2
そうなんだ。僕は夢を信じていたんだ。ずっとね。でもある時期からそのことを言えなくなってしまった。答えがわかってしまったから。
「お前はいくつになったんだ」
「まだそんなこと信じているのか」
実際にそう言われたことはないけれど、僕は自分で鍵をかけてしまった。
占いを信じるのと同じじゃないか。僕が宇宙人と結婚するのは間違いじゃないんだから。もし違っているとするならそれは結婚ではなく、恋をするということなのだろうか。
結婚と恋は違う。それが僕の悩みの種。彼女はわかっているのだろうか。僕が恋をするのが宇宙人じゃなくて、僕が恋をした相手が宇宙人なんだということを。
宇宙人は多分僕の近くにいる。そうずっと僕の近くにいたのに。
「ねえ覚えてる」
「花火を見た帰りに二人でずっとこの川を見てたよね」
帰ろうとしなかったのはお前じゃないか。あたりが暗くなってもずっと。
昔はここも、こんなに明るくなかった。結局僕が𠮟られたんだ。お前を遅くまで連れまわしたって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます