第19話 男子トイレに女子が入ってきた!?


「ふう」


 トイレで人生の洗濯をする俺。


 相手を確認するとますます大麻を応援したくなる。


 さて、今日は一体何を作るか、大麻はまず包丁さばきが問題だからデザートにリンゴのうさぎちゃんカットの練習でもさせようか、となると晩飯は……



 女子が入って来た。



「のぉおおおおおおおおおおおおお!!?」


 なんで男子トイレに女子が入ってくるんだよ、今俺いろいろと大開放状態なのに、姉さんがベッドやトイレや風呂に突入してくるのは日常茶飯事だけど――


「ダーリィン♪」

「なんだ泉美か」 


 第三の足を持つこいつがここに来るのは当たり前だけど女子の制服を着てるだけに男子トイレにいるとなんか違和感があるな。


「てかお前入ってくるなよ、不安になるだろ」

「男子のオレが男子トイレ使って何が悪いんだよ」キリッ

「こんな時だけ男になるなよ! そしてイイ声になるなよ、今お前すごい素になってたぞ」

「えー? あたしなんのことかわかんなぁーい♪ きゃは☆」


 恐怖を感じた俺は半歩前に進んで便器と制服を密着させる。


 汚いのでやりたくないがこいつといると貞操の危機を感じるからこうやってガードせねばっておいいいいいいいいい!


 泉美が後ろから襲い掛かって来た。

 凄い力で後ろに引っ張られている。


「あぁん、ダーリンの見せてー♪」

「や、やめろ!」


 まずい、両手が塞がっているから抵抗できない!


「はぁ はぁ 大丈夫大丈夫、あたし男だもん、男同士別に恥ずかしい事なんて何もないよ、だから、さぁ! さぁっ! さぁっ!!」

「やめろぉおおおお! 便器と胴体が離れて隙間が、あ! あっ! ああああああ!」

「ふぉおおおおおお!! ダーリンの! ダーリンのがぁー! すごーい!」

「誰かぁー!」


 泉美の細腕からは想像もできない腕力に、俺が便器から完全に引き離されると、いきなりトイレのドアが開き、


「春人の悲鳴にボク参上! さあボクの嫁をイジめる奴は……あ……」


 幼馴染の視線が下がり、顔がみるみる赤くなっていく。

 グッと親指を立てて、


「さすがボクの嫁」


 神よ死ね、そして来たれ魔王。

 お母さん、俺は今日汚されてしまいました。

 せめてもの救いが、見られたのが実質男と小学校卒業まで一緒にお風呂に入った幼馴染という事ぐらいか。(中学の時も六回入ったけど)

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