第3話「両親がラブラブすぎるんだが」

俺が席について待っているとチャイムがなり響き、担任が教室に入ってくる。

「みんなおはよう、クラスルーム始めるから立ってるやつらは早く席につけ」

朝から覇気のないだるそうな声でそういうこの人は俺のいる2年2組の担任で、シュガーの姉である甘味あまあじザラメだ。

基本的に怒るのとかを面倒くさく感じており、テストの採点や校則違反に対しての罰などがとても甘く、通称あまめちゃんと生徒からは親しまれる存在だ。

「みんなは今日から2年生になって、1年生の後輩が出来るわけだね。後輩の子達のお手本として、常に良い行動を心がけるように」

「はーい」

甘めちゃんの言葉にクラスの皆が答える。

「正直今日は、あとプリント配って終わりだから、プリント教卓に置いとくんで勝手にとって解散ってことでよろ〜」

そう言って、甘めちゃんはプリントを教卓の上に置いて、教室を出ていった。よくあれで怒られないよなあの人。

俺はプリントをとって、1回の下駄箱でまだ女のままのモカと合流してそのまま家に帰る。

「ただいまー」

俺とモカが家に着き、そう言うとまだこの時間はお客さんが来ていないからだろう。父さんと母さんの「おかえり」という声が聞こえてきた。カフェコーナーの方に行くと、やっぱりお客さんはまだ来ていない。

「何か手伝おうか?」

俺がそう聞くと

「ううん、お客さんも来ていないし今は大丈夫だから、部屋でゆっくりしてなさい」

「そうそう、今は2人でお店の掃除をしてるから、ホコリとか制服に着いたら嫌だろ?」と2人は返してくる。

まだ紹介していなかったからうちの両親を紹介するよ。 まずは母さん、イタリア生まれで本名はエスプレッソ·マキアート。イタリアで父さんと出会って恋に落ちて父さんに着いてきて日本に移住した。歳はもうすぐ40というのに見た目はまだ高校生のようだ。常連さんからも好かれていて、白髪と青い目が特徴だ。性格は穏やかでとても優しく家族をとても大事にしている。続いて父さん。

本名は挽豆ひとう優一ゆういち、うちの家族の中では唯一名前が普通である。

元々はカフェを営むために色んなカフェを巡り、気に入った店があればそこで弟子入りをして、自分の味を見つける旅をしていた。

その旅でイタリアに行き、母さんと出会い恋に落ちて、母さんの実家がカフェだったので、そこで俺の母方のじいちゃんに当たる人の店で修行をして、日本に帰る時に母さんもお嫁としてもらったわけだ。

「まぁ、どれだけ掃除してこの店が綺麗になっても、マキの方がずっと綺麗だけどね」

「ありがとう。でも、それを言うならこのお店をいつも綺麗にしてくれる優一さんの方が心も綺麗と思うわよ」

うちの両親は結婚してもう20年ほど経つが未だに新婚の様にラブラブで仲がいい。

この褒めあいが始まってからはいつも長い。

とりあえず、この2人は放っておいても大丈夫だろう。そう思い俺は自分の部屋へと戻るのだった。

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