フキノトウと土筆と白ワイン

2022年3月30日


 犬の散歩をしていると、あちらこちらから一気に春が押し寄せているような、そんな時期になりました。散歩を喜ばなかった犬様も、最近では玄関への扉の前でこちらを見て催促するように。

 

 犬の散歩をしていれば自然と見てしまうのが、お庭。特に家主様がこだわっていそうなお庭がある家は、お散歩ルートに必ず組み込んで、どんなお花が咲いているか、どんな風に飾っているかを常にチェックさせていただいております。


 我が家の庭は、ほとんどが野菜ですけどね!


 そう、私の中で花は近隣で楽しむものなのです。


 さて、満開の桜より足元のムスカリが気になる私。のんびり川沿いを歩いていましたら、いよいよあれが出てきましたねぇ。




土筆つくし



 緑色の細い葉?茎?みたいなものを伸ばすスギナの間から、ぴょこぴょこと顔を出す土筆は、スギナの胞子茎。(←はい。今、調べました。)


 そこかしこから出ているので、数本採ってもばれはしない…といきたいところではありますが、その横で私を見上げるお犬様。そうね、ここのはあまり食欲がわきませんね。ということで、ここでは採らずに帰ります。


 実は、家の東側にある畑——と言っても、人ひとり通るのがやっと(笑)——のミョウガの畑の脇、隣の家との間にある朝でもあまり日の入らない場所に、生えてくるんですよねぇ。大量の土筆が!


 雑草として見れば、プチプチ切れてしまって最悪なそれ。しかし、春の食材としてならば、なかなかオツなもの。というわけで、るんるん気分で苦手な草むしりの開始です。


 「たくさん食べたいっ!」てなものではないので、おつまみ用にとっておくのは少しだけ。イメージは、食べられる飾り。刺し身のシソや、シソの実みたいな? 下処理が面倒だし、最近は特に揚げ物が胃にくるし、量はいらないのです。


 てことで、春の天ぷらといきましょう。




【春野菜の天婦羅】



 揚げ物はあまり得意ではないのですが(いや、料理そのものが得意ではないのですが!)、こういう時だけは頑張りますよ。

 今回天ぷらにするのは、職場から持って帰ってきた菜の花と、庭で採れたフキノトウです。


 抹茶塩でいただくのも良いですが、私は断然ポン酢派です。なんせ、油物ですぐに胃もたれを起こしてしまう、そんな敏感なお年頃ですから。知り合いの居酒屋のマスター手作りのポン酢とたくさんの大根おろしでいただきます。


 天ぷらって、日本酒や焼酎ももちろんですが、辛口の白ワインも合うと思うんですよね。(私だけ?)


 揚げたてをハフハフ言いながら口に入れれば、広がる春野菜の独特な苦み。そこに流し込む、冷たい白ワイン。


 ふはぁ。春ですねぇ。








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