第2話 カーテン
カーテンを開けるのは私の仕事だ。しかし起きてすぐには開けない。夫が起きて部屋の電気をつけたら私はカーテンを開ける。それがいつの間にかできたルーティーン。
カーテンを閉めるのも私の仕事。だが私はカーテンを閉めるのが下手だ。だから寝る前に夫が仕上げをする。夫は文句を言いながらピシャリと隙間なく閉める。
夫は光に敏感だ。カーテンは絶対に遮光、眠る時はアイマスクを装着。そのためカーテンの閉め方にはうるさい。
(アイマスクをつけるなら別に良いじゃん)
と私は思う。言葉には出さない。
ある日
「今日のカーテンの閉め方すごく良い」
と夫が言った。
「これ昨日のまんまだよ」
「え、じゃあ俺じゃん」
と言って夫は笑った。私も笑った。
今日も私は夫の起床に合わせカーテンを開ける。日が暮れたら閉めて、寝る前に夫が仕上げてくれることだろう。小言を添えながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます