ぎ注意です。朝はもちろん気づいたら子供たちはいませんでした。


「ひどい! ネグレクトな母親だ!」


 と言いながら、また缶ビールを飲む。なんてこと?! そんな本日は、三者懇談で、昨日、じゃない、今日の深夜に書いていた「色々言いたいこといっぱいあるんです!」を書いていたら文字数が大変なことになるなと、家族のことを書くことにしました。でも、どんな三者懇談だったのだろうか。「伝書猫」の最終章の第一話を書き上げてすっかり記憶が……。


「ダメダメなお母さんだね、それは」


――そうですよね、そこはそう思っています。って、やっぱり出てくるよね。今回はメインな感じで。


「そうそう、今日はメインの鍵かっこだよ。全く。主婦なんだから、お母さんなんだから、家庭のことを書きなさいよ」


――うんと、今日はなんだかちょっと姉御風? でしょうか? 脳内再生く…じゃなくて、さん?


「そうよ! 鞭でお尻を叩いてあげたいわ! 全く。さぁ、言ってご覧なさい! どんな三者懇談だったのかを!」


――ええー。家庭の恥を曝け出すようで? ちょっとやだな。


「何言ってんの! その家庭の恥を作った母親はあなたじゃない!」


――返す言葉もございません。まさに私です。


 本日の三者懇談、一人目は五番ちゃんでした。五番ちゃんは三年生です。教室は三階にありました。階段を登って、登って、もう疲れちゃってですね、


「そんなのはいいんだってば! そこ詳しく書かなくていいから、とっとと家庭の恥を上塗りしなさい!」


――えーん、作戦がバレていた。


 はい、三階の五番ちゃんのクラスへ行きまして、始まりました。三者懇談。五番ちゃんの担任の先生はとても若く、今年新米でデビューしたピチピチの若い男性です。体格はモデルのように細マッチョがわかるような先生で、お顔もイケメン。しかし五番ちゃん曰く、マスクを取ると印象が変わるそうです。全く、どのDNAがそんなことを言わせるのでしょう。きっとパパですね。私はそんなことは思っても口には出したりいたしません。


「じゃあ五番ちゃん、自分の口から今年頑張りたいことをお母さんに話してくれるかな?」


「…………」


「どうしたの? じゃあこれ五番ちゃんが書いたやつ見ながらお母さんにお話しする?」


 と先生が出してきた紙を見て、私の怒りがマックスに。


「ちょま、五番、これ、保育園レベル……」


 文字を書く便箋のような線が何本もあるのに、全く無視して大きくそのスペース全体に鉛筆で書いて消したような跡。しかもちゃんと消し切れていないその上に、「こくごとさんすうがにがてで…」その跡が読めないほどの字が数文字。


「おい五番、国語と算数が苦手って、あとはなんの教科があるんだ?」


 怒りマックスというのは、怒りマックスのふりをしているだけなので、マスクの下は笑みが溢れまくっていますが、それをマスク外に出すことなく、尋問を始めます。


「おんがく…と? たい、いく、と……、あと、どうとく?」


「バカなのか?」


「うううっ」


「それは誰のために泣いているんだ? 全然全くかわいそうじゃないし!」


「ううう」


「それに五番よ、この紙を見なさい。汚い字にも程があるだろー!」


 そんな会話を聞きながら新米教師はタジタジです。その姿もかわいい♡ マスクつけてるしね、イケメンです。でも私は、心の中ではこの状況を楽しんでいます。


 うちは五人子供がいますが、一番上は最初からそこそこできています。でも二番目以降はそれはそれは四年生まで結構大変で、字は汚いし、適当感が満載なのです。


 二番君は四年生の時にすごくいい担任の先生にあたり、そこから一気に開花しました。作文を書き、それが学年代表に選ばれて全校生徒の前で読んだときには、三年生までの彼を知っている先生方が口を揃えて「あんないい加減な子がこんなに成長するだなんて!」と言ったそうです。その後も彼は剣道の作文コンクールで県の代表に選ばれたり、なかなか才能を開花させてきました。多分、私のおかげだとは思いますが。……聞かなかったことにしてください。


 そんな我が家の子どもたちはほぼ全員「丁寧さが足りない」というお言葉を担任の先生からいただくことになるのですが、多分その責任も私にあると思います。だって、音読聞くの、ちょっとめんどくさい。ごめんなさい、本音が出ました。


 宿題チェックするの、マジでめんどくさい。おっと、これも聞かなかったことにしてください。そんなリアルな言葉を書きながら、いい加減すぎるお母さんをさらけ出しているわけですが、愛情はありますので、きっと大丈夫です。


 何というか、中学生に意識が向きすぎていて、小学三年生の五番ちゃんの学力までは意識が向いていないのが現状。


――なんてこと! それでは五番ちゃんがかわいそうではないか!


 そんな自分を知っているので、どうしたものかと思いながら三者懇談をしてきましたが、五番ちゃんにはこう言って閉めてきました。


「あのね、読んでくれている人がいるって思って書かなきゃだめだよ? 汚い字を読ませてしまったら、読んでくれる人に失礼でしょ? そこは丁寧に書かなきゃ。ね?」



 今まで読んでくださったカクヨムの皆さん、138話まで書いてきておいてなんなんですが、本当に今までありがとうございました。この上に書いた鍵かっこを自分の戒めとして、今後一切深夜に書きました投稿はやめておこうと思います。まさに、自分への言葉でございました。お恥ずかしいです。きっとそれを言わしたくて、姉御風に今日は脳内再生さんが出てきたのだと、今ここまで書いて理解できました。本日も、お読みいただいて、本当にありがとうございました。




***


昨日のロシアのニュースを見ながら、プーさんの演説を聞き、思うことがたくさんありました。ウクライナ国内でパレードのようなことがあったことも、その他も色々見て思ったのは、「正義」か「悪」かではないところで議論をしていかないと、世界は変わらないということでした。


意見の違いはある。でも、戦争をしてはいけない。戦争はたくさんの人からたくさん大事なものを奪ってしまう。



もう、そこだけは共通意識で守りながら、西側諸国もロシア側も話し合うことはできないのでしょうか。



戦争じゃない方法、核の抑止力じゃない方法、相手を攻撃して脅さなくてもいい方法、もういい加減次元上昇して、そんな古いやり方を手放して欲しいと、心から思いました。



だから、そうなって欲しいと祈ります。




お亡くなりになられた方々へ。






――黙祷






戦争のない世界を、子どもたちに渡していきたいです。

 

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