第339話 やって来た自称婚約者1

  ヨー・ヨーダァなる、


ヨーガ商店の新人?さんが、


新侯爵ルーラーを接待していた頃…



護送馬車とは言えない、


豪華な馬車が、パイン街にやって来た。



そう!その日のメインの訪問者が、


やって来た…



□□□□□□□□□□□□

その頃、 用は応接間での


有様を、ムカつきながら見ていた…


「よくも、まぁここまでベラベラと


誰が婚約者だって!(#^ω^)」




第2王子?ミルト・ラ・バボン

「お願いします。ここで強制返送すると、


後にややこしい問題になります。」



メイド・トロイ

「そろそろ、お開きにしましょう!」



「妖気! 誰だ!」


AI

「え? サーチします!…


えっと…その… 妖気なのですか?


普通のエルフのオーラだと思うのですが…」


□□□□□□□□□□□□□□


パイン街 大門前


取調官B

「王宮より、重要人物の護送を頼まれた。


これより、引き渡します。」



門番A

「いや、そのような予定は聞いていない。


確認する。(なんだこの嫌な予感は…)」


門番B

「(なんだ、誰が乗っているんだ?


まるで聖カルッティの女王みたいな


オーラだよな!)


ここは大門、他の通行者がいるため、


あの待機場所へ移動して下さい!」



取調官B

「(なんだ?王の、直筆だぞ!なぜこうなる?)


王の直筆命令書である。


理由と申し開きは、後で聞こう。


開けろ!」



門番C

「だめだ! 本物ならば、王宮からの連絡が


入っているはずだが、来ていない。


よってだめだ。」


門番D

「全く、王の命令書が乱発されているのか?


これで何通目なんだよ。」



門番A

「確認した。」


取調官B

「では、通るぞ!」


門番A

「ダメだ!王宮からの連絡はなかった。


よって通す事はできない。」



取調官B

「まて!これは、本物だ!


王宮に確認を取ってくれ!


見てくれ!通し番号も、割印も合うはずだ!」



門番B

「おかしいではないか。


ここに直接派遣されるのなら、


ここの特殊ルールは知っているだろう。


正式に説明があるはずだ!


王宮で盗んだ様式用紙を使った偽物。


官僚に貴族が書かせた、略式物


紙から字まで全て偽物


の可能性を疑われるリスクを


取ることを普通はしない。



あの元公爵みたいに、


戦争を仕掛けるつもりなら、


そのままの横柄な態度を続けるがいい。」



取調官B

「(なんだ?兵が出てきた?これは…


まるで王都防衛戦時の時と同じ…


臨戦態勢だというのか…)


待ってくれ!何が…」


□□□□□□□□□□□□□□


その頃、ヨーガ軍団は動いていた!


このオーラ!


間違いない、ヤツだ!


凶気の女帝!聖カルッティの女王!


元勇者達を騙し、反省もナニもない、


凶気の女王! そして、大邪神の娘!


□□□□□□□□□□□□□


門番A

「早く、そこから…


うん?きっ貴様は!警報を鳴らせ!


敵襲!敵襲!敵襲!」


門前B

「大門をしめろ! 敵襲!」



門番C「ホーリーベール!」


門番D「ファイヤーウォール!」


門番E「ロックウオール!」



取調官B

「違うんだ! 本当に…熱い!…」



バボン王国第3王女 ルルト・ラ・バボン

「待って下さい! その書類を見せて下さい。


これは、正式に命令されたものです。


通して下さい。」



執事・大俵

「間に合った! ならん!その者たちを、


通すな!決して通すな!」


バボン王国第3王女ルルト

「後で、理由を言います。


中に入れて上げて下さい。」


執事・大俵

「なりません! ヤツは、


ここに入れてはならない!


主の意向を無視されるつもりか?」



バボン王国第3王女ルルト

「いえ、そんなつもりはありません。


なぜです?なぜ、そこまで…」


□□□□□□□□□□□□□□

その頃、パイン街冒険者ギルド…


ドリズ

「なんだって!グランドマスター!


あなたは、ヨーガ商店と全面戦争でも、


する気なのですか!


わかってないのは、


あなたですよ!


凶気の女帝メルトをパイン街に入れろ?


この街を滅ぼすつもりですか!」


グランドマスター マット

「ドリズ君、


すまんが君と論議する時間がない。


もうすぐ、彼女が着くはずだ。


頼んだよ。」


ドリズ

「無理ですね。支部ギルドマスターに


国家間の宣戦布告権限などない!


それを言ったのは、あなたですよ!


お断りします!」



グランドマスター マット

「宣戦布告権限か…


そんな事態になっていると?」


ドリズ

「なってますよ!


本部に報告を上げてますが、


凶気の女帝に、か・な・り酷いことを、


された者達がいることを、


お忘れですか?


確かに、王女様達が来てますよ!


それが、王国の信用の担保?


成りませんよ!寝惚けているのですか!


例えどんなところからの要望であっても、


恐らく無理ですね。


確かに、用さんは話を聞いてくれるけど、


限度があります!」



グランドマスター マット

「果たして結果、彼は戦争を起こすかな?」



ドリズ

「お忘れですか? 初代召喚拉致勇者達の、


出身を! 凶気の女帝が


ゆみさんに何をしたのか!


