新月之章まで拝読したレビューになります。
物語は主人公が不思議な夢を見るところから始まります。
身軽な身体で塀の上を飛んで跳ねて歩くのです。まるで猫のように……。
遥か昔の呪い返しによる確執が今も続く世界。一方は猫になれる人に、もう一方は狼になれる人に。この二種族の争いを描いています。
猫好きの私は「猫になれるなんて羨ましいな~」と呑気に思っていたのですが、彼らの置かれた環境はなかなかにシビア。新月に生まれた特別な人猫を探す人狼に日々襲われ、人間社会は彼らを守ってくれずに結界の奥に隠れた。
そしてその新月に生まれた特別な存在こそが、主人公のゆき。
何も知らずに普通の人間として生きてきた彼女を、村を守る指折りの精鋭たちが迎えに来た。ここから物語は一気に動き出します。
種族間の怨嗟、そして同族同士のいざこざなど、飽きることなく展開される物語にきっと夢中になるはず。個性的で強かで鋭い猫たちの戦いをぜひご堪能ください!