第296話 埋められた都市…5

  円形に、床が沈んで行く。


エレベーターみたいだな。


しかし降りた先は、どんよりとした暗い


曇った空のある空間であった。


そして、大きな樹木があり、その上空をも起点に台風よりも早く雲が渦巻いていた。



AI

「あれは…」


用?

「天界に緊急メールを!


世界樹ユグドラシルらしき樹木を発見!


必要あらば、全力戦闘になる模様。


汚染度は、黒色レベルが20を超えている。


湾曲する空間爆発が発生可能性が大きい。」



AI

「ヘ?一つ間違えば地獄間違いなしの核爆発級の爆発多発じゃないですか?」


用?

「ここは、もう地獄!」


AI

「そうでした!」



ゲス・ゲドウ・ドゲス

「やめろ!やめろ!あいつを動かすな!刺激するな!マジやめろ!」



用は歩きだす。


大きな樹木の前に、少女が立っていた。



用?

「相変わらずだな。ユグドラシルよ!」



少女?

「誰? 私の事を知らない人が、さも知ったかぶりして話しかけてくるのが、一番ムカつくのだけど!」


用?

「次の言葉は、コケムシにしてやろうか?


だったな。」



少女?

「は? お前なにを… え? 


昔セリフ、なぜ知っている?


もう、使わなくなって久しいのに。


そうか…そこのゲスに聞いたのだな!」



用?

「良かったなゲス! ユグドラシルは、お前のことをしっかりも見ていてくれたみたいだぞ!


あのファンタスティックネームは、ここでは使わなくてもいいぞ!」



ゲス

「ふざけるな!テメー! 本当になにもんなんだ! 名乗りもせず、人をボケ扱いしやがって!」




ユグドラシル

「ゲス!うるさい!だまれ!」


ゲス

「貴様!」


用?は、頭をポリポリとかいてため息を吐く。



用?

「ほんと、変わらないな、お前ら。


そんなことじゃ、反省なんてしてないだろ!」



ユグドラシル

「反省? なんのことかな?」



用?

「大樹の行進。」



ユグドラシル

「?!」



用?

「ペタンウォーク!」


ユグドラシル

「!!!」


ユグドラシルと言われた少女は、用?に近付いて下から用?を見上げる。


そしてクンカクンカと、ニオイを嗅いでいた。



そして、ジーと見る?



ユグドラシル

「顔改造した?」


用?

「しとらんわ!」



用?は、肉体改造が基本的に嫌いみたいで、


少し怒りの顔になったが、それを見た少女は…



ユグドラシル

「!? !! え? ヨー? ヨー?だね!


若返った! え?」



用?

「うーん(゜-゜) 


若返り改造とかはしてないぞ!


オレとしては、そのまま年をとったつもりだ


今は、天界に無理言って一時期


赤ん坊としてやり直しから


やっとったから、今の状態を前世とか


表現しているが…」




ユグドラシル

「天界が、無理を聞いた?あ!まさか!


あ~!な~ンとなくわかった!


あいつらの地獄ふっとばしていって、


浄化していったのヨーだったんだ!



そっか…約束守ってくれたんだ…


ごめん…ボケてたんだね…


ヨーだとわからなかった!」



用?

「いや、いい。思い出してくれただけでもいい。そこのゲスは本気でわからんらしい。」




ゲス・ゲドウ・ドゲス

「お前誰だ? ヨー?知らんぞそんなやつ!


だが、なぜ知っている!」




用?

「ユグドラシル、聞きたいことがある。


だいたい70年位前に、ここで何があった?」



ユグドラシル

「う〜んとね、ボケダーズとか、


クズダーズとか、


ゲスの仲間達が用の封印珠を持って、  


攻めてきた! 


 それで、やっぱりポプリがゲスを手にかけることが出来なかった。


 いくら、名前を呼ぶのもゲスに変えても、


 実の姉に手をかけられなかったの。


 ヨーちゃんの言った通りになった。


 それでね、その宝物の収れんの壺使って、


ボケダーズ達とクズダーズ達とゲスども達が


合体したのだけど、


ゲスだけ口から吐き出したのよ…


そして、あの合体ドアホは黒い珠を


吐き出して、ヨーちゃんの封印珠を


取り込んだのよ!」




用?

「黒い珠って、コレか?」


用が、確保した❨?❩の黒い珠を出す。



ユグドラシル

「うん…!それ! え?」


用?

「投げつけてきたから、


確保してあったやつなんだが、


なるほどな…」



ユグドラシル

「ポプリちゃん、殺されそうだったから、


私が取り込んだことにして、


今封印してある。



見てみる。相当落ち込んでいたから…


まさか姉が更生せず、


また悪事に手を貸すとはとかで、


落ち込んでいて、


ヨーちゃんの事を認識できるかどうか…」




用?

「あと、ここに地球から活きた人間が投げ込まれなかったか?」



ユグドラシル

「来たよ! ほっんとに!


欲の権化がいっぱい来た! 


女の姿見た途端に、


「オレは勇者だ、オレのハーレムに入れ」


なんて腐っている事本気で言うから、


しばいて魂だけでも、


やって来た通路に返品したよ!」




用? 

「そっ…そうか…。


うん…お前そういうの嫌いだったな…


で、肉体は?」



ユグドラシル

「そこに、並べているよ!」


 大樹の後ろに、歴代の拉致された勇者達の肉体が氷漬けになっていた!



ユグドラシル

「ポプリちゃん出すね!」


 大樹のそばの地中から、小さいが家が出てきた…



用?

「はは…あいつの昔の家か…


よく、覚えていたな…」



ユグドラシル

「あの時の、約束も守っているよ!


だから、しっかりと修行していたんだからね!」


用?

「え?(そんな約束?あったっけ?)」



ユグドラシル

「ほら! じゃ〜ん! 」


大樹が消えて、少女の肉体が濃くなった!


ユグドラシル

「実体化から、変身じゃなくて転化を克服して素でこの姿になったのだ!」


用?

「なるほど。」


ユグドラシル

「大樹の姿は、雰囲気作りのための幻だよ。」



そして、用?は家の中に入った。


中には、ポプリさんがいた…


いろいろな話が始まった…


 ポプリさんは、


用?の事を気がついていないが、


ユグドラシルの喋り相手として


話し出しているらしい。




つづく…


次回…将軍Cさん編を先に書きます。

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