第304話 聖カルッティ王国・女王の決断。

   聖カルッティ王国…


 王宮では、結界内に手を出せない反乱軍と


結界内で腹を立てている大オババ達がいた。



大オババ

「あ、あいつらは〜! 


オババを封印に使って、海賊団に入っただと!」




女王メルト・ラ・カルッティ

「だから、封印札を送れと言ったのに、


封印するものが無かったら、


責任者が責任取るしかないわな。


まぁ、オ〜バ〜バ〜が、


どんな手でも使えって言ったからには、


使ったのだから、しかながないな…。」




大オババ

「それで!どうするのだ!


外は、バカ共の反乱! 内部は籠城…


食料はまだまだあるが、


鎮圧しないとだめだろう!」



女王メルト・ラ・カルッティ

「鎮圧? 鎮圧してどうする?


税金は、所得の4割と高かすぎる国。


しかし、福祉なんて口だけ…


こんな国になにの魅力がある?



世界樹の管理と大邪神の封印なんて、


やってこなかった事が、バレたのじゃ!



世界樹がすでになくサブブラックが、


代わりをしていたが、それもバレ、


いつの間にか樫の木に代わっとった!



アハハハハハハハハハハハハ!



何が、管理の巫女じゃ!


何が、創造の管理者の代理じゃ!



それどころかヴァーミリオン姉妹は、


あの人と巡り会い…



わしは、貴様らの凶気の結晶の、


後始末だけしろとか、いい加減にしろ!



やりたいのなら、勝手にやれ!」



大オババ

「待て!何をする気じゃ! こら!ミノタウロス!


さっさと、反乱軍を鎮圧しろ!」



玉座の横に立っているは、


ミノタウロスの将軍である。


ただ、黙って立っていた。


なにも反応がない…




なにかを、待っている…


そうとも取れる。




大オババ

「クソ!かくなる上は!これを、使うか!」


大オババは、大きな印鑑を


自分の収納から出した…



それに、何やらMPを送り込もうとしていたが…


出ない!


思いっきり気張っていたが、


出ない!


大オババの顔から、冷や汗がでる…


それでも気張っていた…


プーーーーーーー!


屁が出ただけであった…




それを、なんとも言えない顔で


女王は玉座から見ていた……



女王メルト・ラ・カルッティ

「ハァー、国印は、もはや認めずか…」


大オババ

「ふざけるな!わし以外誰がする!」


女王メルト・ラ・カルッティ

「誰がするって、お前は国政も、巫女業務も、


なにもしてなかっだろ。


やっていたのは、権力を使っての


凶気の実験だけだろ。


で?ゴブリン・ジャイアントの解体は?


で?オーク・ジャイアントの解体は?


できてないだろ!


勇者の仲間を実験台にしていた?


ワシは聞いとらんぞ!


よくもそんな事をやっていたな。


また、ワシが詐欺師呼ばりされるのだぞ!


もう詐欺師呼ばりはお断りだ!




自分の実験の後始末すらせず、


業務すらせず、何が権力じゃ。」



大オババ

国印を振り回して…

「権力!ここにある!これが証拠じゃ!


ワシの崇高なる魂が証拠じゃ!!


黙ってワシの言うことを聞いておればいい!


メルト!さっさとミノタウロスに命令せい!


反乱軍を鎮圧しろと!」




女王メルト・ラ・カルッティ

女王は、自分の国印を取り出した。


ポーと光出す!


「ワシはまだ認めてくれるのか。


では、女王としての最後の仕事をする。


ミノタウロス、あの人の居場所はわかるか?」



ミノタウロスは、黙って首を横に振る。



だだ王国全土に、オババ達のやり取りを


公開していた…




女王メルト・ラ・カルッティ

「そうか、聖カルッティ王国の国民よ!


今のやり取りを全て公開していたとおり、


ワシは、女王をもともとなるべきではない、


そう、経典に書かれたあの人に


言われた存在だ!



しかし、この世界に移民する時、責任を取れ!


と地球の管理者に言われ、


女王をやっていたのだが、


世界樹は、もうこの国には今いない。


なので、ワシの世界樹の世話の義務も


なくなれば、女王の責務からの権力もない。


なので、最後の処理を行う。




ミノタウロス! 世界樹の守護者よ!


私は、世界樹を…あの人を探しに行く!


お前たちは、どうする?」



ミノタウロス

「我らは、世界樹の元に行く。


あの方に、謝るまでがここの仕事、


ここでの義務であった。


我らも、探しに行こう。」




大オババ

「ハァ? 貴様ら何勝手に言っておる!


コラ! さっさと反乱軍を…


ぐへ〜!」


女王の拳が、大オババの腹にヒット!



女王は、大オババを殴る殴る殴る!



そして、ぐったりした大オババを玉座に


座らせた。



女王メルト・ラ・カルッティ

「久しぶりの玉座だぞ!


のう?凶皇殿?では、責務を果たす。



国民よ!見ておけ!


ワシは地球の管理者から責任を取れと


言われたから、


これまで女王をやっていたが、



反乱が起こった!


これはもうワシの助力や知恵はいらずに、


この国家をやっていけるというところまで、


成長したと言うことじゃ!



よって、ワシは女王を退任?でいいか…


退任する! 大オババに権力を返す!


今からそれをする!


全土放送だ!後で我々はそんな事を、


希望していないと言っても、もう遅いぞ!



大オババの暴走を止められなくても、


なんとか緩やかにするくらいの事は、


やってきたが、ワシも疲れた…



丁度いい機会に反乱だ!


よって退任する!


よく見ておけ!」



女王は、手首を切って血を自分の国印に注ぐ!


国印が、恐ろしい赤の光を放ちだした!



大オババ

「何をする気だ! やめろ!やめるんだ!」



女王メルト・ラ・カルッティ

「ああ!辞めるんだよ!今から辞めるんだよ!」




そして、赤く光る国印で、


大オババが玉座の肘掛けに置いてある両手に


国印を押していく!



ジュ~!


ジュ~オ〜!


そこから、煙がでる。


大オババ

「ギャーーーーー!!!!ーー!!!」



そして、両脚にも国印で押していく!


ジュオ〜~~!


ジュ~オ〜!


大オババ

「イャーーーーーー!


ヤメローーーーーー!」



そして胸から、額に国印を押した。



大オババ

「アーーーーーー!」



女王は手首にヒールをかけ、


血を止める。


流れた血が全て国印に集まっていく。



そして、大オババの持っていた国印に


合わすと、2つは合体した…



元女王メルト・ラ・カルッティ

「これにて、今からのこの国の女王は、


大ババ  キルト・ラ・カルッティが、


玉座に復帰した。


経典にも書いてあるが、


かつてこの大オババは凶皇と呼ばれていた。


それが復帰したということじゃ。



それでは、ワシは退職じゃな。


そうそう、3王女の退職金は少しじゃが


マジックボックスに入れといた。



ミノタウロスの退職金も、今から渡す。


えーとワシの退職金は、え?金貨1枚か…


国印にそう表記されたら仕方ないな…



では、そういうことなので…」




□□□□□□□□□□□

王城の扉が開く!


ミノタウロス達が、袋を持って退城する。


元女王も一緒に出てきた。


冒険者風の鎧を着た状態であった。



「どういうことなんだよ?」


誰かが言った…


元女王

「ワシも、元の拳法家であり、


冒険者に戻るということじゃな。


まぁがんばれ!いい国にするには、


努力がいるぞ!ワシに言えるのは、


これくらいじゃな。」



そう言って、ミノタウロス共々、


魔の森に入って行った…

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