旅に国境はないのかな
好き乙女の心
第2話
いつもお寝坊な娘なのに夜明け前に目を覚ましてベッドに横たわって天井を眺めていた。
母親はベッドから出ると窓の外へ好奇心をわかして豪華なカーテンを左右に開くと目の前に飛び込んで来た景色は昨夜と違って爽やかな風が部屋にまで届きそうな。
そんな雰囲気を漂わせた景色は広がっていてわんちゃんと散歩する姿やランニング中の人達におひとり様で散策の人達。そして自転車を走らせている姿を眺めているとそこには既に目を覚ました街が一日のはじまりを描いてる。
開けた窓からは新鮮で少しヒンヤリした風がそよいで来て部屋を爽やかにさせてくれている。
テーブルの上に置かれた便箋はヒラヒラと風に
舞いダンスのまっ際中である。
窓際にテーブルと椅子をセッティングさせて
深夜に購入したローズマリー入りのフォカッチャにイチゴジャムを添えて飲み物は部屋付きのポットで湯を沸かして紅茶を。
窓の外の景色を眺めながらのモーニングタイム
かつてなく最高のロケーションの朝食になり母娘共々はしゃぎ通しだ。
毎日こんな朝食が出来たらいいと一瞬頭に過ったけどすぐに遮り現実に。
昨夜の散策時に見つけて購入した可愛くて異国情緒溢れる絵柄のメッセージ カード
机の上で開くとふたりで話し合いながらメッセージを綴り出した。
チェック イン後の部屋で私達の荷物を床へ落としてしまったベルボーイとその上司で後々謝罪に部屋を訪れて来られた方々への感謝の想いを伝えたかった。
丁寧で親切な接客への御礼と感謝を伝えたくて数軒お店をまわりやっと出逢えたメッセージ カードだった。
部屋を後にする前に娘は窓際に立つと
外の景色を数々撮してお喋りをしていた。数えきれない枚数を撮して満足したのだろう。娘は母親の顔を覗くと
「またいつかこの部屋に還って来ようよ。またいつか…。」
「いつになるか分からないけどこの部屋にまた泊まろうね。」
母娘は名残惜しそうに何度も何度も振り返り部屋を後にした。
フロントへ出向きチェック アウトの手続きの際にメッセージ カードを渡したい旨を伝えると夜勤明けで既に帰宅してしまったと。
手渡しで渡せない事はとても残念であるけど渡して貰う事を依頼してホテルを後にした。
「宿泊ではなく日帰りで来た際に立ち寄って直接言葉で伝えようね。」
母娘で一致した想いであった。
さていよいよこの後は本来の一番の目的地へ出発だ。
心は弾み足取りも軽やかだ。
旅に国境はないのかな 好き乙女の心 @kotobuaicute_08
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