そうなんだ。僕は夢を信じていたんだ。ずっとね。でもある時期からそのことを言えなくなってしまった。答えがわかってしまったから。

「お前はいくつになったんだ」

「まだそんなこと信じているのか」

 実際にそう言われたことはないけれど、僕は自分で鍵をかけてしまった。

 占いを信じるのと同じじゃないか。僕が宇宙人と結婚するのは間違いじゃないんだから。もし違っているとするならそれは結婚ではなく、恋をするということなのだろうか。

 結婚と恋は違う。それが僕の悩みの種。彼女はわかっているのだろうか。僕が恋をするのが宇宙人じゃなくて、僕が恋をした相手が宇宙人なんだということを。

 宇宙人は多分僕の近くにいる。そうずっと僕の近くにいたのに。

「ねえ覚えてる」

「花火を見た帰りに二人でずっとこの川を見てたよね」

 帰ろうとしなかったのはお前じゃないか。あたりが暗くなってもずっと。

 昔はここも、こんなに明るくなかった。結局僕が𠮟られたんだ。お前を遅くまで連れまわしたって。

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