第4話地獄天狗

岡崎は殺し屋リストから、地獄天狗を名乗る殺し屋に目を付けていた。極秘のリストには連絡先も載っている。

「もしもし、地獄天狗さんですか?先日、お電話致しました、岡崎ですが」

「あ~、教師のにいさんかい」

「こっちの準備は整いました。いつ結構日ですか?」

「私が、山を下りるには2日かかり、カブでそっちに着くのが、3日後だな」

「そ、その~殺し方なんですが……」

「心得ておる。ブゥードゥー教の呪いをかけて、心の臓を止めるだけの事よ」

「なんて、心強い殺し屋さんなんだ」

「先生よ、頼みがあるんだが」

「なんでしょう」

「以下の振り込み先に1万円振り込んでくれないか?ブゥードゥーの神を目覚めさせる為だ!」

「い、いいですよ!」

「ありがとう、来週月曜日の朝にはその資産家とやらは、冷たくなっているであろう」


さすが、地獄天狗。色んな、殺し屋がいるんだな。


日曜日の夜。

地獄天狗は山を下り、カブを運転していた。

彼は振り込まれた1万円で酒を買い、ガソリンを満タンにした。

ウイスキー片手に。スクーターのようにカブを操る。

「地獄天狗は腕時計を見た。日曜日の朝4時だ。間に合わん。飛ばすかっ!」

地獄天狗はカブのスピードを上げた。

その時だ!


バンッ!


カブの後輪がバーストして、バランスを崩し激しく転倒した。

地獄天狗は微動だにしない。

そのはずだ。ノーヘルで走り頭を電柱にぶつけたのだ。

地獄天狗は絶命した。


さて、月曜日の朝、目が覚めると1階のリビングからテレビの音がする。

ま、まさか。

権田のジジイは、テレビを見ながらコーヒーをすすっている。

またか~。

テレビでは、老人がノーヘルで事故死したニュースを伝えている。


岡崎はこの事故死した老人が、地獄天狗だと確信した。だって、カブ乗り回すのは田舎のオジさんか郵便配達員、新聞配達員、そして、地獄天狗だ。

岡崎はまた、殺し屋リストのページを捲るのであった。



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