草むしりと野蒜と焼酎

2022年2月28日


 日差しに温もりが戻ってきた今日この頃。まだ極端に冷える日もあるとはいえ、吐けば白い空気もやっと薄まってきて、間もなく今年の園芸ライフも本格始動が近くなってまいりました。


 初めは楽しくもなんともない「草むしり」と言われる雑草除去から始まった私の園芸ライフですが、いつの間にか木まで植えるようになるとは誰が思ったでしょうか。いや、私は思いませんでした。そんなベタな反語は置いておいて…春が来るより先にやってくる彼らは一体何なのでしょう。ひょろひょろとあちらこちらで芽をだして、何よりも成長の早い雑草たち! 園芸の季節がやってきて嬉しい反面、草むしりが必要の無い季節は終わってしまったのだとガッカリもする、そんな時期でございます。


 草むしりは、今でももちろん好きではありません。でも、除草剤は撒きません! なぜなら、が食べられなくなってしまうからです。




野蒜のびる



 野蒜が生える時期の草むしりは、少しだけわくわくします。それこそ、草むしりの前に焼酎を買いに走ります。

 野蒜は下処理が面倒ですが、酢味噌に和えてしまえばなかなかの酒のあて。雑草では無く、れっきとしたお野菜。ここ大事。野蒜は、お野菜。


 どこにでも生える、あの細いネギのような葉っぱが特徴のそれは、抜いてみるとその先に白い小さな玉ねぎのようなものがついています。大きいもので2センチぐらい。

 そんなものが先についているせいで、土が固いと葉が千切れてしまって粒の部分が獲れないんですよねぇ。小さい粒のものは案外すんなり取れるのですが、そこは捨てます。なんといっても、処理が面倒ですから。雑草ですし。なんなら、庭中に生えますし。抜いても抜いても出てきますから。そう思うと、食べられる部分が無ければ、かなり腹正しい雑草の部類と言えますが。


 味は、ニンニク?ニラ?ネギ?ラッキョウ?まあ、そんな感じ。雑な説明で、申し訳ない。まあ、かなりしっかりとしたお味なので、私の場合は味噌に和えるか、天婦羅にするかの二択。



【野蒜の焼き味噌和え】



 野蒜は粒の部分だけ、しっかりと土を落とし舞す。そして、荒く刻みます。私は、ここで一度だけ湯掻きますが、あの癖の強さが良い! という人もいるはず。そこは、お好みですね。少しだけ歯応えを残せば、一緒に残る苦みもまた春の味というわけで。

 味噌と砂糖と刻んだ野蒜を混ぜて、少し焦げが付くまで焼きます。部屋中に広がる焼き味噌の良い香り。草むしりという労働後のお酒が、より一層楽しいものになるってもんで。

 天婦羅にする場合は、抹茶塩。酢味噌にする場合は、少し辛子を入れるのも良いですよねぇ。


 野蒜の獲れる時期はまだ少し冷えるので、焼酎はお湯割り。日本酒ならぬる燗、もしくは人肌燗。


 はぁ、草むしりはまだこれからだというのに、既に晩酌タイムが待ち遠しい。というわけで、草むしりはもう少し暖かくなってからということで、まずは焼酎を買いに行ってきます。






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