既に…」


グランドマスター マット

「これは、私でも拒否できないのだよ。


どこからの、依頼なのか言えないのだよ。


すまないが…」



その時ドリズは、なんとなく日頃、用達と


話していた内容を思い出していた。


かまをかける!



ドリズ

「ミノタウロス軍団なら、


拒否するでしょうね!」



グランドマスター マット

「君はいったい何を言い出す。」


王都ギルドマスター ワシャ

「ドリズ! 貴様!グランドマスターに、


失礼だぞ! 」



ドリズ

「失礼なのは、あなたですよ!ワシャ!


あなたは、これからバボン王国を


沈めると宣言するのと


同じ事を言ったのですよ!」


ワシャ

「何をほざいている!貴様!」



ドリズ

「グランドマスター! 


あれに触ると言うことは、


戦争を起こすと同義!


地獄と同じく、この世界を消すつもりか!


ミノタウロス軍団なら、


それをわかっているから、


拒否すると言ったのですよ!


私が何を言っているかわからないなら、


彼らに相談すればいい!


それでは…」



ワシャ

「まて! これは国王でも、


グランドマスターでも拒否出来なかった!


聞いているのか!」



ドリズ

「グランドマスターが、


この世界の終わりを望むとは、


思えませんけどね!



ワシャさん、


冒険者ギルドのバッチを外して、


個人的に用様に頼むなら、


通行証出しましょう!


だだし冒険者ギルドの名前も、


国の名前も出すことはだめですがね!」



ワシャ

「待て、なぜこちらの言っていることを…」



ドリズ

「その、命令した所の名前を出せばいい!


実在して、本物の命令であり、


あなたを、守るべきほどの人物ならば、


救けてくれるでしょう!」




グランドマスター ワット

「そこまで言うか!」


ドリズ

「聞こえますか? 警報の鐘が鳴っている!


もう一度言います。


ミノタウロス軍団に聞いて下さい。」


グランドマスター ワット

「わかった…」


□□□□□□□□□□□□□□□□


バボン王都冒険者ギルドマスター室


冒険者ギルドマスター ワシャ

「クソ、なにも知らない事をいい事に!」


グランドマスター ワット

「うん、冷静になろう。


恐らく、彼女はしっている。」


ワシャ

「え?」


ワット

「だからこそ、あんな言い方をしたんだ。」



ワシャ

「その…え?」


ワット

「どういうことなのか…


ギルド報告書にかける範囲を超えている?


だから報告が来ていない内容かな?


ミノタウロス軍団に聞け…


王国が沈む…


戦争を起こすと同義!


地獄と同じく、この世界を消すつもりか!


か…



聞くか… ?!!


いつからいたの?」



ワシャ

「?! え!」


ミノタウロス軍団将軍A

「ドリズ女史に怒鳴られているところから。


ドリズ女史は、よく状況を把握している。


ワシャ君だね。うん、戦線布告と同義だと、


言われても実感がないのだろうけど、


本当のことなんだよ。


彼女の言っている事は、正しい。


だが…こちらは拒否出来ない。」



グランドマスター マット

「なぜこうなった…」


ミノタウロス軍団将軍A

「一言で言えば、聖カルッティの四人組の


せいだな…だから、本来我らの負う


責務ではない。」


ワシャ

「四人組?」


ミノタウロス軍団将軍A

「大邪神とか言ってるが、


あれは、正式名は大教皇で


オババ達の父親だ…」


ワシャ

「ハァ?」


ミノタウロス軍団将軍A

「うん、それが普通の反応!


まだ君はこの凶気の世界に馴染んでない!


いいことだ! 褒めているんだぞ!


大邪神は、肉体改造をした大教皇の


なれはてなんだよ。



この世界が出来たときの移民の1人だね。


そして、がんばって光輝く世界を、


政治を、国を形作っていたら、


まだ申し開きできたのだが、


聖カルッティ王国のありさまでは、


言い訳も、話も通らんだろう。



それでも、あの人に話を聞かせろって、


そんな依頼事態、無理だね。


パイン街にも行ったよ!


頼んだけど、それはやめてくれって


言われた。」


グランドマスター マット

「行った後なの?」


ミノタウロス軍団将軍A

「ああ。そうだ。」



グランドマスター マット

「わかった…ワシャ、ドリズ…女史が、


言った通り戦争が起こると、


想定して、動いてくれ。


ブリザード公国に亡命する者達も、


かなりでてくるだろう。


そうだ…


地獄と同じく、この世界を消すつもりか!


とは、どういう意味なんだ?」



ミノタウロス軍団将軍A

「そのままらしい…


旧地球での地球魔導怪獣大戦が、


終わったあと一万を超える地獄世界が、


発生した… 今は8らしい。


あとは、消された、吹き飛んだ、


いろいろだったみたいだ。


地球魔導怪獣大戦は、場所をかえて


つい最近まで続いていたとも解釈できる。」



頭を抱え込むマット…


ドタッ!


ミノタウロスが見たら、ワシャが


口から泡を吹いて倒れていた。




夕方になりつつある。


長い王都の夜が、また始まった。

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