第14話王子side: 魔術師降臨!

オレよりもいち早く

入国した4番目のBrotherは

どうやら大手民間企業と

friendship partnerとして

手を組んだらしい。


「まさか、オレがそのreception

ceremonyに華を添えるとはな」


ケイは、

1人エントランスのステージ裏

から、映し出される

プロジェクションマッピングの

タイミングを見計らって

佇む。


エントランスホールには

ケイが乗ってきた

白く クリスタルに光かる

ペットボトルシップが


たくさんのメディアの前で

スポットを浴びていた。


壁一面大型100インチLEDモニター

サイネージが8枚並んで

映し出される映像。


波の揺らぎ、豊かな海、

その波形はまるで、

水中で ペットボトルシップが

誕生を待つように見えて、

何度見ても ケイは息を飲む。


「The best paradise in the world

アザミに見せたいvisionだ。」


ケイの耳に

聞こえてくる鼓動の音。

海鳥の声が 合図とばかりに、

ペットボトルシップの船体を


サーーーーー

アウトラインをなぞるように

メカニカルな電子ラインが

ほとばしった。


「しかし、あの Sherlock から

このillusionの依頼をcallされる

とはな。世界はmiracleだ。」


海中のボトルシップが

七色の骨格を持って

輝きを放ち

闇に形を浮かびあがらせるのを

ケイは確認する。


そう、ここで

突然 ボリュームがONされ

BGMが流れるのだ。

ケイはそれを聞きながら

芸術祭で出会った

ギャラリストの声を

思い出す。



『emperor~!ボトルシップでぇ

首都にいるのぉ?えぇ!?

シップの操縦士もするんだぁ。

あのさぁ、お願いなんだけどぉ

芸術祭でしたさぁ、シップのぉ

イリュージョン、あれぇ、

そっちでもぉ、してくれない?』



船の床面に、

四角く切り取られた海が投影して

走るような映像が

動きはじめると、

ボトルシップが

漕ぎ滑るかに 観客に見せる。


「この last travel は一体何だ? volunteerばかりだ。次々とだぞ」


『あ!!機材とかならぁ大丈夫

そのボトルシップを招聘した~

企業の研究所にさぁ知り合いが

いるから~、そこに何でもさぁ

言ってくれてら大丈夫だよん。』


フン!!

シケた面のタレ目が!!


投影される水面は

飛び魚が 群れなす 昼の海から

星降る夜海へ変わり、


シップの内側から 光の粒子が

吹き出し、船中に充満して、

みる間に

七色の光の羽がシップに

ぐんぐん生え広がって!!いく!



「Yes!!show time だ!あの Sherlock の言いなりは 癪だが!」


ケイが 呟くと同時に


『バシュッ!!』


炸裂する破裂音とスモーク!!

これが、登場のsignalだ!!



白銀の煙から

嫌味なほどに純白なタキシード姿のイリュージョニスト・ケイが


『ダン』


と、踊り 飛んで

一瞬で、

花弁のよう舞い降りた!


呆気にとられているギャラリーに

ケイはハジメがするように

ウインクをする。


「さあ、magic time だ lady?」


ハハ、最前列にいたメディアが

Heart eyeになったぞ。

こーゆーのを Zukyuuun って

言うんだろ?


回りのモニターが

リズムを刻んで

ボーダーにライン点滅をする中、


ケイは、

鮮やかな手つきで

次々にカードを生み出だしていく


「そういえば、あのSherlockが

Dirと呼んでいた男。そうとうな

Doerだな。手配が速く的確だ。

実にけっこう。assistantは、、

Sherlockが 言った通り、脳筋」


ケイは、ククっと

微笑しながら

カードシューティングを

『ヒュンヒュン』と華麗に飛ばして

無数のカードを今度は

真っ白い鳥にメタモルフォーゼ

させる。


『ティカ』も飛ばしてやろう。


エントランスを

周遊した

鳥達は すぐさま

ケイのシルクハットに

すーっと戻ってきた、はず?


おや?ティカが 戻ってない?


