第10話 じゅうまんじが追いかけてくる
カクヨムコンなるものを知り、『ガッチーズと怪盗キューピー』という題名の兼ねてから書きたかった子ども向き小説の第一話を書き上げ、設定画面のそのボタンを楽しそうだなと押した何日か前の私はとても楽しい気持ちでワクワクしていた。毎日楽しくガッチーズの子ども達を書き書きしていたわけなのだが。その後、
「カクヨムコン小説部門 十万字以上」
という事実を知ってしまた私は、その時だいたい一万六千字。おっとすごく遠い場所にいるじゃないか私。それでもまだ始まったばかりの子ども達の冒険談。もしや行けるのか? などと思い、書き書き書き書きしていた。
でも頭の中に、
「十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字十万字」
と、十万字が脳内を駆け巡り始め、その事をリアル友達にLINEで話したところ、
「じゅうまんじ」
「じゅうまんじ」
と平仮名で送ってくるので、頭の中に今度は平仮名で、
「じゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじじゅうまんじ」
が駆け巡った。
もうまんじゅうに見えてきた。これはダメだと思った。まんじゅうにしか見えない。もうまんじゅう怖すぎる。押し寄せてくるまんじゅう。
まんじゅうまんじゅうまんじゅうまんじゅう。食べてみれるものなら食べてみろ〜。
だいぶ怖いまんじゅうくんが追いかけてくる。脳内を追いかけまわしてくるまんじゅう。ええい負けるかと、書き続けて逃げる私。追いかけてくるまんじゅう。書き続け逃げる私。まんじゅうが追いかけてくる。書き続け逃げる私。を繰り返した昨日。
そして本日。
「今回からカクヨムコンは児童小説ないですよ。」
そうなのね! 良かった! もうまんじゅうに追いかけられなくて済むのね!
なんということか。ものすごく気楽になって、妄想日記が書けるようになった。妄想日記スランプ1日。妄想大事。ないと生きていけない。見逃し配信大事。その時間ないと生きていけない事も同時にわかった今日。
今最高じゃないか! 見逃し配信ドラマは見れるし、小説も書ける。まんじゅうはもう怖くはないし、どちらかというと好きかもしれない。
一番ちゃんにそのことを話したら、
「お母さん、じゃぁもう挑戦するのやめるの?」
と聞いてきたので、
「いいえ! お母さんはガッチーズを世に残したいのよ! 絶対諦めないわ。」
と硬い決意を改めて表明した。なんでそんなに残したいのかと聞くので、脳内再生を聞かせる。
「パパ、このガッチーズのまさやんって、もしかしてパパ?」
「違うよ、パパはまさやんよりしっかりしてるだろ?」
「そうなんだ。パパにしか見えなかったや。」
「お前のおばあちゃんがそんなふうにパパを描くわけないだろ?
「そうなの? でもまさやんいいやつだよ。僕がっくんの方が結局いつも何もやってないって思ってるよ。」
「・・・・・・・。今度おばあちゃんに一緒に聞いてみようか。」
こんなやり取りをリアルガッチーズの子ども達やそのまた子ども達が、
「パパ、このガッチーズのまさやんって、もしかしておじいちゃん?」
「違うよ、おじいちゃんはきっとまさやんよりしっかりしてたんじゃないかな? だってパパのパパだぞ。」
「そうなんだ。パパに似てるから、おじいちゃんがまさやんだと思ったよ。」
「お前のひいばあちゃんがそんなふうにおじいちゃんを描くわけないだろ?パパのパパなんだぞ?」
「そうなの? でもまさやんいいやつだよ。僕がっくんの方が結局いつも何もやってないって思ってるよ。」
「今度、一緒にひいおばあちゃんに聞きに行こうか。」
そのまた子ども達が、
「パパ、このガッチーズのまさやんって、もしかしてひいおじいちゃん?」
「違うよ、ひいおじいちゃんはきっとまさやんよりしっかりしてたんじゃないかな? だってパパのおじいちゃんだぞ。」
「そうなんだ。パパに似てるから、ひいおじいちゃんがまさやんだと思ったよ。」
「お前のひいひいばあちゃんがそんなふうにひいおじいちゃんを描くわけないだろ?パパのおじいちゃんなんだぞ?」
「そうなの? でもまさやんいいやつだよ。僕がっくんの方が結局いつも何もやってないって思ってるよ。」
「今度、一緒にひいひいおばあちゃんに聞きに行こうか。」
とまぁ、永遠に語り継がれたら面白いと思ったのである。何代先まで本は破れないでいてくれるだろうか。コミックではもたない。在庫もいるか?
リアルガッチーズには絵がうまい子どももいるので、七家族、二五人分で二十五冊。自費出版をガチで考えている。
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