新蕎麦と炬燵と日本酒
2022年11月19日
日に日に日が短くなっていて、朝晩の冷え込みも厳しくなってきました。我が家は老犬のために、早めですがコタツを出しましたよ。でもこのコタツ、愛犬のためだけにこの時期に出したわけではないのです。
今年のボジョレーヌーヴォーが、いよいよ解禁されましたね!———なんて、さほど興味もない癖に知ったかぶりをしてみました。私がお酒好きなことを知っているお客様が嬉しそうにやってきて、「今年もいよいよ解禁だよ!」と教えてくれたのですけれど、どうやら今年は大変お高いそうですね。円安と輸送費と、色々嵩張っているようです。
ところで、肝心なお味は?———と聞いてみたところ、「俺は、飲めりゃ良いんだから、味なんてわかんねーよ。」とのこと。そんなお客様が大好きです。
さて、そんなお客様が今年も「あれ」を持ってきてくださいました。
【新蕎麦と天婦羅】
毎日毎日忙しい日々ですが、私のまわりでは新蕎麦の時期! 自分では全く打てませんけれども、職場にやってくる近所の優しいおじ様が「これでも食え」と、ぶっきらぼうでありながら恥ずかしそうに持ってきてくださいます。おじ様の畑でとれた蕎麦の実で作った今年の新蕎麦。ありがたいことです。
いやはや、新蕎麦ですからね。いただいたその日の内に、いただかねばなりませんよ。
蕎麦と言えば、天婦羅、山菜、とろろ、鴨南蛮…。寒くなってきた時期なので、温かい蕎麦も捨てがたいのですけれど、新蕎麦は冷水でしめてしていただきます。
なんたって、「あれ」がありますからね。「あれ」が。
冷たいお蕎麦ということは、天婦羅は揚げたてでカリッといきたいところ。揚げ物はあまり得意ではないのですが、ここだけは頑張りますよ! シイタケ、カボチャ、サツマイモ。あ、あとは竹輪。
天婦羅を揚げる前に2品ほど用意して、あとはパチパチと良い音を聞きながら、カリッと揚がってくれることを祈るばかりです。
【蕎麦前】
さて、お蕎麦と天婦羅が準備できたところで、まずは蕎麦前!
先ほどの「あれ」とは、愛しい日本の文化「蕎麦前」でございますよ。蕎麦前用にと、天婦羅を揚げる前に作った2品は、焼き味噌とだし巻き卵です。
焼き味噌は、庭のシソや小葱はもう既に終わってしまっているので、ペースト状にして冷凍しておいたシソと小口切りにしてこちらも冷凍しておいた小葱を使用。味噌、シソ、小葱、生姜、ごま油、みりん、砂糖を適当に混ぜて、フライパンで炒めます。それをアルミホイルで作った器に入れて、オーブントースターで焼く!
焼いている間に、ササっと出し巻き卵を作ります。その頃には部屋中焼いた味噌の香りでいっぱい。お腹が…ああ、もう我慢できませーん!
誰が決めたか、蕎麦前などという美味しすぎる文化。日本人として生まれたことに感謝しつつ、合わせるお酒は辛口の日本酒!もちろん、冷。
そういう時は、そば焼酎とかの方が良いのかなぁ?——なんて、いつも頭を過るのですが、日本酒は私の好きな酒第一位ですからね、季節の変わり目の美味しい文化に合わせるお酒はやはり日本酒でしょう!
香ばしく焼けた味噌の香り。だし巻き卵の優しい味。お蕎麦用の天婦羅も、お蕎麦を待たずにいただいちゃいます。
蕎麦前をゆっくりいただくため、お蕎麦は冷たくしておかないとね。———てことで、冷たくした新蕎麦。いただく頃にはほろ酔いですが、蕎麦の香りをゆっくり堪能しながらいただきます。お客様の新蕎麦、ほんとなんでこんなに美味しいんだろう?
麺つゆは市販のものを使っていますが、いつもよりちょっと少な目にして、お蕎麦そのものの味を楽しみます。
新蕎麦と焼けた味噌の香りと日本酒と、早めに出したコタツ。そして、窓際に並んだ観葉植物。
明日からまた、頑張れそうです。
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