第519話 (幕間)バボン先王の悲壮の演説!
南極大陸 中央部
バボン先王
「教典や経典に描かれた通りの外道諸国連合軍であれば、我々の火力では正面切って戦っても勝てない!
かつての我々の祖先フロントバーレ諸国連合の兵士たちは、おのれ自身の身体を切り刻み機械・魔道具を身体に打ち込み戦闘力を上げて戦って、それでも3対1で誂んだとの記録が残されている。
だが、今の我々にはそんな技術も、戦力もない!
しかし!勝たねばならない!
先程も言った通り、我々はフロントバーレ諸国連合というこの地球世界のかつてあった国の子孫だ!
そして、フロントバーレ諸国連合は、マルダス世界の元々管理者様となる方に、敵対していた国だ!
つまり!その子孫である我々は、咎人の民なのである!
我々が、救世主様に敵対しないと信じてもらうには、行動で示さないといけない事がかなり前から発覚していた。
我々は、策略を…考えつく策略をめぐらしたが全て失敗した。
救世主様の判断基準には、王族!貴族!平民!なんて関係ない!
もはや我々には、我々を操った外道諸国連合と対峙して勝つしか、救世主様からの信用が獲得出来ないのだ!」
先王の演説で、己の運命を悟るバボン貴族至上主義軍の者達…
(仮)大臣ギャランべー
「そんな…我々は選ばれた貴族!
それが咎人だったなんて…。」
まーだ寝言を言っているギャランべー。
だが、末端の兵士達は既にそのことを知っていた。
教会に行けば、壁画に描いてある物語だからだ。
上層部の一部を放置して、中級クラスの兵士達主体の会合が開かれる。
騎士シー・ド・ダイハード
「勝利条件ですか? あいつらの基地にマルダス世界を滅茶苦茶にした奴らの分体があるらしく、その維持をできなくすればいいとの事です。」
「つまり、奴らを倒すのではなく、奴らの施設を破壊出来たらいいと、解釈出来るのですか?」
「そして、奴らの戦力だが実は5回ほど戦闘したが、かなり弱体化していっている。
我が隊の、負傷者数のグラフだが、減っていっている!
これは、ダイハード卿の情報どうりだと、救世主様が既に戦っておられ、奴らの戦力が落ちている証拠だ!」
「そこで、包囲砦作戦を提案する!」
バボン先王
「なるほど!籠城作戦の逆版となるな!」
騎士シー・ド・ダイハード
「南米のアルゼンチン国とチリ国の情報だと、奴らは食料をかなり奪って行くらしい!
包囲作戦もいいかも。」
ギャランべー
「こんなところで、我々を、無視して…」
バボン先王
「うるさいな! 起こしても起きなかった貴様が悪い!」
ギャランべー
「すいません。」
そして、始まった包囲作戦!
氷の大地なので、氷の壁を作り封鎖していく!
そこで、問題が発生した!
バボン近衛師団精霊術師A
「クソ!精霊が働かない!どうしましょう!
精霊が、ヨー・ヨーガに命令して精霊界に謝りに行かせろ!
さもなくば、貴様をただの魔法使いに格下げするぞと、言って来ております。
ただの魔法使いになっても構いません!今は我々の存在そのものの問題になっているのですから!
しかし、精霊がこんな変な事を言って来たのは、初めてです!」
ホロン近衛妖精術師B
「よく似た事を、こちらの妖精も言ってます。
我々は、今回の事態をよくわかっております。
ただの魔道士になろうと、作戦を実行します!
しかし、この精霊・妖精の動きだと、良からぬ事が起こる前提で対応を考えなければなりません!」
ホロン国王
「お前達!よく言った! なんとなくだが、精霊・妖精達の様子がおかしいのはパイン街でも観察されていた。
奴らが外道諸国連合側に付くならば仕方ない!
精霊・妖精術師達よ!
今なら咎めはせぬ。
精霊・妖精達が外道諸国連合につくみたいだ!
精霊・妖精達に従うなら、今のうちにこの戦場から撤退しろ!」
結果…実は精霊術師であった、ギャランべー以外全員残ったのである!
ギャランべーは、光に包まれてどこかに行ったみたいだ。
そして、この作戦は成果を上げる事になる。
直接戦闘せずに、逃げながら氷の壁を修復していき南極大陸中央と外輪部戦闘部隊を引き離す事に成功する!
中央部からの補給路が封鎖されて段々と戦力が落ちていき、外輪部隊との戦闘のやりやすさを感じた各国の軍隊からも、かなりの高評価が出た!
そして、各国の南極大陸封鎖作戦は、かなりの成果を出していた。
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