第578話 必死で、取り組みだす用…その1

 山梨県… 某廃旅館…


 ここは、前精霊・妖精界王が逃げ込んだところだが、今ここに用!がいた。


 ヒヒイロカネを精錬しているのだが、それと同時に、霊鉱と呼ばれる半分あの世に存在しているような金属を作っていた。


 まさかの怨霊退治?


 まぁ、その霊鉱から作る霊鋼を織り交ぜたら、確かに霊鋼ヒヒイロノカネの剣ができるのだが…


 用!は、矢を作っていた。



 ガンガンガンガンガンガンガンガンガン!


 型に流し込んだ物ではなく、1から槌で金属を鍛える鍛造である!


 羽の部品も、霊鋼ヒヒイロノカネだ!


 そして、今は矢の先を作っていた。


 刺さると、抜けないように返しがついている!


 そして、ギミック付きだ!


 刺さると矢全体から、返し付のスパイクが矢全体から出て抜けないように、丹念に作られている。


 それが、200本!作られようとしていた。


AI

「用様? なんて凶悪な矢を作るのですか!


絶対ぶっ殺してやる感が、半端ないですよ!


トロイちゃんが、引いてます!


そろそろ、何に使うか教えて下さいよ!」



用!

「もう少し待ってくれ!


あと、もう少しで…できるんだ!


あとは、俺が怒りを抑えて我慢すればいい!


ぶっ殺してやるとの、怒りを抑えたらいい!


それだけで、なんとかなるんだ!


抑えろオレ!


クソ腹が立つが抑えろ!


そうすれば、そうすれば!」




ずっとこんな調子である!



だが、矢が完成したようだ!



三徹夜…  できたのは…


霊視出来ない人には、見えない矢


しかも、刺さったらハリセンボンや、ハリネズミみたいになってしまう矢…



そして、その矢に今度は魔法陣と魔力が注がれる。


その効能を神力で作られたなら、誰もがキューピットのもつ矢を連想しただろう!




用!

「まずは、実験だ!


試作品は、既にある。


さてと、誰にするかな?」


AI

「実験? あの?その矢って、キューピットの矢の強烈版だと言うことはわかりましたが、誰と誰をカップルにするのですか?」



用!

「フロント皇女と、フロント皇女の被害者!


フロント皇女の被害者ギャランべーは、王になりたいらしい。


フロント皇女の魂の波動が、少しづつだが短く激しくなって来ている。急がないと魂の崩壊が始まるな。」



メイド・トロイ

「恐らくですが、フロント皇女は逃げますよ!


今、ブリスベンに行ってハーノ義姉様とミカン義姉様に会って、密書をわたしましたが…


その…会いたがってましたよ。


理由を説明すると、「わかった」と言ってくれましたけど。


あの、フロント皇女のことですが、ウィルス感染ではないですね。


ププププププ…


だけど、よっぽどあの二人を激怒させたのがストレスになっていたのですね、ストレス性麻痺とストレス性味覚障害に…


まぁ、地球基準だと間違いなく感染を疑われますね。」



用!

「う〜ん… トロイちゃん? ストレス性って診断したのは?」


メイド・トロイ

「氣の状態が、ものすごく偏ってました。」


用!

「それって、あの戦闘大好きなあの二人が、土の精霊王と光の妖精王と炎の精霊王を封印してからだろ? もっと言えば山梨県の某湖で光の精霊王が逮捕されてからだろ?」



AI

「アレ? 確かに…」


メイド・トロイ

「はい…確かに… え? まさか…


まだ、それから半年すら経ってませんよ?


早過ぎる!」


用!

「もともとフロント皇女は、地球魔導怪獣大戦で、精霊王魔法や妖精王魔法を乱発していた。


身の丈に合わない、魂の改造…


外道軍は、クリスタコアのプログラムの力を借りていたが、フロント皇女は赤の他人の力と素質を強奪して、踏み台にして使用していた。



精霊王や、妖精王が無理矢理フロント皇女の魂を型にはめたように状態を束縛していたが、その力が弱まると、本来の姿がさらされることになる。


味覚障害…


手足がしびれて動けない…


そして、悪寒?


恐らく、魂の崩壊が起こる前の鋭すぎる霊感がもたらすものだな…。


ハーノ義姉とミカンは、恐らくそれを知っているから、症状がそっくりなコ○ナだと、無理に言って、休ませる事にしたのだろうな。


そうでなければ、とっくにフロントをタコ殴りにしているだろう。」



ヨッピー

「そんな…」


大教皇サウザー

「確かに…旧地球時代にうちの教団関係者にいたな…


強くなるために、禁呪に手を出して魂が変調してしまい、よく似た症状が出たものが…」



前精霊・妖精界王ルット

「いたのか? どうなった!」


大教皇サウザー

「その当時の、技術では駄目だった…


そして、その女性二人の子供達は、オババと大オババと今は呼ばれ…


皆もしっている通り、狂ったように…


いや狂って研究に、のめり込んでしまった…」



用!

「へ……


まさか… 二人の女性ってまさか…


S級の姉妹か?」



闇の精霊王

「あ… 確かに…似てる…。」



大教皇サウザー

「そのとおり…。 よくわかったな。」


用!

「地獄のとある所で会った。 戦うためとはいえ迷惑かけたと、言っていたな。


娘が、そのせいでとんでもない事になったと。


その娘が、とんでもない事をしたのなら、私達が止めたいと言っていたぞ。


まぁ、今は地獄の受付嬢やっているがなぁ…」



大教皇サウザー

「へ?…」


今度はサウザーさんが、びっくりする番だった!


闇の精霊王

「待てよ!ヨーの親分! まさか!魂の崩壊が治るのか!」


前精霊・妖精界王ルット

「そう!それ! 治るのか?」


用!

「あの人達は、娘と村人を守るために無理をして、力を引き出すためにやったんだがな、その赤の他人の魂を大福と大福を無理矢理引っ付けるみたいな、フロント皇女のようなパターンではなくて、本人そのものの魂が消耗…ひび割れとか欠けたとかの状態だったから、かなり時間とかが有ったけど、少しづつかけているところを、よく見て修復していったぞ。


まぁ、あれは改造ではなかったから、自我と、魂を取り戻しただけだが…」



メイド・トロイ

「フロント皇女は、逃げ得の根性が治らないからなぁ…


 耐えると言う、根性すらない…。」


ヨッピー

「だから、スパイクギミック付きの愛の矢なんだ…」



大教皇サウザー

「しかし、天界が認めるか?


理論的には、そのギャランべーと言う男と夫婦にならないと、フロント皇女は破滅決定だが…


認めんだろう。」



スラポ

「メールが来たのよ〜!


パイン街からスラ蔵経由で来た。


天界から電話がくるって…。」



用!

「ハァ〜」



□□□□□□□□□□□□□□□


さて、次回はついにフロント皇女とギャランべーの結婚か?

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