第687話 逆鱗に触れる
作戦を伝え終わると僕達は岩陰に隠れるのを止めて崖の前に出る。
崖の外の遠くには中型の大きさのワイバーン達がまるでこの空が我がものであるかのように自由に空を飛び回っていた。
距離にして、おおよそ1.5キロ程度先の距離だろうか。
「レベッカ、ここから弓矢は届く?」
僕は崖の端の方で空をジッと見つめていたレベッカに声を掛ける。
「前方にいるワイバーンならば可能ですが、この距離ではワイバーンの固いウロコを貫くほどの威力は発揮できないと思われます」
「そっか。なら強化魔法を使えば行ける?」
「ダメージは与えることは可能ですが、一撃で落とすほどの威力は発揮できないかと」
「構わないよ。まずあいつらをこっち向かせないといけないからね」
僕はそう言ってワイバーン達を見る。ワイバーン達はこちらに気付いていない様子で、群れを作って飛び回っている。もし、こちらに気付いていたなら巣の正面に立っている僕達を見て一斉に襲い掛かってくるだろう。
最初の作戦の狙いはそれが狙いだ。まず、あいつらに僕達を見つけてもらわないといけない。だが、ここに襲い掛かってくるまでに戦力を削る必要がある。
「了解しました。では、強化魔法を自身に3つ使用します」
「お願いね」
僕の言葉に頷くと、レベッカは詠唱を始めて、立て続けに三つの強化魔法を使用する。
一つ目は、『筋力強化』。文字通り筋力を強化し、矢の威力を底上げする目的。
二つ目は、『射程強化』。矢の射程を伸ばして後ろの方にいるワイバーンにも届かせるのが目的だ。
三つ目は、『感覚強化』。レベッカの五感を研ぎ澄ませ集中力を底上げし命中率を上げる狙いだ。
それぞれの魔法で強化されたレベッカは、1段階上回る弓使いとしての能力を得た。
「お待たせしました、レイ様」
レベッカの準備が出来たので僕はワイバーン達の方を指さす。
「じゃあ、カレンさん。目を眩ませる魔法をお願い」
「任せなさい」
僕の指示にカレンさんがすぐに答えて上空を睨む。
そして、すぐに「
「ミーシャちゃん、様子はどう?」
双眼鏡を通して上空を見つめていたミーシャちゃんに僕は声を掛ける。
「……駄目です。まだ気付いた様子はありません」
「そっか、じゃあレベッカ。矢を構えて」
「分かりました」
レベッカは僕の指示を頷いてから、弦を引き絞る。
「――発射」
そして、遠くで飛行するワイバーンに向けて狙いを定める。
「っ!!」
レベッカは僕の指示を受けて即座に矢を放つ。放たれた矢は風切り音を奏でながら高速で一体のワイバーンに向かっていく。そして、そのままの勢いで1体のワイバーンに命中した。その瞬間、大きな声が空から聞こえてきて遠くから翼から血を流しているワイバーンがこちらに向かってくる。
「カレンさん、お願い」
「
再びカレンさんに魔法を使ってもらう。迫ってきていたワイバーンは魔法によって一瞬目が眩んで動きが鈍くなるがすぐにこちらに向かってくる。
「……この距離じゃ効果が薄いか。ミーシャちゃん、他のワイバーンの反応は?」
「……あ、他に二体のワイバーンが光に気付いてこっちに近付いてます」
「……よし。レベッカ、こちらに気付いていないワイバーンを何体か狙い撃ちして」
「了解でございます」
レベッカは矢を5本を矢筒から取り出して矢を纏めて弓に番える。そして数秒集中し一度に複数の矢を放つ。放たれた矢は途中で軌道を変えて全て別のワイバーンに命中する。
「カレンさん、今度は間隔を置きながら連続使用お願い」
「了解よ、
カレンさんは再び閃光を発動。今度は3秒ごとに連続だ。それによりチカチカと空が眩い光に包まれ、更に複数のワイバーンが気付いて向かってくる。
「頃合いだね。ルナは<竜化>を使って。レベッカは、ルナが竜化を終えたら彼女の背中に乗って見つからないように低空飛行で移動。隙を伺って一気に空を飛んで背後に回って矢であの一番大きなワイバーンを落としてほしい」
「わかった!」
