第4話ここ試験にでるぞい

(これっていまだに現実味がないんだけどさあ。『気☆ガァ―ル』ちゃんは『幽霊』的な何かなの?)


「孝介はそんな『非科学的なもの』を信じるタイプなのか?」


 『コマンド』的なものを切り、『いや、君の存在自体が非科学的だろ』と思う孝介。まあ、他の人は誰も『気☆ガァ―ル』ちゃんの存在に気付いているようにもみえない。ていうか『気☆ガァ―ル』ちゃんは通行人とぶつかってもスッと何も無いようにすり抜ける。完全に『非科学的』である。そして『コマンド』をオンにし、心で会話を続ける孝介と『気☆ガァ―ル』ちゃん。


(この『気☆ガァ―ルアイ』って簡単に言うと『死神のアイ』的なもの?)


 ぽかっ。


「こら!孝介!『著作権』で怒られるぞ!でもまあ簡単に言うとそうだな。『気☆ガァ―ルアイ』は恋に臆病な人間のために私が作ったのらぞ。とにかくいろんな『人』を見るのだ。どんどん『見て』みるのら。私は忙しいのだぞ。ほらほら」


(忙しいんですか…。まあ、でも言われなくても『見て』みますよ…。ん?)


「どうだ?」


(『赤』が『好印象で気がある』で『青』が『マイナスイメージを持たれてる』でいいんだよねえ?)


「そそそ」


(『赤』でも『青』でもない『無色』、つまり『透明』が多いような…)


「それは当然だろう。孝介は『じゃにーず』とかなのか?」


(あ、『じゃにーず』は知ってるんだ…)


「ばかもの!『じゃにーず』を悪く言うことは私が許さん!」


(別に悪くなんて言ってません!まあ、俺は平凡な、いや、『普通』のお兄さんですから)


「『普通』ねえ。この『中二病』を拗らせた『自分は平均より確実に上』と思ってる孝介がよく言うねえ。どの口が言うだだわ」


(ごめんね!拗らせてて!)


「分かればよろしい。まあ、生き物は誰しもが自分のことしか分からないからどうしても自分を過大評価するものだしな。話を戻すのら。『無色』、つまり『透明』は『無関心』を意味するのら。よくあるだろう。街で見かけてもなんとも思わない人とか。孝介は見た人『全員』に興味を持つのか?」


(まあ…。そうだよね。『無関心』は多いよね。そういや昔、すれ違う女全員に『点数』をつけてた奴とかいたなあ…)


「はあ?『人』が『人』に『点数』だと?そいつはそんなに『偉い』のか?」


(いや。単なる『あるある』じゃない?)


「そいつは『人として0点』じゃあ!まあそんな奴のことなどどうでもいい。これから職場や孝介の知り合いに会えばその相手が孝介に対して『赤』、『青』、『透明』。基本、この三パターンの感情やイメージを持っていると思え。そしてここからが大事なこと。『気☆ガァ―ルアイ』は『その持ち主が本当に好きな相手の色は見えない』。ここ試験にでるぞい」


(へ?『その持ち主が本当に好きな相手の色は見えない』?どゆこと?)


「孝介は本当に『平均以上』なのか?一回で分からないかなあ。もお」


 この『気☆ガァ―ルアイ』。これは究極の『恋愛成就能力』であり、同時に諸刃のなんとやらである。

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