第499話 バボン貴族至上主義軍の出陣

  最近のマルダス世界でのロクでもないニュースの提供者集団であった、バボン貴族至上主義者を上層部が牛耳る部隊の下っ端兵士達が、酒場で盛り上がっていた。


 王が、やっと俺たちの言うことを聞いたとか、さんざん根拠の無いことを上司が言っていたが、景気のいい話だと聞いて盛り上がっていた。。


 そして、何故か大邪神軍に対して出兵する事になっていたが、大間違いである。


 今騒いでいるのは、だいたい平均が、貴族の12男から23男が当たり前の貴族世代である。


 子沢山?


 いや…違う。


 先王が、淫乱政治をした為に、貴族達も倣って道行く女性を襲った時代があった。


 しかし、今の国王が強制即位した為に、


婚外子の未認知禁止!


被害女性に対する保証義務!


そして、女性が望むなら強制婚姻!

貴族側(加害者側)の意思は

関係なく婚姻成立

(例外的に、複数婚の許可)


その場合、家庭内暴力とイジメなどを法律で禁止!


きつい罰則あり。



などを、今の国王が決めた為に、ある意味救われた者たちでもあった。


だから、こいつら末端貴族兵士達は貴族主義だと言っても国王の権限を最大限に尊重は、するのである。


なんせ、国王がこんな法律を作らなかったら…

先王なら、ゴミ扱いされた挙げ句、奴隷にされて鉱山送りになっていた可能性が、ほぼ確定していたからである。


命の恩人なのだ。


だが、やはり正妻の子供達からのイジメはキツく、ひねくれてしまった。



そんな、酒場にルルト付きの側近の男勝りの女性騎士が、珍しく飲みに来た。



もちろんナンパしようとするものがいたが…


ルッコラ(ルルトの側近)

(同名の女性多数有り)

「あんた達は、お気楽だね。私の主は、腹を切る覚悟で陛下を馬車に乗せてパイン街に行ったのに…」


「???」


どうも、話が違う?



シーンとなった酒場に、道向こうの酒場や隣の酒場が、反応する。



ルッコラの話を、聞いて自分たちが、どうも貴族至上主義の上層部から、間違った事を聞いていることに、気がついた。



夜の酒場街が、いきなり静まり返る。


そして、犯人探しが始まったが…


それが、どうも自分たちの家の長男とか次男達の道楽世代からの間違い情報らしい。


ルッコラは、どうでも良かったが頼まれて主に連絡を魔導通信で取って、最新の情報を聞く。


その過酷な情報は、貴族苦労組や子沢山組に広がり、翌朝から各々会議が組まれた。


武器屋や、防具屋の商品がなくなった。


そして防寒着の魔獣毛皮が売り切れる。


臨時政府王都冒険者ギルドの防寒着の在庫もなくなった。


そして、危機発生時の行動パターンを上層部抜きで、現場組で作る事になった。


彼らの、上層部とは将軍や大佐とかは、自分の家の正妻の長男達が独占していたから、イジメられた末端の末っ子達は、上層部を全く信用していなかった事も、日頃の横の連絡網もあり危機対応別行動作戦に拍車をかけた。



そして次の日…


王城前の広場に軍が集結する。



南極派遣援軍隊


総大将 ギャランべー


バボン国王は、目の下にクマを作り、

城のバルコニーから、拡声魔導機でどこに派遣するのかと、どんな環境なのかを説明する。


その時、ギャランべー達貴族至上主義上層部は、南極を大邪神の統治地域の一部のナンキョーだと、勝手に王の言葉をしっかりと聞かずに側近に言って、自身も思い込んでいた。



間違いに気づいた時には、遅かった。


ギャランべー

「話が違う!」


バボン国王

「違ってない!」


トサッ!


そう言って、国王はギャランべーに総大将任命の証の首飾りをギャランべーに自らかけた。


バボン国王

「わしに、お前が言った希望通りに派兵する。


パイン街特製の首飾りだ!


危機回避アラート機能


防御力2割増し!


拡声機能!


そして、任務絶対遂行機能!


特殊世界への緊急の転移機能!


もはや国宝級の物だ!


そして、任務遂行するまでなくさないように、

親切なロック機能まである。


さぁ、行って来い!」



ギャランべーの顔が真っ青になるが、首飾りが体調不良とはみなして心臓を自動強化する!


ギャランべー

「なんだ!心臓が力強くなったぞ。

何だよ!首飾りが取れない!


