テーブルヤシと〆の缶チューハイ

2022年3月16日


 春の暖かな日差しが、窓際を温める時期がやってきました。


 我が家のリビングのカーテンの向こう側、窓との隙間に作られた簡易温室では彼らが所狭しと並んでおります。日が差してくるとめきめきと葉を茂らせる、我が家の観葉植物たちです。


 こんなエッセイを書いておりますけれども、何も食べれるものばかりを育てているわけはないのですよ。楽しめる野菜があまり無い時期ですので、うちの可愛い癒し系たちの内、2匹をご紹介しましょう。




【ドラセナ】



 たくさんの種類があるドラセナですけれども、うちにいるのもおそらくドラセナだと思われる? いや、ドラセナだよね?


 なぜ疑問形かというと、うちに来た時は花束の一部の飾りの葉だった——ていう、つまりはなんだかわからないけど水に活けておいたら、花は枯れてしまったのになかなか枯れず、気が付けば根っこが出てきたので土に植えてみたら、そのまま成長してしまった…というなんとも丈夫な子なのです。


 そんな子が、実は3匹もおりますけれども。どの子もしっかりと成長しております。なぜドラセナと思ったのかは、検索をかけたからでありまして、本当に正しいのかどうかはわかりません。


 傷だらけの子猫を手当てして面倒見ていたら、思わず愛着が湧いてしまってそのままうちの子にしてしまった―――そんな感じでしょうかね。




【テーブルヤシ】



 観葉植物として購入したものは、ひとつだけ。10年ほど前に100円ショップで買ったテーブルヤシです。買った当初は10センチも無かったそれは、今では1メートル超え。器を大きくすれば、大きくなるってことをもっと早く誰かに教えてもらいたかったものです。


 あれですね、金魚や鯉の原理と同じ。


 昔飼っていた金魚は、ちょっと手狭になったからと大きい水槽に変えたら、いやはや驚くほどにでっかくなりまして。反省して、頂いた卵から孵した鯉は、大きくなってもらっちゃ困ると小さい水槽のままで粘ったら、あまり大きくならないままだった——なんて経験があります。

 最期は、鯉よりも金魚の方が大きかったし。面白いものですね。人間の纏足?ちょっと無理がありますが、まあそれも同じことなのかな?


 観葉植物も一緒。大きい入れ物に入れれば、そりゃ大きくなるってなものです。


 気づけば運ぶのもわっさわっさと顔をくすぐり、置く場所にも困る始末。前は台所のシンク前にいて、1缶目のビール片手に夕食の準備する私の晩酌相手でありました。が、今では大きすぎて台所に居場所は無く、リビングの床に直置きで〆のチューハイのお供として待機中です。



 さて、そんな可愛い可愛い観葉植物たちですけれども、意外にもあまり水遣りが必要が無いようで。すぐに水遣りしてしまいたくなる私には、そのタイミングが非常に難しい。根腐れで枯らしてしまった子が、今まで何人いたか…罪な私。

 土の表面が乾いたら…なんて言いますが、葉っぱが少し下を向いたらが正解なのではないかと最近やっと気が付きまして。可愛がりもやりすぎれば悪い方の「かわいがり」に、子供の面倒もやり過ぎれば過保護にとなってしまうのだというわけですね。


 最近では、持った鉢を持った重さで水遣りした方が良いかどうかわかるようになってきました。水遣りは、台所のシンクでジャバジャバと。気が付けば、シンクの中が緑でいっぱい! なんて状況に。



 水遣りを終えて、葉から水滴を垂らす彼らを見ながら、今日の晩酌のアテは何にしよう?と考えるのが私の幸せの時間なのであります。






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