第73話 おいのりと悲哀
このエピソードは、別で投稿しているものを組み合わせて書いています。これは、今日のわたしの中にものすごく強烈に浮かんだものだからです。もしもそちらを既に読まれている方には、二階もお読みいただいてしまって、大変申し訳ないので、飛ばしていただいて大丈夫です。いつも、お越しいただいて、本当にありがとうございます。
もう、毎日、祈らずにはいれません。そうでないと、自分が壊れてしまいそうだからです。一個前のエッセイを書いた時、最後の文章を書いていたら、涙が溢れてとまらず、子供の前で号泣してしまいました。すると、こどもたちが心配をして、五番ちゃんは走ってハンカチを持ってきてくれました。
こどもたちの未来を守り、平和な世界を作るのが、私たち先に生まれた大人の役目だと思っています。ずっとずっと、そう思っています。そして、そんな世界になることを諦めず、毎日毎日祈り続けています。
ニュースを見て、どちらが悪いと非難したくなる気持ちもあるかもしれません。独裁者のリーダーの後ろには、悪魔が三匹ついているようにわたしには見えます。でも、怒りの感情も平和への祈りに変換できないのであれば、それは闇の勢力のご馳走です。意見が違う人とぶつかり合うのは、度を過ぎると、そのエネルギーの質は戦争を起こす対立のエネルギーとあまり変わりがないように思えます。
だから、ただ毎日ひたすら、祈りたいのです。コツコツコツコツ、指をうごかして、毎日毎日祈っています。今できることは、それくらいしかないからです。どうか、優しい光でいっぱいの世界になって、独裁者の後ろの悪魔たちが退散してくれることをただひたすら、毎日祈っています。そんな、今日、胸に浮かんだお話と、占いの館で引いたカードからのメッセージです。
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「おいのり 〜やさしいひかり〜」
あるところに おこりんぼうのおうさまがいました
おうさまは なんでも じぶんの おもいどおりにならないと
すぐに おこってしまって
あたまから きかんしゃのように
もくもく もくもく もくもく もくもく
くろいけむりが でてしまいます
あるとき おうさまは おとなりのくにが
じぶんの すんでいる くににはない
ひろいうみを もっていると しってしまいました
そして じぶんのすんでいるくによりも
もっと もっと おいしいたべものがあることも しってしまいました
すると おうさまの あたまから いつものように
もくもく もくもく もくもく もくもく
くろいけむりが でてきました
そこへ くろいけむりが だいすきな いっぴきのやみが やってきました
やみは おうさまはからでるけむりをたべて
じぶんのからだを おおきくしました
どんどん どんどん やみは ひろがって
おうさまを すっぽりと つつんでしまいました
すると おうさまは さっきよりも
おとなりのくにが ほしくなってしまって
「せんそうだ! おとなりのくにを てにいれてやるぞ!」
と けらいたちに いいました
けらいたちは おとなりのくにに ともだちがたくさんいました
ほんとうは せんそうは だれも すきではありません
たくさん ひとが しんでしまうからです
でも おうさまから もくもくでる くろいけむりをたべた やみが
けらいたちも まっくろに つつんでしまったので
けらいたちも そうだ そうだ と せんそうを したくなってきました
そして もっと へいしがいるな と
くにじゅうから へいしを あつめることにしました
ちいさな おとこのこの おとうさんも
へいしとして せんそうにいくことが きまりました
おとこのこは とっても とっても かなしくなって
かみさまに おいのりをしました
すると そこに おいのりがだいすきな
やさしくひかる ひかりがやってきて
おとこのこの おいのりを おてがみにして
せかいじゅうに とどけてくれることに なりました
まっくろな けむりをたべて どんどん おおきくなる やみよりも
やさしくひかる ひかりのほうが たくさんのひとに
おとこのこの おてがみを とどけることができました
こうして
せかいじゅうに おとこのこの おいのりは
てがみとなって とどけられ
