第512話 (幕間)呼び出された古代皇女
時間は、カベーゲロ大佐率いるイエローベレー隊が、日本を襲うその前にフロン皇女(フロント皇女)は、とある者達の呼び出しを受けていた。
輝く空!
清らかな空気!
そしてなめらかに流れる川!
素晴らしき生命力あふれる世界!
そんな世界にフロン皇女は、
古代地球大国家フロントバーレ諸国連合の地球脱出以来、数億年ぶりに、この精霊・妖精界に入った。
整列する、精霊達!と妖精達!
各精霊王達と各妖精王達が揃っていた。
こんな事は、実は滅多に無い!
そう! 地球魔導怪獣大戦のときですら、
旧地球(今の地球の数倍強く大きい)が壊れる可能性があるようなときですら、こんな事はなかった。
それだけ、非常事態だと言うことを示していた。
地球魔導怪獣大戦の時よりも緊張しないといけない事態って…
フロンは、冷や汗を久しぶりにかいていた。
フロント皇女
「お久しぶりです。まどろわぬ者達の王達であり、まどろみの中の者達の王達よ。」
王達の側近が、玉座の側から厳しい目をフロント皇女に向ける。
いつもの事だ…
このやり取りは、数億年前と変わらない。
だが…おかしい!
この緊張!
そして、特に精霊王達の側近が、物凄く苦いドリンクを飲んだ顔になっていた。
まさか…
こいつら…
とんでもない(失敗)をした?
王達は…
王達の顔は、真っ青であった。
普段は、歓喜の状態を崩さない妖精王達ですら、真っ青である。
そして…
このタイミング!
私が、前世の記憶が蘇った時点でこんな呼び出しをしなかったのに…
なぜ、この忙しいタイミングなのか?
何の(失敗)をした?
旧地球が吹っ飛ぶくらいの規模の大戦の時でも笑っていた妖精王達が、真っ青で黙っている。
天界から、ついに怒られた?
風の精霊王
「久しぶりだな、フロント皇女。
あれから、数億年経ったのか。」
火の精霊王
「フロント皇女…貴方がマルダス世界で少し前に目覚めた時に…知らせておくべきだったと、後悔しています。」
水の精霊王
「いや…火の精霊王よ…それは違う…。
既に、かなり状態が悪くなっていた…。
知らせても、フロント皇女だけでは状況を改善させる事は無理だ!」
土の精霊王
「フロント皇女よ…、現世に再び来て…どこまで今の状況を見聞きしている。」
火の妖精王
「そのね、あの三姉妹王女達の前で情報収集すると、さらに状況が悪くなる事態が起こっていたから、私達の部下を下手に貴方に近づけるわけにはいかなかったのよ…。」
光の精霊王
「事態は…深刻だ…。元々は、外道滅殺拳…いや…外道滅殺教の…あの教主暗殺を容認したのような形になったのが…我々の失敗なのか…。
だが…あの当時、そうするしかなかった。
なんて事だ…。」
闇の精霊王
「ごめん、時間が無いから思考を読ませてもらうね。
ここに投影するよ。」
フロント皇女の私生活から、全て映像で出てきた!
フロント皇女
「ここまですることですか?(怒)💢」
風の精霊王
「やはり、知らんかったか…オイ!魔導精霊王よ!だんまりしても駄目だぞ!
話そう…。」
フロント皇女は、魔導精霊王を見たが…
だんまりを、しているというよりも…
ガタガタ震えている?
水の妖精王
「そのね~。あ〜!フロントちゃん、ヨーさんに乱暴されてもいいと覚悟は出来ていたのね。
だけどね…事態は貴方が思っているよりも、もっと深刻なのよ。」
魔導精霊王
「ハァーーーーーー。
フロント皇女よ…。南極で外道諸国連合達と対立を選んだのは…正解なのか…。
この事態を解決する流れに至る事を考えると、選択肢を間違えた訳ではないな。
すまんな。運命を読む魔導すら、既にきかなくなっている事態なのだよ。」
土の精霊王
「精霊王・妖精王達のほとんどが、黙るしか無い事態が起こっている。
簡単に言うと…
我々の…選択は…間違っていた…」
精霊王・妖精王達の側近達が、勝手に喋りだす!
「そんな事はありませぬ!」
「王よ!ヤツに謝らしたらそれで済むのです!」
「フロントを呼んだのも、ヤツを正す為で…」
︙
︙
︙
王達の側近が、口々に言うが…
ヤツ?
この流れだと…
外道滅殺教絡み?
外道滅殺拳当主のヨー絡み?
魔導精霊王
「黙れ! 側近ども!
謝らす!無理だろう!
この世界ごと吹き飛ばすつもりか!!!
フロント皇女よ……。
地球魔導怪獣大戦の後…何が起こったのか
まずは知る必要がある。
後…違うな…奴らは…奴らは…負けていなかった…
死んだ後も…戦っていた…。
そして…そして……あの男ヨーは…」
精霊王・妖精王達が、フロント皇女に話し出しました事は、フロント皇女にとって精神衛生的には猛毒であり、これからの展望計画を打ち崩す雷であった。
ハァ?
あの後、私がコールドスリープに入る時に地獄が数十万位は増えるとか観測の話があったのは覚えている。
そして、前世の記憶が蘇って来て少しづついろいろな事を、思い出すと同時に浮上してきた疑問があった。
私…フロントは、コールドスリープに確かに入った!
だが、転生で目覚めた!
なぜ!
コールドスリープ状態の元の身体は健全らしい。
その疑問も、説明された…。
まず…地球魔導怪獣大戦で地球をフロントバーレ諸国連合は、脱出した後の話しである…。
精霊王・妖精王達は、外道滅殺拳当主ヨーが率いる平和コミュニティは、当主を除いた生き残り全員がマルダスに移住して、残った当主ヨーは、隕石と魔導爆弾の嵐の中で生命反応も探知されなくなり、死んだと思っていたが、実は生きていた…というよりも…
どうやってか…
生きたまま!!地獄で戦っていたらしい。
それも、管理者に成るのを拒否して、自らの力を封印するのと引き換えに、外道滅殺拳関係者の無制限マルダス世界への移住を認める協定締結の時に、確かにヨーは自らの力を数多くの封印珠に封印したのを、目の前で見た。
もはや、ただの一般人と同じ力のハズなのに…
力を封印して、2〜3ヶ月経つ間に、また修行していたと、当時の情報部からは聞いてはいた。
だが…
それを聞いたときにフロントは、真っ青になったが………ありえる………と何故か合点がいった。
そして、ハァ?
外道滅殺拳…あの平和コミュニティで、あの大戦で死んだ奴らも地獄で戦っていて?
ヨー達が合流していった?
ハァ?結局、地獄レベルで爆発的増加した地獄のほとんどが浄化された??
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
しかも、当時死んだはずの外道滅殺拳の関係者達が、地獄管理者に昇格している!!!!!!。
聖カルッティ3王女達みたいなのが、レア状態なの?
しかも、あのヨーが戦闘狂になった原因が…
私達の外道滅殺教・教主のニセ講和ダマシ撃ち
成功からの、外道諸国連合と大教皇軍との合同平和コミュニティ本部攻撃にあったなんて…
え?
今のヨーの本当の戦闘力どころか、霊格すら精霊王・妖精王達でも把握出来ない?
そのことで、霊界のパワーバランスの大き過ぎる変化の中で、私の魂が精霊王や妖精王達の関与でコールドスリープ状態を維持している事がバレたら、地球魔導怪獣大戦末期のマルダス世界移住取り決め違反で逮捕される可能性があり、地獄送りをなんとか回避するために、天界第4特殊調査室の関与で、フロンとして世に出すしかなかったらしい。
ヨーの側近・眷属達の影響力がかなり及んでいるらしいのだ。
ヨー本人は無自覚だから、余計に何が起こるかわからない危機だったという。
そういえば…フロントとしての記憶が蘇るきっかけとなった、地獄行きの事故の時にあった…
あの大王…
「代理」って名札がついていた…
そして、顔はわからなかったが…
あの、厳しさの籠もる声…雰囲気…
外道滅殺教(拳)関係者であると、言われたら…確かに…その気配があったな…。
さらに悪い事に、私達に敵対する者達にはあまり、精霊と妖精の助力をしないとの設定が今も続いていて…
それが…かなり大きすぎるアダになってしまった?
ハァ?
ヨーが、転生モドキ状態に自らなった時に、精霊と妖精がオートで邪魔をしてしまい…
マルダス世界に移民するときに決められた、呼吸スキル付与義務規程・及び補助義務すら、ヨーだけに対してブリードル帝国の勇者召喚の時に、精霊・妖精達はしていなかったどころか、生命活動を邪魔をしていたですって!!!?。
そして…ヨウ・ヨウガ(ヨー)がゴブリンジャイアントを吹き飛ばすあの(召喚勇者強制自爆要員事件)につながる。
精霊・妖精の1番最後の情報だと、ヨーはデストピア大陸にいるらしい。
しかし、ヨー達が常時何をしているのかは、結界を張っているのせいなのか、精霊・妖精ですらわからないらしい。
しかも、今のヨーの側についている眷属?らしき者の正体も精霊・妖精達には、わからなかったほどの強者だということだ。
まとめると…
今のヨー(用)は、強くなった?かなり上の管理者ランクの霊格になっている?
ヨーのいた、平和コミュニティ(外道滅殺教及び拳)の戦死したと思われていた者達は地獄管理者に多数なっていて、精霊王・妖精王達ですら全て把握出来ない状態。
(つまり…パイン街にいた地獄管理者って…旧地球で会ったことがある者である可能性があったって事? しかも…ヨーの部下…)
しかも、ヨーがお膳立てした、精霊・妖精達の講和・和解の機会を…精霊・妖精が破壊したって事?
しかも、悪い情報が来た…
シャングラー遠征軍にかかっていた、パッシブスキルの方の魅了を誰かが解いた?
敵対したと、思われても仕方がないな…
マズイですわよね……。
講和の鍵は…3王女らしい…
彼女達は、平和コミュニティ本部で戦死した者達で、ミカンという者が最後まで抵抗していた…
あーーーーーー!
誰か…外道滅殺拳ミカン流とか、言ってた!
ク…精霊・妖精魔法を使うときはトランス状態になるから、はっきりと覚えていない…。
だけど、もう…精霊・妖精界と地獄管理者軍団が衝突する一歩手前だと言うことがわかった。
しかも…ヨーがいない。
デストピア攻略中か…。
あの人には、魅了は効かない…
直談判すら出来ない状態で、どうすれば…。
沈んだ精神状態で、シドニーに帰ってきた。
元聖カルッティの3王女は、ジェラートアイスを食べていた。
どう、協力を求めたらいいのやら…
過去の出来事が重くのしかかる。
行動で示す。
これは…今も昔も変わらない鉄則だ…。
ため息をついた時、
米軍第7艦隊とフィリピン軍からの、ゲルーゲス将軍とカベーゲロ大佐達の軍が動いたとの報告が来る。
日本の小笠原諸島で、あの元召喚勇者達が カベーゲロ大佐と衝突するらしい。
カベーゲロ大佐…
ヤツの、イエローベレー隊がどれだけ強いか…
わからないだろうな…
しかし…その後…
精霊と妖精達が大騒ぎすることになる。
ハァ?あのカベーゲロ大佐を、滅多斬りにして、封印した?
元前召喚勇者のハズレなんて言われていた、
ユミ・オオトだって!!!!
彼女のバックに地獄管理者達がいるとすれば、辻褄が合う。
身体が震えてきた。
3王女達が、懐かしいオーラが集まっているとか言い出したぞ!
駄目だ!精霊も、妖精も彼女達が示す方角に全くのオーラ探知が出来ていない。
明らかに格上の存在が私達を監視している。
こちらに向かって来ている相手は、ゲルーゲス将軍の五星隊…
こいつら相手に見張られて戦うのか…
もう、かつてのフロントバーレ諸国連合特殊部隊は、いない。
彼らの子孫であるブリードル帝国近衛師団に、音速移動が当たり前の戦闘力は期待出来ない。
リミッターを解除した…
身体が、崩壊するレベルの出力を出さないと勝てないだろう。
いや…鉄壁結界のゲルーゲス将軍相手に傷を与える事ができるかすらわからない。
ハーノ(元聖カルッティ第1王女)が、こちらを見ていた。
プルト(元聖カルッティ第2王女)が、
「来たよ!」
と言う。
メルード(元聖カルッティ第3王女)が
「さて、やりますか!」
なんて言う。
腹をくくる…。
そして、南極大戦・太平洋の地獄と言われた戦いの第二部が始まった。
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