ルナは元気よく返事をして<竜化>でその姿を人間から美しい竜に変身させる。ルナの<竜化>は以前と違い、ある程度大きさを変化させることが出来るようになった。今の彼女は、ワイバーンよりも小さいくらいの小型の竜だ。
レベッカはルナが<竜化>を完了させると彼女に手綱を付けてその背に跨る。
「ルナ様、少々お苦しい想いをさせてしまいますが申し訳ありません」
『大丈夫、二人で頑張ろう!』
「……ええ!!」
レベッカはルナの言葉に力強く頷いて、彼女の手綱を引いて上昇する。
「レイ様、ご武運を」
「うん、タイミングを間違わないでね」
レベッカの言葉に僕は返答する。レベッカは静かに頷くと、ワイバーン達に背を向けて反対の方に飛んでいった。
これから彼女達は、ワイバーン達に悟られないように期を見て背後から近付くことになる。
「―――レイさん、一斉に近付いてきました」
ミーシャちゃんの慌てた声が僕達全員に響き渡る。
「……分かった!」
僕はそう答えて、とある魔法の準備に入る。まず自身のマナを魔力に変換し、その後、魔力を一転集中させながら長い詠唱文を必要とする大魔法だ。
だが、その威力は上級魔法とは比較にならない。しかし、その魔法を使うには時間が掛かる。だから、僕は彼女達に指示を出す。
「アリスちゃん。ミーシャちゃんに
「おっけー!!」
アリスちゃんは元気よく返事をしながらまずミーシャちゃんに<1/4狂戦士化>を掛ける。するとミーシャちゃんは手に持った双眼鏡を投げ捨てて、「うおおおおおおおおおお!!!」と叫び出す。
狂戦士化の甲斐もあって今のミーシャちゃんは頼もしい。だが彼女に一つ言わなければいけないことが出来た。
「双眼鏡を壊したらミーシャちゃん弁償だからね」
「ご、ごめんなさい!!!!」
ミーシャちゃんは双眼鏡を慌てて拾って首に掛け直す。1/4の狂戦士化なだけあって、話しかけると会話出来るのは助かる。
……というかあんまり性格変わってない気がする。
「……アリスちゃん、指示通り魔法の連発をお願いね」
「うん!!」
「カレンさんとミーシャちゃんは前に出てワイバーンが攻撃を仕掛けてきたら全力で僕達を守ってね」
「ふふ、任せなさい!!」
「バッチ来いですぅぅぅぅ!! さぁ掛かってきやがれですってー!!!」
僕は二人の頼もしい返事に思わず苦笑する。
僕は三人の頼もしい味方に前線を任せて後ろに下がる。
「いっくよー!!!」
そして、アリスちゃんは僕の指示通りとにかく派手で目立つ魔法を連発し始める。
大きな火球の魔法、触れると爆発する魔力弾の嵐、それに空から落ちてくる沢山の氷の飛礫。大半の魔法はまだワイバーン達の射程圏外だが近づいてきたワイバーンは彼女の魔法に阻まれて思うように前に進めない。
そうやって前がモタついている間に、後ろのワイバーン達が迫ってきて、最初バラバラだったワイバーン達が徐々団子状態になっていく。
しかし、敵のリーダー格であるワイバーンの上位種は他のワイバーンと一定の距離をとってこちらを様子見しているようだ。
「(……好都合だ)」
僕は心の中で笑みを浮かべる。
おそらく、あの上位種はアリスちゃんが足止めしてる下位種より何倍も強い。知性も高いため、アリスちゃんの弾幕の簡単に突っ込んでこない。
だが、竜には逆鱗というものがある。
仮に自分以外のワイバーン達が全滅してしまった場合、それを激怒して一気にこっちに攻撃を仕掛けてくるだろう。
「(その逆鱗をこちらの都合のよいタイミングで引き出せれば勝ちだ)」
僕は冷静に状況を分析しながら、自身の魔力を高めていく。
――そして、十分な魔力を引き出せた所で詠唱を始める。
「――天よ、我の言霊を聞き届けたまえ。我は汝を統べるもの。我は天の代行者なり、故に告げる」
詠唱を始めると空の様子が徐々に代わっていき、暗雲が立ち込め始める。
【三人称視点】
「……レイ君、アレを使う気ね」
レイが詠唱を始めてカレンがボソリと呟く。カレンの目の前にはアリスの雑な魔法攻撃の連打と、それをよけながら空を飛んでこちらに迫ってくる多数のワイバーンの姿があった。
「ワイバーンが口を開けてきましたよっ!!」
肩を並べて武器を構えていたミーシャが敵の様子が変わったことに驚く。
