第6話不良殺し屋ぺー

岡崎は殺し屋リストを捲っていると、不良殺し屋ぺーが目についた。林家ペーじゃあるまいな?

歳は、20歳か~。

まっ、いいだろう。殺しのプロに間違いない。

岡崎は公衆電話で、ぺーに電話した。

「もしもし、不良殺し屋のぺーさんですか?」

「そうだよ!あんた誰っ?何で番号知ってんの?」

「殺し屋名簿でお電話しました」

殺し屋リストは本来ならば、殺し屋の幹部が持っていて、殺し屋の上下関係は厳しい。


「あっ、すいません。公衆電話でしたので、言葉遣い悪くてすいません」

「私、岡崎と申しまして、仕事をお願いしたくて。報酬は5000万円です」

「ご、5000万円!はい、喜んで仕事させていただきます」

「で、ぺーさんの殺しの方法は?」

「わ、私は、主にガスでターゲットを自殺に偽装して殺します」

「おお、それは頼もしい。ひとつ宜しくお願いします。出来れば、早く殺してください。詳しくはファックス、また連絡します」

「はい、岡崎様任せて下さい」


殺し屋にとって幹部からの依頼は、実力テストの様なもの。ぺーは心を落ち着きさせたくて、シンナーを吸った。

心地よい気分がしてきた。

「今夜、仕事するか。幹部からの依頼はスピードと正確性だ」

ぺーは、権田と呼ばれているジジイの豪邸の近くのコンビニへ寄る。タバコが切れていたのだ。

車に戻ると、緊張を和らげる為、ガソリンを吸った。

ぺーは段々、気持ち良くなる。

「あっ、ピンクのイルカだ!」

ぺーは、何気無しにタバコに火を着けた。


ボンッ!


車は爆発音と共に吹っ飛び、真っ赤な炎に包まれた。

ぺーの車内は気化したガソリンが充満していたのだ。

言うまでもなく、ぺーは爆死した。

直ぐに消防車、パトカーが集まった。

警官の1人が同僚に呟く。

「最近、この辺りで不審死が多いよな?」

「そうだな」


朝のニュースを権田のジジイと一緒に見ていると、昨夜の爆発事件の事が流れていた。

爆発の前に、若者がタバコを買い車に乗るところまで、防犯カメラに映っていた。

ダメだ。今回も失敗だ!

防犯カメラに写る男性と共に免許証の顔が流れ、リストに載っていた顔だと確信したからだ。

このジジイ、なんて運が良いのか?はたまた、殺し屋がヘボなのか分からなくなってきた。次だ次。



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