足が勝手に動く!

ヒィーーーーーー!」


それを、弱気と首飾りにみなされ、勇気を強制的に沸騰させるスキル(ブレイブ アップ)が起動する。



アレ?この機能と言うか…


どこかで聞いた事があるような?????



そして、城門に魔法陣が現れる。


宇宙船だと、南極大陸戦の本衝突に間に合わないからと、特別に管理者達が魔法陣を組んだのだ。


そうして、黄金部隊と無敵貴族隊と、極秘に先王達の部隊も入って総勢250万が出陣した。


バホン国王は、ため息をついて城に入り、これからの人事異動を発表する準備をし始めた。




 その頃…地球では…


 フロン皇女ならぬフロント皇女が、オーストラリアの某所で、女子高生組に土下座していた。


 なぜ?


 少し前…オーストラリアの某所で会議があった。


 いきなりシドニーの本会議場に出ることができるほど、各国は甘くない。

 

 フロン皇女も、久しぶりの地球にフロント皇女の記憶がかなり刺激され、最近では性格も同一化していた。


 そして、よりハイスペックな論戦すら出来るようになっていた。


 かつてのフロントを知る者達が共通して言う言葉がある。


 「あの、ボタン連射さえなければな〜」


 用?=ヨーでも、女性の事は滅多に言わないが、やはり同じようにグチる。


 ヨッピーは、語る


「あの人…中毒みたいに、押すんだよ…」


 それさえなければな〜。


 と、当時を知るものは語るのである。



 どうも快楽殺人鬼ではないらしい。


 だが、かつてを知る者は、一歩も二歩もいや…逃げる事が出来たら、すぐに逃げたい人間の上位ランクだとも言う。



 そんな完璧皇女が、臨時会議場から出て街を探索していた。


 基本、今の地球の文化に興味がある。


 護衛がついているが、ウインドウショッピングもなかなか楽しいものである。


 そして、ミネラルウォーターを支給された金で買う。


 水は兵士の健康の基本である。


 自身で毒見をする。

 

 そしてステータスプレートを確認して、身体の状態を、確認する。


 (用は、ステータスプレートを見てもエラー表示しかされないので、最近は無いものとして、無視している。)


 フロン(フロント)は、監視されているのは百も承知ではあった。


 そして、道を歩いていたとき観光客達がいる区画にさしかかったときである。


 基本護衛は、スキル鑑定で道行く人を全て鑑定している。


 (地球人は、スキルや魔法を使うことが、かなり制限されただけで、実は基本的に、旧地球バージョンではあるが、ステータスプレートをもっているらしい。そして、スキルももっていたらしいのだ。ただ…体力とかを数値化は、されていない。)