ボトルシップから、デジタルに

マッピングされた花々が溢れて

伸び出して

モニターに、

企業のブランドネームが

次第に映し出されていく。



Focus だ オレ!lastだぞ。


『パチン!!』


ケイが、高らかに指を鳴らせば

スモークから、企業のフロントCEOが出現して、

手を広げて観客に応える。


観客のボルテージは

最高潮に膨らんで

盛大な拍手が巻き起こった。

よし!最高だった!


ケイは、バッと

白マントを大きく広げ纏って

マントの影から身を隠して

ハラリと、マントだけを

床に落した。

これで 観客は

ケイが 煙のように消えて見える。


同時に白い鳥達が

ピースシンボルのように

いっせいに飛び舞い、

後には

ステージに、CEOが

ライティング台の前に立てば、、


オレのillusionは endだ。

もちろんperfectだったぞ、


1人のマジシャンの手で紡がれ

レセプションは 想像を越えた

エコロジカルショータイムとなる


取材陣達のどよめきと

企業への質疑応答。

急遽、ペットボトルシップ周りに

記者を集められる。


「 ティカは何処だ?」


ステージはカメラフラッシュが

辺りを発光するが、

バックヤードのケイは

鳥の様子をみて、

ティカが居ないのを 確認する。


と、

「大成功じゃない!やったわ!」


喜びにうち震える、スタッフの声がやけに響いて聞こえ、

ケイは 声の方に

視線を流す。


あれは、artist escortしてくれた

ミズキとかいうstaffだ。


「怒涛だ、怒涛だったよ。」とか

気の抜けた声もする。


吹き抜けを 囲むように、

下のフロアーを覗く手摺に、

レセプションのスタッフが

並んでいるのが

1階ステージ裏から見えた。



『さあ、各部に無理を言った

お礼参りに行って!!

タムラさんは、備品搬出ある

でしょ!完全終了したら、

外部ヘルプに指示出しよろしく』



まだ、ステージは

メディアのフォト撮りが 続くが

バックのスタッフは

撤収をしている。



『バササッ』


出し抜けに ケイが探していた鳥、

ティカが、降りてくるのが

見てえ、ケイは安心した。

と、その ティカが止まった先を

おもむろに見る。


『キュイッ!』


ティカが、ケイに向かって

鳴いた。


!!!


誰の肩に、

留まって 頭を傾げているんだ!

ティカは そうそう人に

懐かない。


なのに、 当たり前の様に

その人物は指で ティカの

頭の後ろを なぜている?


再び ティカが独特の鳴きを

上げた、


『キューーーーイ、キューーーーーイ』


コイツは、、朝のオニギリ女神か


鳴き声を不思議そうに

聞いている

彼女の肩に ケイは手を伸ばす。


その 耳元に、


「ーー捕まえた。」


深い響く声で わざと粋で

なぜ上げてみる。

それは、ちょっとした好奇心だ。


ぎぎぎぎって、音がしそうな

固さで、オレの方に向ける

彼女の瞳は

困惑の色に染まっていた。

予想通りの反応に

ケイがニンマリしたが、


ん?

この瞳、、Something is wrong

違和感だと?


両手で

確保した ティカを

自分の胸元に仕舞ってさらに

確認をしようとする。


「あ、貴方の鳥でしたか。

すいません。勝手にさわって。」



目の前の 眼鏡の地味な

オニギリの女神は、

申し訳なさそうに、弱々しく

謝っている。


そうだった、朝と今のオレは

雲泥の差だ。しかし、

ティカは、間違いなく彼女に

鳴いた。


なら、この彼女が

運命の花嫁の確率は 高い、、


「・・━━━・・・」


凄く綺麗な白い歯をニカッて

見せながら、

オレは

明らかに、

胸元から出せそうにない

荷物を彼女に

差し出す。


朝のporchとwater bottleだ。

そして、


「ー You are my life saver ー」


覚えておけ、

『マジシャン』ってのは

『魔術師』を演じる者なんだよ。


キミは何者だ?


ああ、オレも人の事さ、

言えないんだったよ。

10年前に出会ったDestiny partner

運命の少女を探している。


ティカ、オニギリの女神は

運命の少女なのか?


オマエは誰だ。

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