アリスの攻撃を空を飛んで回避しながら近づいてきたワイバーン複数が数百メートル離れた場所から大きく口を開け始めたのだ。ミーシャは何が起ころうとしてるのか分からなかったが、経験豊富なカレンはすぐに気付く。
「――ミーシャ、構えて。ドラゴンの
「はいっ!!! うおおおおおお!!!!」
ミーシャは自身を奮い立たせ、盾を正面に向けて構える。次の瞬間、ワイバーン達の口の中が真っ赤に光り輝き、複数体が同時に炎の吐息が吐き出された。
「っ!!」
カレンは聖剣を構えて炎の吐息を剣と魔法で薙ぎ払う。更にそこから生まれた真空波によってブレスを斬り裂きながらワイバーン達も反撃を加える。
「くぅうう!!」
カレンがふと気になって横を見ると、そこには放たれた炎の一部をミーシャが盾で懸命に耐える姿があった。彼女の周りには辺り一帯に炎が拡散し、その熱量は彼女の鎧をも焦がし、その表情を苦痛に歪める。
だがしかし、ミーシャは盾を決して下げずに受け止め続けた。カレンは彼女の頑張りを見て、少しだけの彼女の評価を改める。
「――
カレンは彼女の目の前に氷の壁を出現させてワイバーン達の炎の吐息を食い止める。
「……やればできるじゃない、ミーシャ」
「……っ!?」
ミーシャは目の前の炎を防ぐの精一杯だったため彼女の声が聞こえなかった。しかし、ふと彼女の横顔を見ると彼女は笑っていた。それは、今まで自分を冷たい目で見ていたカレンとは違っており、僅かながらもそこには「見直した」という表情だった。
「……さて、先輩として私もカッコいいところ見せないとね」
カレンはそう言いながら笑う。次の瞬間、彼女の手に持った長剣が光り輝く。
「――雷鳴よ轟け、稲妻よ、その力を解放し我が敵を討つ剣となれ」
そこに、レイの詠唱が響き渡る。
彼の詠唱が響き渡るたびに暗雲が広がっていき凄まじい雷鳴が轟き始める。
「(……皆、私が知らない間にどんどん強くなっていくわね……)」
カレンは心の中で仲間の成長を心から祝福し、ならば先導者として自分が戦わなければと奮い立たせる。
「――久しぶりの出番よ。アロンダイト、目の前のワイバーン達のブレスくらいアンタなら訳ないわよね?」
カレンは自身の愛剣に微笑みかけてから武器を構える。
「――聖剣解放100%
次の瞬間、彼女の聖剣から凄まじい光と同時に、周囲を破壊しつくすエネルギーが解き放たれる。
そのエネルギーは周囲の空間を歪曲させながら、ドラゴンの<灼熱の炎>をあっという間にかき消してワイバーン達の横っ面を凄まじい衝撃で叩き飛ばした。
『グギャアアアアアアアアアアア!!』
カレンの一撃を喰らった数体のワイバーンは悲鳴を上げながら地面に叩き落とされる。仲間が倒されたことで周囲のワイバーン達が大きく叫び、その目を赤く染めていく。
「仲間が倒されたことで逆鱗に触れたみたいね……大丈夫、ミーシャ?」
「はぁ……はぁ………!」
ミーシャは炎に耐えきったものの、既に体力の限界だった。
彼女は剣を地面に突き刺して何とか倒れないように踏ん張るが、その体はフラフラで立っているのがやっとだ。そこに、逆鱗に触れたワイバーン達が、アリスの魔法攻撃を喰らいながらも凄まじい勢いで襲い掛かってくる。
奥の方で冷静に観察していた上位種のワイバーンも動き出したようでさっきよりも近づいてきていた。
「く、くそぅ……身体が動きません……やっぱりボクなんて……」
今の凄まじい攻防のせいか、ミーシャに掛かっていた<狂戦士化>はすっかり解けてしまい、元の臆病なミーシャに戻ってしまった。
それでも今の彼女に『逃げる』という文字は無かった。
何故なら、彼女の隣にはずっと自身を未熟者扱いして認めてくれなかったカレンが手を差し伸べてくれたからだ。
「……頑張ったわね、ミーシャ。後は、レイ君に任せましょう」
「……はい」
ミーシャはその彼女の手を取る。そして、カレンは彼女に向けて優し気な笑みを浮かべる。
――そして、レイの最後の詠唱が響き渡る。
「全てを滅ぼし浄化する神聖なる雷よ。あらゆる敵を撃ち砕け!
