第107話 また、リアル凸されました...

☆お知らせ☆

前話である第106話 【突然の来訪者たち】を加筆修正させていただきました。

修正前と内容が異なるところがあるので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。


◇◇◇◇◇


どうやら一段落した様子なのでボクの家に来た経緯を尋ねてみる。


「で、今日はどうしたんですか?」


「実は...」


ボクの質問に答えてくれたのは草薙さんだった。

話を聞くに、どうやら夏休み企画として以前、朝の時間帯に逆凸をするという配信をやったことがあったらしく、しかもそれが好評だったので「パワーアップした企画を今年はやりたい!」ということで、今度は家に凸して朝ごはんを見ていくという、昔あった番組の朝ごはんバージョンをやるみたいだ。


「これって動画なんですか?」


動画か配信かで大分違ってくるので確認してみる。


「配信だよ~」


ソファーでくつろいでいた莉奈さんがそう答える。


「え!?」


「まあ、そうなりますよね...」


「実は昨日の朝に俺の所に来たんだ...」


若干疲れを感じさせる声音でそういう六条さんと草薙さん。


「と、いうことで~朝ごはんを配信させてもらいたいんだけど、大丈夫かな?」


莉奈さんがボクに確認してくれているが、猛烈に「今!?」と突っ込みを入れたくなった。


「今かよ」


...代わりに六条さんが言ってくれたみたい。


「こういうのはやらせだと面白くないからね~」


ふふんというような表情で豪語する莉奈さん。


「Vtuberのドッキリとか逆凸は基本的にアポ取ってからやるんですけど...」


そこにマネージャーとして話す草薙さん。

全然本題に入らずやんややんやと大きな声で話しているともちろん目を覚ましてくるわけで...


「ん~誰か来てるの?」


おねえちゃんが眠そうに瞼をこすりながらリビングに入ってくる。


「え!?ゆうきくんが女の子を連れ込んでる!」


そう言って盛り上がっている莉奈さんの頭を下げさせる六条さんが丁寧にあいさつをする。


「ばか!この人はゆうきのお姉さんだぞ。朝早くから申し訳ない、お邪魔してます」


それに合わせるように草薙さんも挨拶の言葉を述べて軽く頭を下げる。


もちろんお姉ちゃんはこの大人数が朝から家にいるとは思っているわけもなく、部屋着のままリビングに来ていた。この人数を認識したら否や、すぐに自分の部屋に戻って行った。


「あやや、悪いこと言っちゃたかな?」


「ここにいること自体悪いことだ」


しばらくしてお姉ちゃんは着替えをして戻って来た。

戻って来たらすぐに莉奈さんと六条さん、草薙さんから謝られて困惑している。

まあ、お姉ちゃんが面識あるのは六条さんだけだししょうがないかな?


お姉ちゃんにも今回の企画について説明すると、すぐに面白そう!というような表情を見せ、ボクに「やろうよ!」と言ってくる。別に他にやることがあるわけでもないし、ボクも少し面白そうと思ったので莉奈さんにそう返事を返す。


そうして僕たちは急いで配信準備に取り掛かるのだった。

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