第108話 突撃!セカプロ朝ごはん!

配信ソフトの方は莉奈さんたちがセットしてくれたのでボクは機材の準備をする。だいぶこの機材たちにも慣れたのですぐに準備が終わった。


それでも朝ごはんには遅い時間になってしまったので急いで配信をスタートさせる。


◇◇◇


<アイン>『やあやあやあ、ゆいちゃんのリスナー諸君。どうして私がゆいちゃんの枠から挨拶しているかわかるかい?』


<六道>『もう大体の人たちが察していると思うがな』


【コメント】

 :お、ゆいちゃんのとこまで来たのか

 :あれ?今日の朝活はお休みって言ってなかったけ?

 :ま、まさか!ゆいちゃんを誘拐...そんなことないか

 :ゆいちゃんの自枠なのになぜアインが


<マネちゃん>『ゆいちゃんも待ってますので早く始めましょう』


<アイン>『答えは簡単!私がゆいちゃんの身柄を預かったからだ!』


はっはっは!悪役さながらの笑い声をあげるアイン先輩。流石にだいぶお腹が減っているのでおもわず声を上げてしまう。


<ゆ い>『あ、あの~そろそろご飯作っていいかな?』


 :枠主が遅れて登場かw

 :まだ食べてなかったんかい!まあ、そう言う企画だけどさ

 :え、俺氏何も知らんのやけど


<マネちゃん>『気持ちは分かりますが...挨拶だけお願いします』


マネちゃんしそう言われてボクは挨拶を始める。


お腹空いた...


<ゆ い>『はい...朝から家にアポなし凸されて朝ごはんを要求された、セカプロ二期生、氷柱ゆいです...』


<六道>『おう...うちのアインがほんとにすまん』


<ゆ い>『お腹空いた...もう作っていい?』


 :この時間だからね

 :朝から後輩の家に凸って朝飯ねだる先輩の図


<アイン>『もう作って大丈夫だよ~美味しいのを頼むぜ!』


もう作っていいらしいのでマイクの前から離れてキッチンに向かう。


確かにボクもお腹が空いているけど、何より空かせているのがお姉ちゃん。さっきから待てをされている犬のような表情をボクに向けてくるのだ。


<アイン>『それじゃあゆいちゃんがご飯を作っている間に、知らない人の為にも今回の企画について説明するね』


簡単に説明すると、前回のお料理教室で音痴の汚名を着せられたアインはふと、「普段はそんなに料理してないんじゃ...」と思い立ちこうしてアポなし凸企画を立案し、なんと運営が許可を出したとのこと。


<マネちゃん>『まあざっくり話すとこんな感じですね』


<六道>『改めて思うが、何でこの企画が通ったんだ?』


<マネちゃん>『「面白そうだからOK」らしいです』


企画説明をしているとキッチンの方向からおいしそうなにおいがしてくる。


<アイン>『そう言えば...ゆいちゃーん?』


<ゆ い>『何ですか?』


<アイン>『何を作るか教えて~』


<ゆ い>『名前はよく知らないんですけど...パンに具材を乗っけるやつです』


 :あーおいしいヤツだ

 :残り物も一緒に食べれるから一石二鳥なのよね〜

 :俺、食パン一枚...


<アイン>『いやぁ〜流石ゆいちゃん!どっかのとは違うね!』


<六道>『悪かったな、面白みも洒落っ気もない朝飯で』


<マネちゃん>『ま、まあ普通はあんな感じですよ』


<アイン>『いやいや、既製品じゃない朝ごはん食べてる時点で豪華な朝ごはんだよ?』


アインがそう言うと二人は空笑いのような声を出して笑う。


 :いや草

 :今回ばかりは概ね同意

 :同じく。だが、面倒で作らないだけぞ


こうして三人は雑談をしながら朝ごはんを待っているのだった。

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