次の瞬間、天空から凄まじい轟音と共に光の槍が暗雲を突き破って飛来してくる。その光は周囲に雷をまき散らしながらミーシャとカレンの頭上を通過し――そして、ワイバーン達のど真ん中で炸裂する。
『グギャアアアアアア!!』
空から降ってきた聖なる雷に貫かれて、下位種のワイバーン達が絶叫する暇すらなく灰となる。
その威力は、アリスの攻撃魔法やドラゴンの炎など比較にならないほど広範囲かつ、あまりにも暴力的で圧倒的な威力だった。
そして、その魔法が収まると立ち込めていた暗雲が全て消え去り周囲の雲も全て吹き飛ばされる。
【視点:レイ】
「……ふぅ」
魔法の発動を終えたボクは魔力を解放を終わらせて閉じていた目を開ける。目を開けると、空は快晴となって雲一つ無くなっており、迫っていた下位種のワイバーンは全て消えていた。
しかし、何故かアリスちゃんとミーシャちゃんがこちらを見て唖然とした顔をしていた。
「い、今の……!!」
アリスちゃんは金髪のツインテールをプルプル震わせながら声を震わせて言う。
「な、なんですか、あんな魔法……見たことも無いんですけど!!」
ミーシャちゃんも同じような顔をしており、腰が抜けたのか地面に尻餅をついて僕を指差していた。
「え、えっと……」
「はいはい、驚くのはそこまでよ二人とも」
カレンさんが手をパチパチと叩く。
すると、ミーシャちゃん達はハッとした表情でカレンさんを見る。
「まだ上位種のワイバーンが残っているわよ。あれを見なさい」
カレンさんは空の一か所を指差す。そこには、僕達が倒したワイバーンよりも一回り大きい上位種のワイバーンがこちらに高速で向かってきていた。
その目は真っ赤に染まっており、明らかに激怒している。
「どうやら、作戦通りに『逆鱗』状態に出来たみたいね、レイ君」
「そのようだね」
僕は苦笑する。ワイバーン上位種は凄まじい威圧感を伴ってこちらに向かってきており、腹の辺りは熱いマグマのように赤くなっていた。おそらくドラゴンの
「き、来ますよっ!!」
「ど、どうしよっ!?」
ミーシャちゃんとアリスちゃんは慌てたように武器を構えて臨戦態勢に入る。二人とも、ドラゴンの逆鱗に気圧されて腰が引けていた。
が、さっきカレンさんが言った通りこの状況は『作戦通り』である。むしろ今までの戦いはこの状況を整える為の布石だ。
残る敵は上位種一体のみ。敵は空の上で当然周囲には何の障害物も無い。そして冷静だった敵は逆鱗に触れて理性を無くしている。
全ての条件が整った。
「――貫け、重力を纏う矢よ」
次の瞬間、空から空間を斬り裂くような鋭い風の音が聞こえてくる。
そして、上位種のワイバーンの真横から一つの何の変哲のない矢が恐ろしい速度で飛来し――ワイバーンの上半身をまるで豆腐のようにあっさりと貫通してその上半身を吹き飛ばした。
『ギャ!?』
上位種のワイバーンは何が起こったのか理解できないようで、吹き飛ばした上半身顔から僅かな悲鳴が漏れ出てそのまま分断された下半身と一緒に地上に落ちていった。少しすると、レベッカを背に乗せたルナがこちらに飛んできて翼をはためかせて降りてきた。
「ただいま戻りました、皆様」
「お帰りレベッカ、それにルナも」
「お疲れ様、二人とも」
僕とカレンさんはレベッカとルナに労いの言葉を掛ける。
「レベッカ、一番大事な役割を任せてごめんね」
「いえ、皆様が引き付けたお陰で一撃で倒すことが出来ました。それにルナ様のお力添えのお陰でもあります」
レベッカはそういいながら僕達に微笑む。
「ふぅ……疲れたぁ……」
竜化を解除したルナも地上に降りるとそう声を漏らす。
「ルナも頑張ったね、ありがと」
「えへへ、私は飛んでただけだよー」
ルナはそう言ってにへらっと笑う。
「……」
「……」
「……ところで、ミーシャ様とアリス様は何故そんな生気を無くしたような目で私とレイ様を見ておられるのですか?」
レベッカの言葉で僕達が振り向くと、彼女の言う通り二人が魂が抜けたように間の抜けた顔でこちらを見ていた。
「……どうやら、自分達の想像が追いつかない事が立て続けに起こってフリーズしちゃったみたいね」
カレンさんはそう言って笑う。
「……ま、とりあえず依頼は終わったし、一旦街に戻ろうか」
「そうね、賛成よ」
「ではルナ様、またお願いします」
「うーん、飛ぶのも大変……でも皆の為に頑張るよ!」
ルナはクタクタの様子だったがそう言って再び<竜化>を使ってドラゴンの姿に変身した。
「ほら、ミーシャもアリスちゃんも帰りましょう?」
カレンさんは動かない二人に声を掛ける。すると、彼女達は魂が戻ったのかハッとした顔でこちらに顔を向けた。
「え? あ……は、はい……」
「あぅ……ボクってやっぱりダメなんだぁ……」
二人はフラフラと立ち上がり、僕達の後に付いてきたのだった。
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