第11話王子side:秋雲の朝に響く乱闘

「 Oh my gosh!!マジか!」


Shit!!Crow!Crow!Crow!!

海猫に、鳶は気にしてたのが、

クロウだと!Cityに近づいたら

これだ!


ケイはペットボトルシップの上で

暴れ回って、カラスを払うが

すでにテーブルの食糧は、


「It's 、、empty、、」


散乱した床に

そのまま仰向けに

倒れて、ケイは額に片手を

当てて凹む。


「Crowめ!!hair setもボロボロ

だ!!ハゲるだろうが!!」


ボトルシップには簡易の屋根が

しっかりついていて、

1人分のテントやアウトドア

キッチンも出来るのに。


秋の空に嘲笑うかのカラス群。


「・・・・・」


航海最終日。

確認で甲板のピクニックテーブルに、残りの食事を出していた

のが裏目に出た。


甲板は ひんやり爽やかで、

ティカの声が澄んで響くのが

わかる。


薄色のサングラスも 光って

カラスを刺激したのか、

乱闘になった。


「・・・・・クソ!!」



神戸や 大阪の国内長距離船路は

多く7路線あるのに、

東京からの国内長距離は

2路線。

九州~徳島~東京区間で、

ボトルシップを連れてケイは、

一旦徳島から

フェリーにシップを運送させて

有明港に着いた。


そこから、シップを湾岸の

運送港へ運んで 陸路で

目的地に運ぶ予定だったのが、


有明から運送港までに

すぐには運ぶ事が

ターミナル事情でならず、

自らシップを海で漕いで

運送基地に進んでいた手筈。



「・・・Impossible、、」


早朝の川を 逆流して登る

オートモーターモード。


「Maikel、、あいつ

覚えてろ。お前がよけいな

schedulingするからだぞ。」


ケイは、仰向けのまま

不機嫌極まりなく目を閉じた。


船が水漕ぐ音だけがする。


~~~タプン~~~~~~タプン、、


1ヶ月続いた夏の芸術祭最終日。


ケイは自分を招聘した友人、

マイケルに呼びだされた。


『Kei!このままbottle shipで

Tokyo まで行ってみない?ほら、

そんな Pitiful faceしないの。

Destiny partner?まだ見付から

ないの? もうgive upなさいな』


(ジプヨハダ~って言われたぞ。

ストーカーって事か?)


『企業PRにbottle shipがコール

されたから、driverね。OK?』


(クソ!PrinceをDriver だと?!

crazyもいいところだ オマエ)


「・・・」


寝転がったまま 鳥かごに

手を伸ばすと、

白いオカメインコが 寄ってくる。


「『ティカ』。お前も ジプヨハダ

~ってオレに鳴くの か?

それとも粘着男と笑うか? 結局、1ヶ月かけてgatheringして 見つからなかったぞ。又、彼女は海外に出てしまったのか?もう、Timelimit、、、

なのか、、なあ、『ティカ』」


ここ何日かは船上で 、

捜索依頼のgatheringに

目を通すも、目新しい情報は

なく、

カラスの襲撃で 心身ボロボロ。


「Homelessだな、これじゃ。

もしくは、Drifter ー漂流者ー。

いや、『ガンカケ』もした。 ceremonyが終わるまではいける」


静かに目を開いて自分に

言い聞かせると、

ケイは 景色に気が付いた。


「ん? これは何処まで登ってる?

しまった!上流にきすぎたか?」


ペットボトルシップから

体を起こす。


「これは、行き過ぎだろう。」


オートモードをcut!

モーターをstop!!


あわててケイは

GPS確認をしてメーター

チェックをする。


(切れてる!)


「No chargeか!クソ。」


充電するには、

ボトルシップにつけられた

サイクルを漕いで、

発電させないといけないのだ。

目的の物流倉庫港を、

さらに登って、

もう河口まで来ているのは

ケイにも見当がついた。


普段はやらない己の失態に、

ケイは

へなへなと、 今度は

うつ伏せに 寝転がる。


「Arakawa River 侵犯だな、、」