 護衛が、見る限りただの金髪の女性や、日本人の観光客である。


 だが、フロン(フロント)は、立ち止まる。


 そして呆然と観光客達を見て、いきなり土下座したのである。



 護衛達も、監視していたCIAや各国情報機関のエリート機関員達も、ビックリである。



 初めは、フロンも普通の人に見えていたらしい。だが、フロントバージョンで見ると薄っすらと白く光るオーラがある女性達がいた。


 鑑定眼では、普通のステータスだが…


 そして、フロントの記憶では、よく似たオーラを持った存在と一度だけ旧地球時代に遭遇したことがあった。


 かなりの超上位の管理者達ですら膝をつく存在である。


 フロントは、自分の鑑定能力の自信と信頼をすぐに廃棄した。


 そして、顔をよく見た。


 鑑定して出た名前は違う。


 だが、彼女達だ…


 自分が、ブリードル帝国の役人の癖を知っていたのに、忙しさに任せて管理が緩んだ所をつかれ、彼女達は国境砦の隣町の領主に自爆要員にされてしまった彼女達である。


 すぐに、土下座した。


 恐らく殺されるだろう。


 当たり前だ。そんな結末が有っても不思議でないような事をしてきた自覚があった。


 上位の皇鑑定眼も恐らく隠蔽で弾かれている。


 そして、あのオーラの光は誰かの庇護の内にある状態。


 または、大きな存在に加護を受けているのと同じ状態だろうと思われる。


 生きていたのだ。それは喜ぶべきだろう。


 だが、自分が召喚に関わった責任を果たしていないのとは、別問題である。


 しかも、あのリバイアサン騒動がきっかけで、あの召喚陣では元の世界に帰す事が出来ない事も、生身で地獄に行って学習済みである。


 言葉が出ない。


 何を言えばいいのか…



 それを、見ていた引率役のヘル・ウォンバットは、女子高生組の、


「どうしましょう?」


「ここで一戦するか?」


「なんか、フロンがパワーアップしている様な気がする。」


「あの側近の奴、たしか百合好きだった奴だ。」


 などの念話が飛び交う中、


 大俵 あけみが、指示を求めて来たので、


撤退を提案した。


大俵 あけみ

「また、別の場所でね。」


そうフロンに言って、女子高生組は気配を薄くしてその場を離れた。



 フロンの側近が怒るが、フロンの

「手に持っている、妙な地図は?」


との言葉に、いつの間にか側近たちが地図を持たされていたことが判明して、真っ青になる。


しかも、側近達の帝国の城内でのコードネームが、マジックで書きこまれていた。



 黒薔薇隊所属の側近A(フロン戦闘部隊)

「まさか…彼女達は…。」


フロン皇女(フロント)

「生きていた。あの爆発の中で生きていた。


そして、なにかの方法でこの地球に戻って来たということ。そして大きな加護以上のものを与える存在…。


その地図の、丸で囲まれた所に行きましょう。


なにかのメッセージかもしれません。」




しかし、そこは日本の薄い同人誌も多数取り扱う本屋であった。



ジト目で見るフロン皇女に、側近達は


「間違いなく、彼女達だと証明されました。」


と、言うしかなかったらしい。



その後、大戸内閣総理大臣との会談では、間違いなく土下座からはじめ、今回のマルダス世界の拉致召喚の犯人の一人だと、自供した。


この戦争で、生きて帰って来たら、日本の刑罰を受けるとも言ったのである。


大戸総理大臣も、女子高生組からの情報でフロンの事は、知っていた。


だが会談前に、女子高生組から雰囲気とかが、変わっている。警戒レベルを上げたほうがいいと報告を受けていた。



そんな中での、いきなりの土下座である。


フロンは、知っている事を話した。


しかし、謎の存在ゼーロの事は知らないので答えようがなかった。


東京でのゼーロとの戦闘?映像を見る、フロンとジャングラー四天王の内二人組の計三人。


ただイベントでの、(仮)管理者1号2号に三人とも反応した。


四天王の二人は、ジャングラー国に時々襲撃に来る野菜泥棒だと、言った。


全力で、戦ったことがあったが、かなりの強者だったらしい。



フロン(フロント)は、(仮)管理者ではない、人間の頃の1号と2号を知っていた。



当時の地球を絵に描いて、住んでいたところと、所属していた組織をしゃべった。



その情報は地球世界に、とんでもないインパクトを与える。



 南極の謎の異世界軍団は、元旧地球人!


 そして、実は化石の世界よりも遥かに、地球と太陽系は古く、歴史が有り、数億年前から人類がいたと言うのである。


 遠い昔宇宙どこからか、やってきたとかのSF設定よりもインパクトがあった。


 しかし…冗談で見せたアメリカとかで見られるUFOの宇宙船のうち、1つにフロンは、首をかしげる。


フロン(フロント)

「そういえば、霊星(今は無い、砕けた)に移住計画を実行した国があったわね。」


大戸総理大臣からすれば、霊星ってドコ?

であったが、火星と木製の間にあったらしい。


今は、小惑星帯となっている。


地球魔導怪獣大戦後、地球も太陽もリサイズされた為に、重力軌道が変更になった。


その過程で、霊星が砕けたと言われてはいるが…


真相は、フロンもしらない。



そんな、会話内容をアメリカとかは、検証していた。


確かに、小惑星帯には元々星が有って砕けたとしか見えないとの、観測出来る小惑星全ての形状とか予想質量のデーターがあった。


そして、フロンの知っている過去の拉致の記録での、データーも提供されその分析の結果、


一応会議参加を認める信用を勝ち取った。


フロン(フロント)は、魅了というスキルと妖魅了(妖精の力を借りる魅了)と2つのスキルをかつて政治の場で使っていたが、今回は全く使わなかった。


女子高生組との遭遇は、フロン(フロント)の頭に大きな警鐘を鳴らしていたのである。



そこに、ホロン貴族軍参戦意思の報が入ったのはその6時間後であった。


だが…デストピアの第2陣もやってきていた!



大西洋の中心にデストピア軍が現れる…。


そこにやってきたのは、フランスとイギリス戦艦を主としたNATO軍である。


つづく…

 

 

 




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