第18話『純情ハリケーン』
「『生地』っていいなあ。孝介は詳しいみたいじゃもん。弟子にしてやるから私にいろいろと教えてあげるのじゃあ」
(え?弟子ですか?弟子が教えるの?)
「そうやねん。私は弟子を取らん主義っすなあよ。孝介は特別じゃねん。ありがたく引き受けて差し上げろぞねん」
(まあ、いいけど…。それよりさあ。今日一日過ごしてみて思ったんだけど)
「どした?」
(まず『気☆ガァ―ル』ちゃんは俺にしか見えてないし、『気☆ガァ―ル』ちゃんの言葉も俺にしか聞こえてないんだよね?)
「そそそ。孝介は特別だよ。それに孝介は『選ばれた』と思ってくれればですなあ。『気☆ガァ―ルアイ』は純情ハリケーンの持ち主にしか基本使えないし授けないよ」
(なんだよその『純情ハリケーン』て)
「『純情ハリケーン』は『純情ハリケーン』だわさあ!それに孝介には素質がある!」
(でね。『気☆ガァ―ル』ちゃんが話しかけてきても俺が一人じゃない時は返事出来ない時もあるし、無視しちゃうこともあると思うけどそれは最初に謝っておくね。でもそれは仕方ないことだからねえ。周り人には俺が独り言を言ってる『純情クレイジー』と思われちゃうじゃん)
「そうじゃなあ。まあ、それは致し方ないか。まあ『コマンド』を上手く使えるように早くなってくれよなあ。今も別に独り言の『純情クレイジー』には見えねえすなあねえよ」
(そうだね。まあ、一度に何人も相手に会話は出来ないからね。それともう一つ)
「はいな?どしたどした?」
(『色』についてだけど。ちょっと『赤』と『青』以外は穏やかじゃない『色』もあるみたいだし。今日の通勤中にも『殺意』の『黒』が見えたような気もするんだよねえ…。『色』ってやっぱり変わることもあるの?)
「当たり前だぜ!相手に対して急に感情が変わることは孝介もあるだろうぜ?」
(うーん。あんまりないんだよね…)
「そっかあ。その辺が『純情ハリケーン』孝介なんだろね」
(だからなんだよその『純情ハリケーン』って…)
「それより孝介。今、孝介が着てる服はそれでイカしてるなあ。それは何と言う『生地』なのら」
(え?ああ、これ。これは『染めもの』だよ。『後染め』って言って後から柄を染めたものなのね)
ここでメモ帳を取り出す『気☆ガァ―ル』ちゃん。
「ほうほう。『後染め』ねえ。かっこいいなあ。これが後染めというものかあ。ほへー」
(『気☆ガァ―ル』ちゃん…。これが『後染め』じゃなく、まあ『後染め』だけど…。『後染め』イコールこれじゃないからね。『後染め』の一種だからね)
「あ・と・ぞ・め・の・い・っ・し・ゅ」
孝介の言葉をそのままメモメモしてる『気☆ガァ―ル』ちゃん。孝介も説明するのが面倒くさくなりそのままメモしてもらう。そして翌朝の通勤時に再びたくさんの『色』を孝介は見ることとなる。
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