第131話 まだ...始まらないんです?

話し合い揉めたの結果、やはりカプサイシンうどんは後日と言うことになり、企画は二番目に多かった体力テストになった。


<マネちゃん>『皆!今回の結果に皆も納得いっていないと思うし、私も納得していない!今のところは退いておくけど、絶対にやらせるから!だから信じて待っていてほしい!』


マネちゃんがいつもとは違う口調でこれを見ているファンに向けて呼びかけるようにして言った。


<しゃちょー>『何演説してるんだよ...お前』


<マネちゃん>『そんなことより、しゃ...時間がアレなので早速企画の方を始めていきましょう!』


話題を雑に切ったことに違和感を覚えるしゃちょーだったが、マネちゃんが言ったように遅れていることを確認したしゃちょーはそれ以上何も言わなかった。


<ゆ い>『でもさ、ここだと体力テストなんてできないよ?』


ゆいは今自分たちが立っているステージを指さしてそう言った。


<マネちゃん>『確かにその通りですね...それじゃあ、スタッフさんやっちゃってください!』


まるで昔のスターの様に人差し指を立てて腕を掲げて合図を出すマネちゃん。それに完璧なタイミングでステージの照明が落ちる。


<ゆ い>『え!?真っ暗で何も見えないんだけど!?』


<アイン>『大丈夫...私がいるよ~』


<ゆ い>『わわっ!耳元でしゃべらないでよ!?』


暗転したステージに驚いているゆいの耳元にアインが急接近して声をかけたように聞こえる音声が会場に聞こえる。


ステージの照明が完全に消えているため、会場に来ている人もネットで見ている人たちもその様子を見ることが出来ない。


直ぐにステージを隠していた闇が晴れて、さっきとは違う場所になっていた。


<マネちゃん>『それじゃあ、ここでやりましょうか!』


<アイン>『おー!』


マネちゃんの明るいノリに便乗するアインとは別に六道は突っ込む。


<六道>『なんでここなんだ?』


<マネちゃん>『だってアイドルステージだとやりずらいですし』


<六道>『なんで事務所なんだよ!?』


そう、六道たちが移動した先はセカプロの事務所である。


<マネちゃん>『だって運動場なんてないですもん』


<アイン>『さっき通りすがりのスタッフに聞いたけど、事務所でも出来るものを選んでるみたいだよー』


<六道>『なら...いいか』


普段ツッコミとして立ち回っている六道だが、今回は了承の返事を返した。


六道は消して納得したわけではない。ただ諦めただけなのだ。


<ゆ い>『へ〜ここが事務所かぁ〜』


言い合う3人を他所にゆいは物珍しそうに事務所を見て回っていた。


<ラムネ>『ゆいちゃんはここ初めてだったかしら?』


<ゆ い>『初めてです!』


目を輝かせながらそう返す。


<ク ロ>『確かまだここの鍵は渡していなかったからね』


<ラムネ>『だったら私が案内してあげるわ!ささ、こっちよ!』


<ゆ い>『うん!』


そしてラムネとクロは初めてここに来るゆいのために部屋紹介の様なことを始めた。


このフリーダムさに呆れたのかまたテロップが降ってきた。


『き・か・く!進めて!』

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