『キューイ キューイ』


広い土手を 朝靄の中、

人影が ランニングしている。

川際にshipが引っかかる

気配がしても、

ケイは動く気力を失くしていた。


(一気に萎えたぞ。

Shit!!Crow!Crow!Crow!!

オレのmorningを 返しやがれ!)


うつ伏せ無動の割には、

心中は

罵詈雑言をカラスに

投げつけているケイの頭に、


『キューーーーイ、キューーーーーイ』


ティカの独特の鳴き声がした

気が、、して


グルッ!!っとケイは

体を上に向けた途端、

驚きの声がしたのを聞いた。


「ぎゃっ!!」


!!!!


(なんだ!へんな声がしたぞ!

あん?、そんな事はいい!

ありったけの気力使え!オレ!)


「sorry、、something、 to eat

、、 フード、、ください、、」


ケイ自身でも、

信じられない弱々しい 声が 出た。


相手の、

そのLady voiceは重ねて 、

ケイに、

思いがけずという感じで

聞いてきた。


「Are you hungry?」


なのにケイは応答できない。

もう気力は底に尽きたのだ。


「・・・・」


と思っていたケイの耳に、


「コレ あげるからさ!

It's food!食べて!」


叫んだセリフと共に、

(何かが放り込まれた!だと!)


「食べなよ!」


それは遠く カーブを描いて、


『ガゴッ』


上手く ケイを避けて、

相手が投げたウエストポーチは、

ケイが寝転がる船内に 落ちた。


(、、ナイスだな。

どんな剛肩してるんだ?Lady?)


ケイは失くなった気力を、

振り絞って上体を起こし、

モゾモゾと

投げられたポーチに手を掛けた。


(Water bottleに soup、これは、オニギリじゃないか?、ほうれん草とコーンのミソsoupにSesame oilとmayonnaiseのオニギリ!)


ボサボサの乱闘跡残る

黒髪のままに、

とてつもない無力感からくる

空腹に負けて、

ケイは 無心で それを食べる。


(そんな オレに オニギリの女神)

相手に礼をと、ケイが見ると


「じゃ、バーイ!!」


手を振って、

ジョギングの続きだったの

だろう走りを再開して、

去ろうとする女性の背中だけが

見えた。


「sorry!!」


ケイは慌てて声をかける。


(きっと不振人物扱いだろうな、

ボロボロの髪、のびた髭で、

サングラスが顔の半分隠す男だ)


その証拠とばかりに、

「No worries! いいからさ、」


相手は逃げる様に、

「食べて行って!」と

走り去ろうとする。


(それは困るんだ!!Because)


「シー、ポリス。Tell me、

教えて、、、ください。」


(情けない。)


少し間があいて、 何か調べてから

相手は、


「へ?ああ、ーーー!!

I will call。わたし電話します」


耳に電話あてて、自分を

指差すジェスチャーをすると、

ケイがいる ペットボトルの船に

向かって叫けぶ。


途端に、

ティカが、鳥かごから


『 キューーーイキュィーーーーー 』


あの鳴き声を あげた。


秋の早朝は、空気が澄んで

思いの外 ティカの声が

響く。


(間違いない。運命の声 だ。)


ケイは思わず肩を揺らして、

周りを見る。


(この女に鳴いたのか?いや、

この近くにいる人間にかもしれ

ない。だが、どちらでもかまわ

ない。この女は探し人ではない。彼女の面影も、違う、、?)


そう考えてケイは、気が付いた。


(10年でも、記憶は曖昧になるんだな。面影が思い出せない、、)


ずっと探していた1人の

確かな顔形が、

解らなくなっていると知って、

ケイは

異国の漂流者に施してくれた、

親切な女性に

皮肉気に笑った。


「ありがとう、God bless you。」


重なるようで重ならない面影。


これが

『田村 あさみ』という

彼女との

ファーストコンタクトだった。



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