第17話 午前零時の汚れ仕事
深夜零時にならんとする頃、ルナティック・インの前に白いミニバンが横付けされる。ルームでの「おもてなし」があった夜はこうして
「そんなに心配しないで、海斗。
「わ、わかった、とりあえずそいつをトランクまで運べばいいんだな。ただし俺たちは運ぶだけだぞ、そのガキのバックが誰かを吐かせるのは
「うん、そうするわ。それでね海斗、もうひとつ相談なんだけど、念のために道具を使おうと思うの」
「おいおい、俺の話、聞いてたか?」
「それが……実はもう一人いるのよヤバそうなのが。
「しょうがねぇなぁ、事情はわかったよ。けど消音器は着けておけよ」
「うん、ちょっとかさばるけど、そうするわ」
店の前に横付けされた車のエンジン音を聞いた
「まったく面倒なことになっちまったもんだ。とにかくさっさと片付けようぜ」
店に入るとバックヤードのドアの前に
「どうでもいいけどお前ら、なんでメイドのままなんだ?」
「力仕事だし、汚れ仕事ね。だから仕事着のままね」
海斗はいつものようにバックヤードから使用済の茶葉が詰まった箱を運び出すとそれを車に積み込んだ。続いて
「おい、これって……」
「
海斗は物入からミエルを引っ張り出すとその
「くそっ、意外と重いな、チビのくせに」
海斗がミエルを担いでぶつぶつ言いながら暗い階段を恐る恐る下りていく。
彼らが一階に下り立ったちょうどそのときのことだった、二階よりも上、三階にある部屋のドアが開く音が聞こえた。続いて階段を下りる足音、それは
今夜は二人が暮らす三階の部屋からいつものクラヴィコードの音色が聞こえてこなかった。だから早々に寝静まったのだろうと考えていた三人の顔はまさに意表を突かれた表情だった。
「みなさん、こんな夜更けにどうされたのですか。それに……」
「し、
すると
「お願いだから静かにして」
彼女は震える手で
「
ブルーのトランクスタイプのショーツと同色のキャミソール姿の
「
「
「
「ほんとにバカね。二人だけで楽しんでればよかったのに」
そんな
「まったく、余計な荷物を増やしやがって。とんだ汚れ仕事になっちまったぜ」
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