第19話 ハプニング(?)

「やっぱりシンデレラ城大きいですね、、、」

「アニメの中もこんな感じのでかさなんかな。」

「そうじゃなーい?」

「そうだ!みんなで写真撮ろ!」

「いいね!」


「あのー、お時間いただけないでしょうか。」


この時俺は瞬時に判断した。コイツは


"テレビ等をあまり見ていないスカウトマン"


だと。


まず、スカウトマンっていうのは俺の勘だが、ほぼ100%と言っていい。

そしてなぜテレビ等をあまり見ていないと思ったのか、それは。


俺、藤竹翔は子役代理役、悠はバックダンサー、麻耶は女優、そして沙也加はモデルだからだ。

そう。完璧にテレビ業界に出ている俺たちだからこそわかることなんだが、これは完全に黒。


「沙也加、麻耶。あいつと目合わすな。(コソッ」

「言われなくとも。(コソッ」

「はい。(コソッ」

「悠、お願い出来るか?」

「オッケわかった。」


基本的にスカウトマンと目を合わせるのはあまり良くない。スカウトされたくなければの話だが。

んで、言葉一つ一つに説得力がある悠を説明役にすることで、理路整然とした文章で圧倒する事が出来るのだ。


「4人とも、芸能界入ってみない?4人だったら必ず売れるよ?」


悠は笑みを浮かべながら話し始めた。

さぁ、幕開けの時間だとでも言うように。


「誘って頂けるのはとても嬉しいのですが、我々は今修学旅行でここに来ていますので失礼します。」

「あ、じゃあ名刺だけでも、、、」

「さ、皆。行こ。」

「「りょーかい(しました。)」」


わー、無視されてかわいそー(棒)


「ここまで来たら追ってこないよね?」

「そうですね。たまに追ってくるスカウトマンもいらっしゃいますし。」

「写真は明日でいっか。」

「そうだね。」

「あの、可愛いお土産があるシーに行きたいんですけど、、、」

「確かにシーの方が可愛いお土産あるもんね。」

「じゃあレッツラゴー!」


はぁ、スカウトマンのせいでだいぶ時間食ったな。

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