第5話恐怖、毒使いのこずえ
岡崎は休みの日はだいたい、殺し屋名簿のページを捲っていた。
権田のジジイとは、親子と思えるくらい仲良くなったが、悪いがじいさん、あんたを殺さなくちゃいけない。
そこで、ある殺し屋が目に止まった。
毒使いのこずえ
よし、連絡してみよう。岡崎は公衆電話に向かった。
「もしもし、毒使いのこずえさんのお電話番号で宜しかったでしょうか?」
「はい、そうだよ!」
「殺して欲しいジジイがいましてね。報酬はかなりの額だと思います」
「いくら?」
「5000万円です」
「し、失礼しました。あたし、殺し屋のこずえです。毒使いと呼ばれてます。御兄さんはこずえでけっこうです。今まで最高額の報酬が300万円だったのに、5000万円なんて」
「豪邸に済む資産家のジジイを殺ってもらいたくて」
「いいですよ。明日、あたしが配合した薬で高齢者ならじわじわと苦しみだし最後は心不全で死にます。若い人は即死ですがね」
「なんて力強い、殺し屋なんだ!こずえさん詳しくは、部屋の内部から防犯カメラの位置までファックスします」
「任せて下さいね。明後日の深夜決行です」
「よろしく」
毒使いのこずえ。なかなか、いいぞ今回は、
でも、毒薬どうやって飲ませるのか?
これで、週末はジジイはお陀仏だぜ。
金曜日の夜、こずえは豪邸から少し離れた駐車場にいた。配合した毒薬を手にし、これをジジイの牛乳瓶に入れればいいのだ。
「はぁ~、あまりの大金が入る仕事だから、緊張するわ」
しばらくすると、
「胃が痛い。キリキリ痛むわ。仕事前に胃薬飲もうっと」
毒使いのこずえは、胃薬を飲み邸宅へ向かおうとした。
喉が熱い。
「うっ!ど、毒」
毒使いのこずえは、誤って胃薬ではなく毒薬を飲んでしまったのだ。こずえは絶命した。
朝。
豪邸にて、岡崎とジジイは朝食を摂った。
新聞の事件事故欄に、住所不定無職の28歳の女が車の中で服毒自殺した事が載っていた。
こずえか……。
成功してたら、朝食どころじゃない。
また、失敗だ。
次だ次!殺し屋は数多といるのだから。
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