第17話 巨美少女!
「そういえば生徒会のみんなってわたし達よりも歴史に詳しいのかな?」
イヨリがジュースがわりに持ってきたスイカをチョップで八等分にしながら俺らに聞く。
「今更驚かないけどイヨリ、アンタ本気で人間兵器ね……」
「でも敵の戦力は気になるんだぜ、アイコ先生が見せてくれた順位って確か凄かったぜ」
「ナデシコちゃんもマモリちゃんも昔からとにかく勉強できたんだよね」
問題はそこだ。全国四位のナデシコだけじゃなくて三位のタケルさんに六位のマモリに八位のナンバ……ナンバ?
「そういえば書記のナンバって誰だ?」
「知らないの? アタシはてっきり生徒会の全員と幼馴染かと思ってたけど」
「いや、確かに今の生徒会は俺の幼馴染のナデシコが副会長でナデシコの兄ちゃんのタケルさんが会長、側近のマモリが会計やっているけど書記の南蛮伊笛(なんばいてき)って人に関しては初耳だな」
「う~ん、わたしもちょっと分からないよ、アリスちゃんは何か知らないの?」
やべー、スイカをもぐもぐしながら喋るイヨリ死ぬほど可愛い、今ここで地震が起きたらどさくさに紛れて絶対抱きしめるのに、地震よ起これ!
「会った事は無いけど知っているわ、男子達の噂でね」
な、なんか急にアリスから殺気に似たどす黒いオーラが立ちこめているんだが気のせいだろうか。
「だけど全国八位ならどのみち頭はいいはずなんだぜ」
「五位のアタシには劣るけどね」
背筋が寒い! どんだけ低い声出してんだよアリス! 会った事が無いならアリスがナンバ先輩に何か恨みを持っているって事は無いはずなのに一体ナンバ先輩の何が気に喰わないんだ。
アリスのせいでほわほわしていた素敵な気持ちが全部消えちまったぞ。
「あのう……」
アリスのせいで流れる重苦しい空気の中、さらに重く、幽霊のような声に俺らの視線が一斉に向くと、開いたふすまに一人の女性が立っていた。
「生徒会の南蛮伊笛(なんばいてき)と申します。本日は副会長からのお言葉を伝えに来ましたが、その、お取り込み中でしたか?」
ご本人登場!?
どういうタイミングだよこの人狙ってきてるのか!?
「ていうかデカ!? アンタどんだけデカイのよ!? もしフリードリヒ大王が生きてたら二秒で拉致されて巨人軍入りよ!!」
「はうぅ、そ、そこまで大きくは無いですよぉ……」
おいおいアリスそんなに怒鳴るなよ、それに比べて涙目になって二歩下がるナンバさんは可愛いなぁ、もう少し背が低かったら是非俺の妹になって欲しいところだ。
非常に残念な事だが生徒会書記のナンバ先輩は、それこそアリスの言葉を借りるなら色々とデカイ。
まず背が高くて男としては中背の俺やヒデオより高くて立ちあがっても絶対に見降ろされるだろう。
潤んだ大きな目にイヨリ以上に大きなバストと大きめのヒップ、それでありながら腕や首筋とウエストはスマートの一言に尽きる見事なプロポーションでロングスカートのせいで足は見えないがその白くきめ細かい肌からかなりの美脚と見た。
フトモモまで届く長い純白のロングヘアーを後ろで一本に束ねて左目の下には小さな泣きボクロ、筋の通った鼻と小さな唇に綺麗な真紅の瞳が助けを求めるようにこっちを見てきて保護欲を掻き立てられる。
男としてこんな人に言う事はただ一つ。
「俺のお姉ちゃんになってくれませんか!?」
反射的に俺の手は携帯電話で先輩の写真を撮りまくっていた。
「ふえ? お、お姉ちゃん?」
「裏切り者ぉおおおお!! やっぱりアンタもハーフよりアルビノがいいのか!? アタシよりもその女を取るのか!!? 子供は認知しなさい法廷で聖戦ジハードよ!!!」
どうしたアリス一体何を錯乱しているんだ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます