第85話 今回のお題は生姜焼き

<六道>『ゆいの機嫌が戻ったところで、早速今回のお題を発表しましょう!』


六道の合図と共に画面上にpopが表示される。因みに、ゆいと六道以外には今の今までお題は伏せられていた。


<ク ロ>『ああ、これなら昨日作ったな』


<シ ロ>『美味しかった』


<ラムネ>『これなら...できます』


料理が比較的出来る面子はあまり驚きはない様子。


【コメント】

 :生姜焼きかぁ~

 :確かに初心者向きだね

 :すでに食後の人がいるのだが


<アイン>『よゆーよゆー』


<しゃちょー>『不安だ...』


<マネちゃん>『ちょっとスーパー行ってきます!』


そしてお料理できないサイド。うむ...不安である。


<ゆ い>『注意点が一つ、今回は対決じゃないので争ったりしないように、一応誰が一番だ~とかの話にはなると思うけど、今回はみんなで楽しく料理を作ることが目的だからね!』


 :は~い

 :ほのぼのしてていいねぇ~

 :なお、これから地獄になる模様

 :まだ、競う段階に来れていない説


<六道>『あらかじめこちらでキャベツとかごはん、味噌汁などは用意してあるので、お前たちは肉を焼くだけだ』


<マネちゃん>『なんでお肉だけなんですか?』


<六道>『圧倒的に尺が足りなくなるからだ』


<アイン>『うわー六ちゃんメターい』


<ゆ い>『事前にスタッフさんたちと話し合った時に、全部作ると夜ごはんが朝ごはんになるという結論になったからお肉だけにしようってことで纏まったんだよね』


ゆいがそう言うとスタジオにいるスタッフたちが笑い声を漏らす。


 :草

 :もう料理へたっぴが垣間見える

 :日にち跨ぐのかよww

 :賢明な判断な気がするw


<六道>『材料等は後ほど説明するが、まずはゆいに手本を見せてもらおう』


<ゆ い>『そ、そんなにうまくないんだけどなぁ...』


ゆいはそう言いつつも調理を始めた。一人暮らしを始める前から料理をしていたのでその手捌きは二日三日では習得できないものになっている。


 :はへ~

 :手際良いな~

 :さすが普段から作ってるだけあるな

 :なお俺氏、飯は冷食w

 :↑同志よ


肉を焼くだけだったので、15分もかからずに作り終わった。そして盛り付けられた皿をテーブルに置く。


<ゆ い>『まあ、こんな感じかな?』


<マネちゃん>『まいりました』


<ゆ い>『ええ!?』


一品作り終わり、少し一息入れたゆいに対して、勝負でもないのに降参をするマネちゃん。


<アイン>『なにかを失った気がする...』


マネちゃんの後方に立っていたアインは自分の胸に手を当ててそうつぶやいた。


<六道>『それは最初からお前にはないから安心しろー』


<アイン>『六ちゃんひどい!』


さてさて、ゆいと同じように普通の生姜焼きを作ることができる人は一体何人いるのだろうか?


それはまだ誰も知らない。

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