第20話 新装備
首を傾げる紗月に真弥は手袋をヒラヒラと揺らしながら解説を始める。
「うん、炭素に石灰、リン、硝石、鉄、他にもあるけど、人間の体って結構いろんな原子から出来ているんだよ、だから龍斗くんの無限瞬速再生(アンリミテッド・リボルス)を最大限に利用した装備はないかって考え出したのがこれ、正直成功するかは賭けだったけどね、あくまでも龍斗くんの体から抽出した原子だけで服を生成すればこれも龍斗くんの肉体の一部なんだから体と一緒に再生するんじゃないかと思って、この前龍斗くんに来てもらった時に効果は実証済みだよ、龍斗くん、見せてあげちゃって」
真弥に言われて龍斗は立ち上がるといきなり上着に鋭い手刀を見舞い、鍛え上げられた指は見事に服を貫通した。
そして指を抜いて軽く念じると時間が巻き戻ったように穴は塞がった。
「すごい……」
思わず感嘆の声を漏らす紗月に自慢げに胸を張り、真弥は解説を深める。
「さすがに生命活動を維持しているわけじゃないから力の影響力が弱まっちゃってるんだね、でも自動再生とはいかなくても龍斗くんが触れている状態で再生するよう念じればすぐに元通りだよ」
「これで服の心配しなくて済みます」
感謝の言葉を受けたところで真弥の顔が満面の笑みを浮かべる。
「うんうん、いやー、爆薬系で龍斗くんが受けたダメージは治るんだけど服は吹き飛んだままでしょう? 正直あたしもその度に龍斗くんのマグナム拝むのが紗月ちゃんに申し訳なくってさー」
「龍斗君のマグナッッ!?」
火を噴きそうなほど赤くなる龍斗の横で紗月の脳内でダイナマイトが爆発した。
顔中の毛細血管が限界まで広がり、心臓が猛り狂う。
「あっ、ごっめーん、龍斗くんのならバズーカ砲だよねー」
「バズッ……!!?」
紗月の脳内で核爆発が起こった。
思考回路がショートして全身の筋肉が硬直するとそのまま火事場で倒れる柱のように体が傾く。
「これで服の心配しなくて済みます」
感謝の言葉を受けたところで真弥の顔が満面の笑みを浮かべる。
「うんうん、いやー、爆薬系で龍斗くんが受けたダメージは治るんだけど服は吹き飛んだままでしょう? 正直あたしもその度に龍斗くんのマグナム拝むのが紗月ちゃんに申し訳なくってさー」
「龍斗君のマグナッッ!?」
火を噴きそうなほど赤くなる龍斗の横で紗月の脳内でダイナマイトが爆発した。
顔中の毛細血管が限界まで広がり、心臓が猛り狂う。
「あっ、ごっめーん、龍斗くんのならバズーカ砲だよねー」
「バズッ……!!?」
紗月の脳内で核爆発が起こった。
思考回路がショートして全身の筋肉が硬直するとそのまま火事場で倒れる柱のように体が傾く。
「おっと……真弥さん、いい加減にしてください、紗月の身が持ちませんよ!」
倒れる体はなんとか龍斗が抱き止めて支えるが、結果として紗月の視界に龍斗の顔が入ることになり、これが水爆の発射装置となった。
「!!?」
龍斗の顔を見るなり紗月の体がカタカタと震え始める。
文字通り、目と鼻の先にある龍斗の顔、自らの体と密着している龍斗の体、それに真弥の言葉が重なって紗月が安定しない声を張り上げる。
「りゅりゅ……龍斗君のッ……龍斗君のッ……龍斗君のッ……龍斗君のぉおおッッ!」
そこまで叫んでブツリと何かが切れたように紗月は意識を失い、体から力が抜ける。
糸の切れた操り人形のようとはまさにこのことだった。
「って、紗月ッ! 紗月ッ!」
ピクリとも動かない紗月に呼びかける龍斗を見守りながら真弥は額に手を当てて笑った。
「あはは、さっすがー、紗月ちゃんのたくましい想像力にはちょっと刺激が強かったな?」
「笑い事じゃありませんッ!」
紗月を抱えながら怒鳴る龍斗を前に黙るや否や、真弥はかつてない真剣な眼差で龍斗を見据えて、静かに語り出す。
「当然、笑い事なんかじゃないよ、ちょっと紗月ちゃんに聞かれるとマズイからね」
真弥の言葉に龍斗も表情を改めて集中する。
「龍斗くん、これから君に最重要任務を与えるから、心して聞くように……」
「……最重要任務」
固唾を飲んで問う龍斗の黒い双眸に人工的な黒い双眸が合わさる。
「そう、その最重要任務の内容は……」
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