第15話嬉しいのら!『嬉☆ガァ―ル』ちゃん
『気☆ガァ―ルアイ』があれば普通の人間なら確実に自分の『欲』のために使う。何しろ『同性異性問わず自分に気があるか』が分かるのだから。『婚活アプリ』や『出会い系』にお金をかける時代。『出会い』にお金をかける男は昔からいるぐらいだ。自分に気があると分かれば手っ取り早く口説くし、欲望のままに『口』で綺麗ごとを簡単に並べ、相手の背中を軽く押してやればいい。それだけで数回のデートで、相手によってはその日にお持ち帰りで『体の関係』を結ぶのも楽勝である。でもそういう人間のもとには『気☆ガァ―ル』ちゃんは現れない。孝介はこの時点で『いい男』なのである。
(そうだよなあ…。『気☆ガァ―ルアイ』ってすげえ便利だけど…。よくよく考えると本質的には意味がないよね)
ぽかり。
「意味がないとは何事じゃあ!こんなに無敵な力はそうそう世の中には存在しねえぞ。『黄』色や『黒』は危機回避機能になるし相手との信頼回復やそういうのにとても役立つんじゃねえか!使い方は無限にあるじゃねえぞいぞい!」
(それはまあ…、そうだけど…。でも、本当に俺が好きな人の『色』は見えないんでしょ?少なくとも『恋愛』には使えないんじゃないの?)
ぽかり。
「孝介は想像力に欠けてねえ?情熱の『赤』が続いたある日、その相手の色が『透明』になってたらどうっすか?孝介パイセンよお」
(えーと、それは相手の気持ちがなくなったか…、俺がその相手に『本気』になったってこと?)
「そそそ。自分の気持ちってのは一番分かるのが自分なんやが、これが『恋愛』になるといろいろ自分の気持ちに『嘘』をついたりするやん?それが人間って生き物やん?素直になれない『恋愛』もあるやん?周りに流されて『妥協しちゃう恋愛』もあるやん?そゆこと」
(なるほど。『気☆ガァ―ル』ちゃんの言う通りだわ。これは改めて考えるとすごい能力かもね)
ぽかり。
「『かも』って言うなああああああああ!ではでは。私は忙しいからまたな。何かあれば『コマンド』で呼ぶのじゃよ。じゃあねえー」
(ああ。なんとなく『気☆ガァ―ルアイ』のことも分かってきたし。あ)
「なんだ?」
(あのお…、その、なんだ)
「ほれ。私も忙しいのだ。何もないなら行くぞい」
(いや、その、あれだ。特に用事がなくても『気☆ガァ―ル』ちゃんを『呼んでも』いいのかな?)
「へ。…孝介…。ま、ま、まあ、わ、わ、私も忙しいけれどな。と、と、特別だぞ!孝介が呼ぶなら『仕方なく』だからな!じゃな!」
なんか『気☆ガァ―ル』ちゃんは顔を赤くしながら飛んでいきました。それにしても孝介は天然なのか…、それとも素でいい奴なのか…。こんな人でも『バツイチ』なんですねえ…。そして夕方まで北北堂の営業マンとして取引先を回り、会社に戻る孝介。取引先でも『赤』の色ばかり見えた孝介であった。
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