第469話 里の激戦その1

 前回からのあらすじ…


 某県にある、隠れ里。

 ショッピングモールの真の実力者?をキレさせた元次長さんは、後先考えずにイタリアの高級スポーツカーを暴走させ、高速道路で前走車を追突し放題して爆走する。


 元次長を追いかける戦国時代の武者の怨霊軍団に、県警高速隊!


 何を思ったか、高速道路からジャンプして県警副本部長が乗るパトカーに墜落!しかも県警副本部長は、谷に真っ逆さま!


 続き始まります!


 里の大きく空いた結界の穴に、戦国時代の甲冑姿の怨霊軍団が突入する!


一番手、上杉家

二番手、今川家


なぜ、彼らは里を襲うか?


それは、かつてこの里が戦国時代にも大いに活動していた事を示すものである。


里の方針は、戦争を起こす事。

そのためには、何でもしていた。

そして、怨霊となったとき真実に気がついた者達が軍団を組んで永き世を耐え忍び、今、結界に穴が空いたのを機会に、己達を娯楽の道具として遊んだ者達を制裁しょうと、攻め込んだのである。



里からは、陰陽術・法師・退魔師、などと呼ばれた者達が出陣する。


しかし、里の者達は知らない。

太平洋に浮かぶ国籍不明の空母と、フリーゲート艦が里に巡航ミサイルをいつでも発射出来るように配備されていた事を!



国籍不明…そう!…詳しくいえば、地球産の戦艦ですらない。


地獄製だ!


地獄空母艦ヘル・バーナー

ヘル・バーナー艦長 ヘル・マウス

「よし。出てきたな!ヘル・クロウ!用意は出来たか?」


ヘル・クロウ

「こちら、用意完了している。いつでも行けるぜ!」



地獄巡洋艦 ヘル・スカイ

ヘル・スカイ艦長 ○ゴクノウグイス(ニホンゴナノハ ホンニンノ キボウ)

「対魔導巡航爆弾迎撃ミサイル発射準備完了!」


どうやら、やる気満々である。


実は銭形達が昼間、あの(仮)管理者に負けそうなら、すぐに姿を表して参戦する予定だったのだが、予定通りの行動となった。


そして、まだ姿は現してないが、10万ほどの艦隊が日本海に、30万の艦隊が太平洋に、5万の艦隊がオホーツク海にいた。



そして、地獄の管理者達が見守る中、ついに怨霊、今川義元の戦が始まる。


 雨は振らない。そして、今宵の義元は馬に乗っている!


 桶狭間は、この里には無い!


 そして義元の横には、織田信長が…


 里の特戦隊は、絶望的な状態を宗主様に報告するが、どうしょうもない状態だ!


「喰らえ!呪弾幕!」


梵字が刻まれた銃弾を、マシンガンで撃つ者達が、100人!


しかし、相手は…織田信長!


「ふん!撃たせろ!撃たせると、撃たないと不安になる暗示に、自らかかってしまう!それが、銃器の弱点!早く撃てるからといって、弾と火薬が無限にあるわけではない!」


「なるほど!確かに」


「おい!今のうちに、周りを固めよう!」


「旗を上げて、攪乱しよう」


「その役、おまかせ下され」


「大砲をもって来ましたぞ!」


「弾はなんだ?」


「何でも、異世界帰りのゴミらしい!」


「何でも撃て!」


「よし、打ちかえして来たぞ!」



「宗主様!弾が!無くなります!」


「護符が足りません!」


「包囲されました!」


「県警本部長が、なぜ副本部長を殺したと、ブチ切れてます!」


「東京の、党の本部長に連絡を入れましたが、やりすぎだ!と言われて、話が進みません!」


「逃げよう!」


「もう、駄目です!助けを!救いを!宗主様!もう駄目です!儀式をして天に助けを求めるしかないです!」


「やるしかないか…。やるぞ!」



がーーゴーー!


すーゴーー!


イビキしか聞こえない…。


「もう一度するぞ!」


❲おい!お前ら、いい加減にしろ!❳


「お願い申し上げます!お救い下さい!」


「我らは、我らは、これまで言うとおりにやってきました!」


❲その声は、ショッピングモールの元社長だな!全く仕事せずに、除霊もしない!良くもそれで我らの眷属を名乗ったな、この大馬鹿者め!❳


「そっそれは…」


「しかし、私達はなんとか維持してきました!」


❲ふざけるのもいい加減にしろ!女と見れば片っ端から、自分の妾にしようとして、あー新人バイトの御試(おためし)さんかわいそー!❳


「ヘ…?」


「あの、私、宗主です。そのコイツら…確かにショッピングモールで勤務していましたが、その事と今回の事が、一体…」


❲私が直接見てやった。そして、え?元社長さんよ!お前、「俺と寝ないとクビ」なんてよく言えたな!元副社長よ!よくも「全裸になれ」なんて言えたな!許さん!許さん!禁止したセクハラと、除霊する義務の怠慢の罪の罰として、このショッピングモールに集まる全ての怨霊をそちらに投げた!しっかりと浄化しろ!しなければ貴様ら人間という存在からも破門する!わかったな!やれ!❳



「そっそんな!」


「貴様らが、原因か!」


「まさか、御試様が…その御方様だとは知らなかったのです!」


「知らなくても、やってはいけない事はいけない事だ!」


「貴様が、浄化してこい!行け!」


「ぎゃーイヤダ!いやーーーーーー!」


「宗主として、命令する。貴様ら2人と、ショッピングモール組は責任を取って浄化しろ!行け!」



しかし、里の入口では


ヒタ!


ヒタ!


ヒタ!


カードレールの下から…


谷の下から…


血まみれの手が、出てきた!


県警副本部長

「許さねーぞ!」


巡査

「出たーーーーーー!」


県警副本部長

「生きとるわ!アイツら!許さん!本部長に連絡を!公務執行妨害!オレの殺人未遂!現行犯だ!機動隊を呼べ!突入だーーーーーー!」



それを合図に、県警のパトカーが里に向けて動き出す!



つづく…

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