第10話 スパイは二人いた
正面の扉を緊張の面持ちで見つめる
一方バックヤードでは
「どうしたね、
「
画面には以前にも見たことがあるマップが表示されていた。そこでは今回も発信機を示すオレンジ色のマーカーが点滅している。
「
「
「なるほどね。これで解ったわ、スパイは
「ならば
「うん、それなんだけど、二人に関連性はないと思う。たまたま偶然が重なったんだと私は思うの」
「それはよろしくないね。今日は『おもてなし』の日、ルームにはお客がいるね」
「そうよ。
焦る
「どうするつもり?」
「ウチが
「大丈夫なの?」
「
「わかったわ。ならば私は
「
「とりあえず三丁目の駅前で様子を見るわ。そこで
バックヤードから出て来た二人は
「
命令と言わんばかりのその口調にミエルは作業の手を止めて
二階の廊下には階段を挟んで二つのドアがある。右にあるドアはスタッフのためのロッカールームで、左側のそれは在庫品を置いた倉庫だと聞かされていた。そして二人はその倉庫なる部屋の前に立っていた。
「この紅茶はキーマンね、中国原産の紅茶。ウチはこれをベースにしていろんなハーブをブレンドする。でもレシピを教えるのはまだ先のことね」
それから
長い講義がひと区切りしたとき、すでに
「
「は、はい」
レクチャーの内容などそっちのけで聞き耳を立てているミエルの思惑を見透かしたように
「そろそろ疲れたか。ならば今日はここまで、
こうして倉庫の片付けが終わったときには
「ただいま戻りました」
時を同じくして文具の入った買いもの袋を提げた
程なくして上階から下りてきた
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