第398話 その頃…ホロン国王では?

   ホロン国王・王城


 ホロン国王は、後悔していた。


嫌に楽な話だと思って乗ったのが…


いや、今はそんな状態ではない!



奴に気づかれると殺されるどころか、


死よりも恐ろしい改造が待っている。


なぜこうなった!



奴は、さっきから動かない…


何故だ?


まさか、まさか!


大邪神の左手が!


大邪神の左手の封印が解けるなんて!




大きな二メートルはある大邪神の


左手が、さっきから黙っている。



そこに、変な男が現れた!



大邪神の左手

「オイ!遅いではないか!全く!


早くあのミルトとか言う娘を連れてこい!


全く、貴様本当にワシの分身か?


さっさと動け!分身Eよ!」



大邪神分身E

「その…いません!この城にはいません!」



大邪神の左手

「なんだと! ホロンのクズ王が、


危険を察知するはずがない!


どうにかなると、のほほんと


していたクズなのに、


逃がすはずがないではないか!」



ホロン国王

「(確かにのほほんと、していたが、


何がクズだ!誰がクズだ!」


大邪神分身E

「確かにあいつは自分がクズだとは、


全く自覚していないクズですが、


あ〜そうか〜…


恐らく…」


大邪神の左手

「あ〜!ワレにもわかったぞ…


ご愁傷さまだな。


クズレベルが20以上になると、


会得するあのパッシブスキルだな!」



ホロン国王

「なんだ?それは…」


国王は玉座の真下の隠れ場所で、


息を潜めて聞き耳を立てる。



大邪神分身F

「すまない、遅れた。


大変だ!


分身Bと分身Cと分身Dが次の細工のために、


例の鉱山跡ダンジョンにいたのだが、


ベルガー達が結界で封鎖した!」



大邪神の左手

「なんだと!通りで念話が切れた


と言うわけか。


まさか!シーが覚醒したのか?


クソ!国王がクズ過ぎて、


こちらが細工しなくても、


封印の要(かなめ)を不遇に、追放、


国王のクズ行為のオンパレードで、


上手く行き過ぎていたとは、


思っていたが…


反動が来たのか?」



大邪神分身E

「よくわかりませんが、あの忌々しき


封印の波動は、まだ弱いです。


他の要因かも?」


ホロン国王

「C(騎士シー・ド・ダイハード)


が、封印の要(かなめ)だと!


あいつがこの王国の大邪神の


封印の中心だと!


親父(先王)の妄言だと思って、


放置したのだが…


あー!先王(親父)のやつ!


それで、ベルガー達とバボン王国に


行ったのか!


く…………、どうすれば…


早くここから脱出しないと…


しかし、逃げても行くあてが…


どうすればいい?




そうだった!王太子はどこに?


しかしヤツは…


王太子?(大邪神分身A)

「待たせたな。おかしいのだ。


祭壇に近づくのを結界に阻まれる。


この王太子の副王印が機能していない。」



大邪神分身E

「確かに身体はとりくんだのだな?」


王太子?(大邪神分身A)

「見ての通り!だが…なぜだ?


まさか、こいつ(王太子)も廃嫡?」



その時、国王の王印を


確かめたが…


ホロン国王

「ハァ?石?そんな馬鹿な!


そ…そ、んな…私は、国印からも…




では、王は誰だ?


王太子でもない…


クソ!バレる前に、なんとか逃げないと!


クソ!誰が!誰が!


大邪神の分身と入れ替わった!


許さんぞ!」



しかし…


大邪神の左手

「俺等が何もしていないのに、


勝手に上手くあのクズ王が、


全てやってくれて、楽だと


思っていたのにな〜!」



大邪神分身E

「あまりにも楽すぎたのでしょう!」



その言葉を聞いて…


ホロン国王は、犯人は自分だと


言われて…


やっと自分がやっちゃったことを、


認識し始めた…

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