第17話 水着回2
あれから、レアとメルがアルムを連れ戻し、オルファが一〇八の言葉でアルムの水着姿を褒め千切りなんとか事態は沈静化、それでもまだアルムはレアの胸を複雑な表情でチラ見している。
「しかしこの国は水着の種類が豊富だな」
レアが嬉しそうに笑ってメルが自慢げに小さな胸を張る。
「海娯楽関連じゃボクの国は最強だよ、海水浴をしない人間達にもこの楽しさを分けてあげたいよ……まぁオルファの国っていうかオルオルが作ったモノキニとかタンキニとかいう新しいビキニには驚かされたけど……そういえばやっぱレアレアの国って泳がないの?」
氷の浮かぶノーザンド王国の海を泳ぐヒトがいるとは思えないが、
「いや、寒中水泳があるな、だが水着は全身を包み込むスイムスーツが多い」
「じゃあレアレアもそれ着てるの?」
「いや、我はプライベートビーチで全裸だ」
三人が同時に噴いた。
「なんだオルファ、我の裸を他の男に見られるのが嫌か? それは独占欲、つまり我を愛している証拠だ。
だが安心しろ、我がプライベートビーチは我の愛の巣、立ち入るのは我の寵愛を受ける美少女だけで男が入った事はない、故にオルファ、お主がその最初の男となるのだ」
またオルファが前傾姿勢になろうとして、
「これ以上オルファくんを誘惑しないでください!」
立ちはだかるアルムにレアは口を尖らせて呟く。
「誘惑などしておらん、むしろ誘惑する為にTバックやTフロントを履くつもりだったのにお主があんまり必死に止めるからハイレグヒモパンに譲歩したのだぞ?」
「それでもですっ!」
顔を真っ赤にして怒るアルムが可愛くて、レアはにやにやしながらアルムの頭を撫でる。
「ちょ、ちょっとレアさん……」
その光景に思わずオルファも和む。
「あはは、でもよメル、お姫様がプライベートビーチじゃなくてこんな大衆ビーチにお忍びバカンスなんて」
「あ、お姫さまだ」
「メルさまー」
「うお、あの隣にいる銀髪のヒト誰だスッゲー!」
「やっほーメルさまー」
「いぇーい! みんな今日もたのしんでるかーい♪」
途端に巻き起こる歓声、お忍びじゃなかったらしい。
そしてレアはやはり目立つ。
「お前どんだけ庶民派なんだよ……」
「どんだけって、これくらい」
腰元にまとわりつくちびっこ達を指差しながらメルは子供達の頭を撫でる。
「よしよし、みんないい子いい子♪」
とりあえずバトラより民衆の支持率はありそうだった。
「よっしゃー、じゃあ今日はみんなに海の楽しさを伝授しちゃうぞ♪ 野郎共!
急いでスイカ割りとビーチバレーの準備! あと今月の水着コンテストはどうなってる!?」
周囲から小麦色に日焼けした数人の水着美女が集まり握り拳を作る。
「開催準備完了してます!」
「参加者三四人です!」
「商品はトロピカルアワビ一〇〇個です!」
「スイカ冷やしてます!」
「ビーチバレーならそこら中でやってますけどあたしらのコート使ってください!」
「よっし! 行くよオルオルアルアルレアレア♪」
三人の名を続けて言うとまるでなにかの呪文か合言葉だ。
「おい待てよメル」
「まってメルちゃん」
「はっはっはっ、おもしろそうだな!」
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