せかいじゅうが どんどん やさしく ひかりかがやき
そして ついには
おこりんぼうのおうさまの けらいをつつんでいる
くろいやみをも やさしいひかりで のみこみました
まっくろなやみから ひかりにつつまれた
おこりんぼうのおうさまの けらいたちは
おうさまに やさしく いいました
「おうさま もう だれも せんそうは したくありません」
すると おこりんぼうのおうさまは
「なんで めいれいが きけないんだ!」
と もっともっとくろいけむりをだして おこりました
でも おうさまじゃない ひとたちは
せかいじゅう みんな やさしく ひかりかがやいているので
おうさまが どんなに まっくろなけむりを だしても
おうさまをすっぽりと つつんでいたやみも
やさしいひかりにてらされて
だんだんと ちいさくしぼんでしまい
ついには おうさまから はなれていきました
そして
おこりんぼうの おうさまも
やさしいひかりに つつまれて
せんそうを するなんて ばかなことだ と
せんそうすることを やめてしまいました
そして もう にどと せんそうをしたいとは おもいませんでした
おこりんぼうの おうさまは もう おこりんぼうでは ありません
いつも やさしいひかりに つつまれているからです
こうして せかいは やさしい ひかりに つつまれた
せんそうのない へいわなせかいに なりました
世界が平和になりますようにと、祈りを込めて
*******
本日のカードからのメッセージ
『SORROW:
【カードの絵】
えんじ色の袈裟を纏った僧侶が、伊hとり部屋の中で座り込んでいます。僧侶は、左手を膝に乗せ、右手は顔に近づけて、何かを哀れみ、悲しんでいます。僧侶の顔には、深いシワが刻まれ、うっすらと開きかけた口は、口角が下がって、さらにその悲しみを強調しているかのようです。泣きはらした後なのでしょうか、僧侶の目の周りの皮膚は赤くなっているように見えます。それほど、哀れみ、悲しむようなことが、この僧侶のみに起きたのです。僧侶は、石のようなものでできた部屋の中にいますが、僧侶の背後にある扉は少しだけ開き、その向こうには美しい星空が広がっています。しかし、僧侶にはその星空は見ることができません。後ろを振り向かない限り、石の部屋の中で、一人嘆き悲しみ続けているのです。
《本日のメッセージ》
僧侶は、何を哀れみ、悲しんでいるのでしょうか。僧侶の表情から見て取れるのは、それは自分のことではないようです。もっと広い、自分以外の誰かのことを哀れみ、悲しんでいるのです。
僧侶の今いる部屋は石でできた部屋のようですが、後ろのドアは少しだけ開いていて、向こうにはどこまでも広がる星空が見えます。でも、僧侶は、後ろを振り向くことはありません。後ろに、はるかに続く宇宙が広がっていても、今は後ろを向く気がないようです。僧侶は知っているのです。自分は閉じ込められた部屋にいるのではなく、いつでも外に出ていけることを。でも、今はこの部屋で、哀れみ、悲しみを味わいたいのです。それは、なぜだと思いますか?
今、世界情勢がとても不安定で、ある国では戦争をしています。日々流れるニュースでは、小さな子供が死んでしまったり、街が崩壊されたり、行きたくもないのに戦争に行かされて死んでしまう兵士がいたり、とてもとても胸が痛いことが、この地球のどこかで起きています。
僧侶は、そこから目を背けず、その悲しみを自分のこととして、味わい、平和への祈りを決して忘れないように、今、胸に刻み込んでいるのです。
あなたは、今どのような気持ちで毎日過ごしていますか? もしも何かで悲しみの中にいるとするならば、それを味わい尽くすこと。これもまた、大切なことですよ、と僧侶は言っている気がします。
そして、こう言っているのです。悲しみを真に味わうことができたからこそ、真の優しさや、愛、誠実さを知ることができるのですよ、と。
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お読みいただきまして、誠にありがとうございました。
どうか、どうか、もうだれも戦争で死ぬことのない、平和な世界になりますように。祈りを込めて。
―― 黙祷。
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