第86話 レシピ通りに作ろう!
少しして各々が調理を始める。
ただ肉を焼くだけだと流石にみんな同じ味の物になってしまうので、合わせ調味料は作ってもらうことにした。
因みに今回は3D企画となっていて、手元カメラとアバターが表示されるシステムになっている。スタッフさんの努力でこのスタジオ全体をカメラで納めることに成功したので、全員の様子を引きで見ることもできる。
<六道>『今回配ったレシピを先にリスナーさんたちに教えておこう』
<ゆ い>『地域や家庭によって作りかたが変わっていたりするからね!』
画面左下にレシピが表示される。
◇◇
材料(2人前)
豚ロース肉(生姜焼き用) 6枚
生姜 2かけ(すりおろしたもの)
A しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1
酒 大さじ2
1.生姜をすりおろし、半分はAと混ぜ合わせる。
2.フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を1枚づつ広げて並べ、中火で焼く。
3.肉の色が変わったら返し、裏側も同じように焼く。油を取った後、Aを回し入れる。豚肉全体に絡めたら火を止め、器に豚肉を移す。
4.残ったタレをもう一度弱火にかけ、軽く煮詰める。とろみがついたら火を止め、豚肉にかける。のこりのおろししょうがを添えて完成。
◇◇
<ゆ い>『だいぶ簡単なレシピを選んだつもりなんだけど...』
<六道>『簡単かはわからんぞ?ほらあっちを見てみろ』
六道はアインに向けて指を指す。アインの手元カメラが起動してまさかの光景が広がっていた。
【コメント】
:?
:なんでリンゴ?
:あれってりんごだよな?
:生姜焼きってリンゴ必要だっけ??
:apple
:草
<ゆ い>『ちょ!?アインお姉ちゃん!?なんでリンゴなんて入れてるの!?』
<アイン>『あ!ゆいちゃんがお姉ちゃんって呼んでくれた!!』
自分の手元の惨状を放置してとっさのことで先輩呼びが外れてしまっているゆいに注目したアイン。
<ゆ い>『てかなんでリンゴなんてあるの!?』
ゆいの突っ込みの叫びに答えるようにカンペが届く。
『こっちのほうが面白そうなんで一通り入れておきました』
<六道>『...スタッフさん、消化器内科に予約入れておいてくれ』
『了解です』
:www
:スタッフさすが
:病院予約してるwww
:セカプロはスタッフも病気だった(ほめてる)
そんなスタッフと六道のコントを無視してアインは答えた。
<アイン>『だってリンゴ入れたほうが甘味が増すんでしょ?私しってるんだから!』
:www
:それカレーwww
:CMのやつやんwww
:恐れ入った
<ゆ い>『それカレーだよ!』
<アイン>『あれら、まあ...同じ感じに甘くなるでしょ!大丈夫大丈夫』
<ゆ い>『だいじょばないよそれ...』
<六道>『てかどうやってリンゴを切ったんだ?』
アインの手元には包丁は見当たらない。不思議に思っているとまたカンペが出てきた。
『さすがに危なすぎるのであらかじめ切ってあります』
:www
:包丁を持たせないのかwww
:どうなるか想像したくないのだがw
<六道>『そ、そうか...なあ、もう一つ聞いていいか?』
『どうぞ』
:カンペと会話するなよww
:てかカンペ字幕で出てるの地味にすごくね?
:あのセカプロが台本あるとは思えないしな
<六道>『なんでアインの所にチョコレートソースがあるんだ?』
『入れときました』
:www
:あー無理だ、腹いてえwww
:スタッフが大暴れww
<ゆ い>『あ、アイン先輩?もしかしてこのチョコも入れていたりして...』
<アイン>『うん?入れたよ?』
<六道>『マジかよ...こんなもんいれるなよ!!』
『まさか使うとはwww』
:ショウガ焼き食べたことない説
:さすがにそれはないやろw
:どうやったらその発想になるんや
<六道>『おまえ生姜焼きの味知ってるか!?』
<アイン>『知ってるよ?しょうゆベースのタレの味』
<六道>『じゃあなんでリンゴとチョコレートいれたんだよ!』
<アイン>『オリジナリティーを』
<六道>『お前には1000年早いわ!!』
スタッフのよる罠で普通にできそうにないこの企画。果たしておいしい生姜焼きは出来るのだろうか。
そして、彼らの胃腸は無事にこの企画を乗り越えられるのか!
この日のトレンド2位が#六道籠城になることはまだ誰も知らない。
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